Wander each love

★Cafe★

作:西光ゆな

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恋が切ないと〜、すぐ傍で〜




Wandar each love ★Cafe★


翌朝、早速カレからメールがあった。
内容は、どこかに行こうということだったが、詳しい場所の表記がない。
昔からそうだ。行き当たりばったりが多すぎる。
未夢は、





そーいうこと、ちゃんと決めてから送ってよね!いきあたりばったりなんて、イヤ!







というメールを思わず送ってしまった。それから、メールは来なくなった。






放課後、いないとは思いつつ彼が示した場所に行ってみると、予想に反してカレがいた。
久しぶりに会ったときと同じく、女のコたちに囲まれていた。
でも、顔は思いっきり彼女たちを拒絶していた。


「かな、た・・・」




声が聞こえたらしく、彷徨は私のほうに近づいてきた。



「おい、未夢おせーぞ」
「だって、いないと思ったんだもん・・・」
「オレがあんなメールで落ち込むでも思ってんのか?」
「・・・」





無言な未夢の手を引っ張って、彷徨は裏路地のほうに入っていった。



「・・・彷徨!どこに行くのよ!」











すると彷徨が急停止した。
手を引っ張られていた未夢は、彷徨に激突した。

「ちょっと、いきなり止まんないでよ」
「ほら、ココ」




彷徨が指差したほうをみると、洋風の小さなカフェ。
名前は「Small」。周りにはほとんど何もない。
中に入ると、独特のコーヒーのにおい。
でも、不快なものではなかった。
メニューを見ると、意外と種類が多い。
窓の外の景色はとてもかわいらしいものだった。
未夢が好みそうな・・・。






「あら?彷徨。あなたからココに来るの、随分久しぶりじゃない?」


彷徨に声を掛けたのは、Smallのマスターと思われる女性。






「そーだな・・・母さん」







お母さん・・・?よく見ると、見たことのある顔・・・。


「・・・瞳さん!」
「未夢ちゃん!久しぶりね。何年ぶりかしら?」
「彷徨・・・じゃあ、ココって・・・」
「あぁ、ココは母さんが経営してるんだ」




そっか・・・。
だから、私の好きな雰囲気なのね。
彷徨、意外と私のこと分かってくれてるんだ・・・。




未夢と瞳は馬が合う。
だから、味の好みとか趣味とかよく似ていた。
そんな未夢だから、彷徨は惹かれたのだ。




「好きなの、頼んでいいわよ。未夢ちゃん、いつでもココに来ていいからね」
「あ、ありがとうございます!」





未夢ちゃんの飛び切りの笑顔を見た息子は、すごく自然な笑顔をしていた。
プレイボーイになってしまった息子だけど、やっぱり未夢ちゃんが好きなのね。
だから、あんなこと言って家を飛び出したのかしら・・・。




「じゃあ・・・ミルクティとココアクッキーをお願いします」
「オレはいつもの」
「はいはい」


久しぶりにうきうきした気分で、コーヒーを淹れられるわ!



「じゃあ、未夢ちゃん。彷徨のこと、よろしくね」
「えっ・・・」
「おい、母さん!」
「ふふっ・・・じゃあね」
「それでは!」



彷徨、ココに連れてきてありがとう。
意外と私のこと、見ていてくれたんだね。
なんか、このままでも・・・。





Cafe。そのまんまですね。
私って、瞳さん好きなキャラかも。
前作、I lost my Heartでも夢に瞳さんを出したし。

彷徨の実家はお寺ではありません、今回は。
ストーリーには全く関係ないので・・・。
さて、彷徨が家を飛び出した理由とは!?

あ、ちなみに前文の恋が切ないと〜というのは、未夢の着メロ。
クリスタル・ケイさんの「こんなに近くで」です。
この曲、大好き!みゆかなみたいで。





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