作:利音
「やっと着いた・・・・?」
よろよろと西園寺の前に立つ未夢。
さっきの空を飛んだことがよっぽどこたえたらしい。
(だいたいなんなの!?この町では魔法を使うのが当たり前なのかしら・・・)
未夢の前には大きな門。その前には小さな絵本らしきものが落ちていた。
「あれっなんか落ちてる・・・・・・かっかわい〜vv何だろうこの絵本。この家の人のものかなあ。あっそおいえばさっきの変なおじいさんが『彷徨君』によろしくね〜とかなんとかいってたっけ?」
未夢の声はよく通った。なんといってもこんなに大きな家なのに門番の一人もいない。なんだか寂しい感じのする家というより・・・城だった。
「くよくよ悩んでても仕方ないよね!行きますぞっ!!」
勢いよく門を開ける未夢。しかしバッタ−ン!!などという効果音はなくギギギギ・・・・・
という鈍い音がするだけだった。
(なんか怖いよ〜なんでこんなに薄暗いのぉ?)
「おっおじゃましまーす・・・」
「誰じゃ?」
低い男の人の声が帰ってきた。
「あのお今日からここでお世話になります光月未・・・」
「ばぁっ!!」
振り向いた顔はのっぺらぼう。普通の人ならお面と気づくのだが未夢は極度の怖がりだ。
「きゃわわわわわわわわ〜!!!!!!????」
「おお〜未夢さん未夢さん!!ようこそじゃ。遠かったじゃろう?」
「(どっくどっくどっく)は・・・はい。どうも。」
(宝昌様っていつもこんな感じなのかしら・・)
少し警戒しながらも西園寺を案内されるうちに自然とうちとけてきた未夢。
「宝昌様、この家って宝昌様が一人で住んでるの?それにしては広すぎないですか?」
「ほっほっほっほっほ。様付けなどしなくても『おじさん』でけっこうじゃよ。
それに昔はこの家もにぎやかでのう。五十人ほどのメイドやコック、執事なんかもいたんじゃよ。それにわしには妻もいてのう、瞳と言う名なんじゃが。十年ほど前に死んでしまったよ。」
宝昌は悲しげにそういった。
「そうだったんですか・・・。悲しいこと思い出させてしまってすいません。」
「いやいや、いいんじゃよ。それより未夢さん?おなかはすいとらんかね?わしが軽い昼食を作ったんじゃが・・・・」
そおいえばさっきからおなかがすいていた。
「あっほんとうですか?じゃあ遠慮なくいただきます。」
「まあ、わしは手伝っただけでほとんど息子が作ったんじゃけどナ。」
「息子さんがいたんですか!!!」
「ああ、彷徨と言う名じゃよ。ちょうど未夢さんと同じ年だとおもうが。」
「そうなんですか・・・。」
そう話しているうちに昼食を食べるらしいダイニングに着いた。
そこには宝昌の言ったとおり1人男の子が座っていた。
(ふ〜んあの子が彷徨君か・・・・。茶色の瞳なんてめずらしい。私の居た町にはいなかったなあ)
「親父、おせーぞ。なにしてたんだ。」
どこまでも無表情な彷徨。
「おお〜すまんすまん。未夢さんを案内してたもんじゃからのう。」
「みゆ・・・・?誰だそれは。」
「あっ!えっと・・これからココでお世話になります。光月 未夢です。」
「・・・・・聞いてない。」
「「え?」」
デュエットで聞き返す未夢と宝昌。
「俺はそんなことひとっことも聞いてない。」
「じゃから今話したじゃろう。」
「それじゃおせーんだよ!!大体いつも親父は勝手に決める!!今夜のパーティーだってそうだ。俺はまだ14だぞ!!結婚なんてしないからな。」
「なにも今から結婚しろとはいってないぞ。婚約だけじゃも〜ん。」
二人のやり取りを見ておろおろする未夢
(えっえっ・・・・ちょっと〜私のこと忘れないでほしいわ〜。)
「婚約だって同じだろ!!」
「そ〜んなことないも〜ん。」
ジリリリリリリリリリリリリリリッ
電話が鳴った。
「もしもし?おおっ元さん!!わしじゃ。宝昌じゃよ〜
なにっ今から『インド』に!?わかった。すぐにしたくするっ」
「お〜や〜じ〜っ」
「おっおじさん・・・?」
妙な気迫を持つ2人。そのままにらみ合いが続く・・・。
「すまん彷徨っ未夢さんっ!!彷徨っお金は金庫にはいってるからな〜」
どろんっ
(げほっげほっ・・・くそ親父〜俺にまだあのテの術が使えないのを分かってつかったな〜)
(ちょっとおじさん!?ふぇ〜〜〜私はどおすればいいのよお)
すいません。結局未夢ちゃんの視点にほぼなっちゃいまいしたね。
次こそ彷徨saidでいきますぞっ!!
それと、この町は日本とアメリカが混ざっているかんじなので・・・・
日本とアメリカの間ぐらいにある島国(それなりに大きい)
が舞台ですかね。どうしましょう。フツーに平尾町?
それでいっか。(笑
まあ地図には載っていない幻の島とうことで。