Wander each love

★Reunion★

作:西光ゆな

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なんで、こうなるの?どーして、こうなってしまうの?
ねぇ、私の気持ち、考えてよ・・・。


Wander each love ★Reunion★









彼の姿を認識した途端、未夢は駆け出した。ホームの方向に。


「おい、未夢!」




彷徨が声をかけたが、振り向かなかった。
1年ぶりに見た幼馴染は、更に大人っぽくなっていた。
でも、周りに女子がいても何とも思わない彼の姿は見たくなかった。
小さいころは違ったのに・・・。







逃げるようにして地下鉄に乗り込み家に帰った。
家につき携帯を出そうとして、鞄を開けた、が。













「あれ・・・?ない・・・」









携帯がない。
じゃあ、ななみちゃんか綾ちゃんが拾ってくれたかなと期待して電話をかけたが。
2人とも「拾ってないよ?」との返答だった。
仕方がなく、自分の携帯に電話を掛けた。
その携帯に出たのは、今は聞きたくない彼(ヒト)の声だった。







「お、ようやく気づいたか、鈍感未夢」
「かっ、彷徨!なんでアンタが私の携帯なんか!」
「オマエが全力疾走でいなくなったときにオレの前で落としたんだぜ?」
「・・・」
「今返そうと思ったんだが・・・、5時に海空駅に来い。返してやる」






といって切れてしまった。
なんて勝手なヤツ!と思ったが、携帯がないと困る。












私は約束どおり、駅に向かった。
すぐ、見つけた。やはり、女子たちに囲まれている。
でも、私を見た瞬間すぐにこっちに来た。





「携帯、返してよ!」




用をさっさと終わらせたかった。
彼と一緒にいたくなかった。
でも、彷徨はそう簡単に返してくれなかった。




「条件がある」
「え?」
「オレに携帯の番号教えろ」
「なんで!」



番号教えるなんて真っ平ごめんだ。
でも、彼に教えないと返してもらえない。





「じゃあ、なんでも言うこと聞くから。番号教えるのは・・・」




教えたら、彼女から電話がかかってきそうで嫌だった。
でも、彷徨の妖しい笑顔にぞくっとした。















「・・・オレの彼女になれ」














「うん・・・って、えぇぇぇ!」





「はい、交渉成立。んじゃあ、番号教えろ」





嵌められた!




「あの・・・神野さん・・・由香とは・・・?」
「あ``?アイツとはもう終わってるぞ。ま、不本意なカレカノの関係だったからな」





由香とは関わりたくなかった。
私の元親友だけど、信用できない。
彷徨。私、本当は好きだったのよ。貴方のこと。
でも、今はそんな気持ちはない。
けれど、交渉は交渉。彼女にならなければ、ダメ。
私はしぶしぶOKしてしまった。
彼がプレイボーイだということをすっかり忘れてしまっていたから。
携帯返してもらうことに必死だったから。








Reunion=再会
みゆちと彷徨くんの再会を示してます。
今回のかなたんは原作と大幅に違う・・・。
壁紙の携帯は、今回のストーリーに関わったので選んでみました!
私のサイトは一定の壁紙になるから、壁紙選択はゆなの密かな楽しみです(笑)








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