わんだりんぐ・どりーむず

〜 あとがき 〜

作:山稜

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 長らく「理解させるための文章」ばかりを書くことになれた私が、久しぶりに「表現するための文章」を書く気になったのは、2つの大きなことがありました。ひとつには「だぁ!だぁ!だぁ!」という佳作に出会ったこと、もうひとつはその作品を愛する人々の、そのたくさんの人々の手になる、オリジナル小説がネット上で公開されているのに触れ、共感と違和感とをそれぞれ感じたことでした。話としては面白いし、表現も豊かだけども、この世界観は「だぁ」ではない、というのがあったり、あるいはどうしてもこういう世界を、自分の考える設定で書き表したい、という作品があったりして、自分の力量を棚に上げてでも、ひとつ自分で書きたくなった…というところです。

 とはいえ「表現するための文章」を書くことについて、とても成功したとは言えてません。自分自身がこんなに表現力がなかったか、ということを改めて知って、よくこの方面を目指さなかったことだと妙に安心したりしています。そういうわけで、今後も細かな部分に関してこのストーリーには手を入れていくことでしょう。
 手を入れるといえば、「新☆だぁ!だぁ!だぁ!」という作品が進むに連れ、これまで明らかでなかった各キャラクターの「その後」が描かれることだとは思います。それに合わせて、本作にも手を入れたくなることはあるでしょう。
 ですから、一応の書きあがりは見ましたが、この話はまだまだ未完です。
 もっとも、未夢と彷徨のふたりの関係も、ようやくスタートラインに立ったところですから、これはこれでいいのかもしれません。

 元々この話は、Stray Birds(=はぐれ鳥)というタイトルにするつもりでした。それが、未夢と彷徨は決してはぐれてはいない、どういわれても結局は、まわりの人々に支えられていたからこそということで、急遽名前を変更することにしたのです。わんだりんぐ・どりーむず(Wandering Dreams)になったのは、未夢と彷徨の名前から、彷徨える夢、ということで、安直に付いたものです。

 当初7話程度で、ふたりの周りの人々のいろいろな話を盛り込むはずだったこの話も、書いているとひとつの話が結構長くなってしまい、また親たちのことを含めたくなったので、割愛した部分が多くなりました。後半、未夢と彷徨の話に終始していて、ちょっと盛り上がりや新鮮味にに欠ける気はしています。
 もっと自分に面白い話を書く力があったなら、親達が子供たちをどう思っているか、子供たちが親達をどう思っているか、ルゥやワンニャーへの思いがどうだったか、あるいは友達との信頼関係がどうだったか、そんなことも書きたかったのですが、自分の力量の無さを痛感します。また勉強して、別の話として書くことがあれば、読んでもらえれば幸いです。

 最後になりましたが、だぁ!だぁ!だぁ!という佳作の作者である川村美香先生、講談社の編集の方々、同作品のファンの方々と、サイトの構成を参考にさせていただき、かつすばらしい創作を公開されていて刺激を与えていただいた、「ちいさな診療所」のちーこさんに、心からお礼を申し上げます。

2002.5.20 山稜


とかまぁごちゃごちゃ書いてますが、要は読ませるだけの力量がわたしにはまだない、ってことです(^^;

ただ、この話はこの後の原点。この話がないと、この後に書きたいことがぜんぶ、なくなってしまいます。
冒頭でも書きましたが、もうちょっと読めるものに書きかえる気ではいますので、何卒ご容赦のほど…m(vv)m

2003.11.22 山稜

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