お月様の前で

作:遊星 桜花






ルゥたちがオット星に戻っていった日の夜




「彷徨ー?」

未夢は屋根を見上げる

「未夢か?あがってこいよ」

「うん」


未夢は屋根にあがり、彷徨の隣に座った



「ルゥくん、行っちゃったね」
「あぁ、行った」



「未夢?」
「なに?」



「明日・・・帰るだよな?」
「・・・うん。明日帰る・・・」




そうだ・・・私、明日・・・帰るんだよね
あの日、彷徨たちと出会ったのが昨日のことみたい
あれからいろんなことがあって・・・
私、いつのまにか彷徨のこと――




「なぁ未夢」
「な、なにっ?」
「今なら・・・」
「え?」




「今なら・・・泣いてもいいぞっ///」




「ルゥが帰るときに我慢してた涙、ここで出せよ・・・」


彷徨の言葉に未夢は涙がこみあげてくる


未夢の目から一滴流れて・・・




「彷徨っ・・・・彷徨ぁっ」




未夢は彷徨に飛びついた



「未夢・・・」






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「大丈夫か?」
「うん、ありがと彷徨」
「実はオレもずっと我慢してたんだ」
「彷徨も?」
「あぁ」


「じゃあ、彷徨も今ここで泣いてもいいよ?」
「ばーか。男の子は泣いちゃダメってももかちゃんがいつも言ってるだろ?」
「なによ〜私は素直に泣いたのにっ」






笑いあう未夢と彷徨



ふと目と目があう






「ねぇ、彷徨」
「なんだ?」
「これで最後なんだよね、彷徨とこうやって話すのも・・・」




「そうか?」




「だって・・・私、明日帰るんだよ?」
「どーせまた戻ってくるだろ?」
「えっ///」
「お前、赤くなってるってことはその意味わかってんの?」



「だって彷徨がそーゆこと・・・」




言い終わらないうちに未夢は目を丸くした


だって


目をつぶった彷徨の顔が間近にあったから――



彷徨は数秒たつと離れて赤くなった






「好きだよ」





舌ペロッと出して笑う彷徨





「彷徨ぁっ!」





未夢は彷徨に抱きつく








「私も大好きっ!」







・:*:・゜'★.。・:*:・゜'☆・:*:・゜'★.。・:*:・゜'☆







「なんでわかったの?私が彷徨のこと・・・///」

「なんとなく」



「お前わかりやすいからな〜」
「う、うそっ!?」
「すぐ真っ赤になるし」
「えっ、えっ///」



「おまけに鈍感でほっとけねーし」



「彷徨ー!!!鈍感とは何よっ!」


「そのまんまだけど?」
「ばかぁ!」





「未夢」



彷徨は真剣な表情になる







「さっきの返事、聞いてないんだけど?」






未夢は頬を赤らめて






「絶対、絶対戻ってくるよっ、彷徨///」





かわいいヤツ――





「じゃあ証拠ちょうだい?」
「しょ、しょーこ?」
「そ、証拠」





彷徨は人差し指で自分のほっぺたを軽くつつく





「また私をからかってーっ///」
「いいじゃん、ほっぺたでいいからさ」
「もぉっ」







さっきと逆


今度は彷徨が目を丸くした


目の前に目を閉じた未夢の顔


彷徨も自然と目を閉じた








お月様の前で








約束の誓いのキス










「へへっ。彷徨には負けないんだから///」
「お前なぁ///」
「顔真っ赤ですぞ〜彷徨さんや」
「未夢〜」







・:*:・゜'★.。・:*:・゜'☆・:*:・゜'★.。・:*:・゜'☆






数年後





「ただいま、彷徨」



「おかえり、未夢」






END


こんにちは!桜花です!
私のサイト「だいすきだよ」が1周年を迎えました!
この小説を読んでくださっているみなしゃんに本当に感謝です☆

さて、この小説は、アニメの最終回のエンディングに出てくるワンシーンをもとに書きました。
未夢と彷徨が屋根の上で星を見てるあのシーンです。少ししか出てきてませんが((泣))

この小説は私サイトにも公開中です。
では、これからもよろしくお願いいたします(ペコリ)


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