作:あかり
コーヒー
「うわ、真っ黒。よく飲めるねえ。」
手に持ったカップをみて、そんなことを言ってきた。眠気覚ましなんだから、別にかまわないだろうと思う。それに、あんまり甘いコーヒーは好きじゃない。
「背が伸びなくなっちゃうって言うよ。あこれ、入れてあげる。おいしいよ。」
有無を言わさず、入れられたのは牛乳。砂糖まで手に持ってきたからそちらは丁重に断った。おいしいのにーと膨れて、自分のコーヒーはミルクで溶かして砂糖を入れてと甘い飲み物にしてしまっている。眠気覚ましに効果があるのかちょっと怪しいものだと思う。
「テスト期間中って、嫌だけどコーヒーをいつもより飲めるのは嬉しいかも。なんか、おいしいもん。」
両手でコップをもってふぅふぅと息をかけて一口飲んでそういった彼女の頬は幸せそうに緩んでいて、こんな顔が見れるんだったらまあ、テスト期間も悪くないと思えた。
紅茶
私が好きなのはミルクティー、彷徨がすきなのはレモンティーであまり甘くないの。ワンニャーがすきなのはアップルティー。普段はお茶が多いけど、たまぁに紅茶を飲もうって言う日は、皆でじゃんけんしてどれにしようかって決める。今日のデザートは、ななみちゃんお勧めのケーキ屋さんで買ってきたカボチャのタルトで、どうせならミルクティーで食べたいなぁ・・・。
「デザートあるから、今日は紅茶にしよう。ななみちゃんが薦めてくれたタルトなんだよ。カボチャだから、甘いけど彷徨も食べれるよ。」
「カボチャか、サンキュ。うまそうな。」
「本当です、おいしそうです。未夢さん、ありがとうございます。」
「じゃあ、紅茶準備してくるから、決めようか。」
「いいよ。今日はミルクティーにしよう。せっかく買ってきたんだし、ミルクティーで食べたいんじゃないのか?」
「え、うん。そうだけど、いいの?」
「ミルクティーもうまいし、良いよ。せっかくだし、牛乳から淹れようか。」
「うん。ありがと。」
「私、準備してきますからお皿とかの準備を未夢さんお願いしますね。」
「はーい。」
紅茶もタルトもどっちもすごーくおいしくて、幸せでほっこりした気分だったけど、一番温かくなった理由は皆が私の好きなものを知ってくれているってことかも。
お茶
もうすぐ3時になろうかという時間。休みの日は3時のおやつの時間だ。
おやつの決定権は台所を預かっているワンニャーが握っていて、お茶をいれてきますぅと言ってさっき、ルゥ君を私にたくして走っていった。それから、漂ってきたのは玄米茶のいい香りで、今日はお団子がおやつだよって教えてくれる。
前にこのお茶おいしいんだよって買ってきてから、なんだかんだでお気に入りになったみたいで、ワンニャーの大好きなみたらし団子やお団子がおやつの日には玄米茶が出るようになった。
「みなさん、用意が出来ましたよう。今日のおやつはですねぇ・・・。」
声を聞いて、彷徨と顔を見合わせる。彷徨もにって笑ってる。ワンニャーがねぇを言ったかいわないかの時に「「お団子です。」」と口に出す。
ワンニャーはふすまを開けたままびっくりしていて、ちょっと間が抜けていておかしくて、もう一度彷徨と顔を見合わせて笑ってしまった。ルゥ君まで一緒に笑うから、ワンニャーまでつられて笑う。
そんな3時のお茶の時間。
拍手いただいた皆様ありがとうございました。そろそろ入れ替えようかなとは思ったのですが、削除するのはなんだか寂しかったので、こちらにupさせていただきました。
短いですが、小話を楽しんでもらえたら嬉しいです。