また絵本に入っちゃった!?

〜眠り姫〜part1

作:瑞穂

 →(n)


この話は、『だぁ!だぁ!だぁ!』の原作の5巻・6巻を読まれていない方にはネタバレになってしまう可能性があります。




チュンチュン・・・


ふすまの向こうから小鳥のさえずりが聞こえている。
未夢は寝返りを打った。


今日は日曜日。
中学生の未夢と彷徨は学校が休みということもあって、まだ夢の中だ。
そんな静まり返った西遠寺にドアが開く音が響いた。


「マイダーリン、ルゥ〜」

そう叫びながら西遠寺の廊下を駆けていく小さな女の子。
自称ルゥの彼女ももかはルゥとワンニャーが使っている部屋の前まで来ると。


「ルゥ〜」
部屋で眠っているであろうルゥの名前を呼びながらふすまを開けた。
予想に違わずそこにあるUFOにねむるルゥに駆け寄って側にしゃがんだ。

「ルゥ、せっかくのにちようびなのに、まだねてるのぉ?」
「・・・?もんも?」

ルゥは目をこすりながら自分を見ているももかを見上げた。

「あしょびにきたわよ!ちゃぁ!おきてぇ〜」
「?あーい!」


ニコニコ顔のももかに一瞬きょとんとしたルゥが元気よく返事をした時、
隣で、もう食べられませんよ〜などと言いながら眠っていたワンニャーが目を覚ました。
「あれぇ?ももかさん〜?」

ワンニャーはむくりと上半身を起こして、目をこすりながら首をかしげている。

「おはよ〜、ワンニャー。ねぼすけねぇ〜。」
「お早うございます。ももかさん。どうしたんですか?こんな朝早くに。」

ワンニャーが不思議そうに尋ねてみると。

「せっかくのにちようびなんらから、ルゥとデートしにきたにきまってるれしょ!?」
と腰に手を当てているももかに、ルゥがあーい!と返事をする。

ワンニャーはそんな二人のやり取りにパチパチと瞬きをしながら、ももかを見て。

「でわ、ルゥちゃまの面倒よろしくお願いしますね。ももかさん。
わたくしは、顔を洗ってみなさんの朝ご飯を作ってまいりますので。」
「まかしぇてっ!」


元気に返事をするももかに微笑みながら、ワンニャーはあくびをかみ殺し部屋を後にして台所へ向かった。




゜+.゜☆*。




「おはよー」
「あ、お早うございます。未夢さん」
「お早う、ワンニャー」


未夢が起きてきて居間に入ると、机の上には朝ご飯が並べてあった。
いつ来たのか、ももかがルゥと遊んでいる。
彷徨はもうご飯を食べ始めていた。
未夢は自分の茶碗がおいてある場所、彷徨の前に座りながらももかに声をかけた。

「ももかちゃん来てたんだ〜?あ、いただきまーす」

そう言いながら、自分の前に並んであるご飯を食べ始める。

「おばたん!あたちはルゥのかのちょなんらから、
デートするためにがんばってはやおきちてきたのよ!デートのじゃまちないれよね」
片目を閉じながら人差し指を自分のほうに向けているももかの、
いつものことながらおませな言葉に未夢は、あはは〜とから笑いを返して。
ふと気になって、向かい合って座っている彷徨のほうに目を向けた。


「ねぇ、彷徨」
「ん?」
「私ね、今日ななみちゃんと綾ちゃんと買い物に行くんだけど、彷徨家にいる?」
「別に予定はないけど?」
「じゃぁルゥくん達のことよろしくね?なるだけ早く帰ってくるようにするけど」
「あぁ。まぁ、ワンニャーもいるし大丈夫だろ」


それもそうだね〜とうなづいている未夢を尻目に、
「ごちそうさま」
といいながら、彷徨は食べ終わった食器を手に台所へ向かおうと立ち上がった。
居間の部屋の隅では、ルゥとももかが楽しそうに遊んでいる。
台所のテーブルの上に置きっぱなしになっていた、読みかけの本をとって居間に戻った。
壁にもたれて座り、挟んでいたしおりを外して本を読み始める。

そんな彷徨を見ていた未夢は、はっと時計を見た後、
いっけな〜い!待ち合わせに送れちゃう!と言いながら急いでご飯を食べて
「ごちそうさま〜!」
と彷徨同様、食器を台所に持って行き、パタパタパタ・・・と自分の部屋に戻っていった。


部屋に戻ると、用意していたカバンをとり玄関に急いだ。

玄関に向かう途中、居間にひょこっと顔を出し声をかけた。

「じゃぁ、行ってくるね〜」
「ああ」
「いってらっしゃいませ〜」

彷徨とワンニャーの返事を聞き、微笑みながら
未夢は、パタパタパタ・・・という足音を残して、ななみたちと待ち合わせの駅前のデパートに向かった。




゜+.゜☆*。




「お待たせ〜」
「あ、未夢〜」
「未夢ちゃんおはよ〜」

すでにデパートの前で待っていたななみと綾は、前方から走ってくる親友、未夢に向かって手を振った。

「遅いぞ〜。未夢〜」
「ごめんね〜。急いだんだけど、遅刻しちゃったぁ」

ひざに手を当てて呼吸を整えてる未夢に綾とななみは笑って首を振る。

「いいよいいよ〜」
「それよりさ〜未夢。さっき綾と話してたんだけど、今日はこの前できた服屋さんに行かない?」
「向かいに美味しいって評判のケーキ屋さんもあるんだよ〜」
「へぇ〜。そうなんだぁ?行ってみた〜い♪」
「よし!そうと決まれば」
「さっそく出〜発」


勢いよく歩き出した二人に、待ってよ〜と言いながら未夢も駆け出した。
人通りの多い道を、楽しそうに話しながら3人は歩いていく。




゜+.゜☆*。




読んでいた小説がひと段落着いた彷徨は、ん〜。と伸びをして居間の畳の上に寝転んだ。
開けっ放しになっているふすまの向こうに、ワンニャーが庭で洗濯物を干しているのが見える。

(今日はいい天気だなぁ〜)

ぽかぽかとしてあまりにも気持ちが良い午後だった。
彷徨はまぶたが重くなり目を閉じた。
ルゥとももかは、今まで遊んでいたおもちゃに飽きたのか、
「ねぇルゥ、ちがうおもちゃをとりにいきまちょ〜よ〜?」
「あーい!」
と、ついさっき二人そろって部屋に行ったのだ。

(眠いな・・・)

彷徨がそう思ったときに、洗濯物を干し終えたワンニャーが戻ってきた。

「あれ?彷徨さん、お昼寝ですか?」
「ん〜」
「風邪引かないようにしてくださいね〜」
「・・・ああ」


ワンニャーはもうほとんど眠りかけている彷徨を見たあと、
キョロキョロとあたりを見回しながら、ルゥちゃまとももかさんはまだお部屋ですか?と尋ねてみたが、返事がない。

ワンニャーはふと首をかしげて彷徨を覗き込んだ。
「彷徨さん?眠ってしまわれたのですか?」
返事はない。どうやら彷徨は眠ったみたいだ。ワンニャーは顔を上げ

「ルゥちゃま達はお部屋みたいですし、わたくしもこの間買ったみたらし団子をいただくとしますかね〜」
とニマニマ笑いながら台所へ向かった。




続く


読んでくださった方、本当にありがとうございます!!!
なんかすっごい変ですが、コレが私の精一杯です(汗
まだまだ皆さんのように上手にかけないんですが、
でも頑張って書きます!!私!!

 →(n)


[戻る(r)]