作:とっちゃん
満月がキレイな日は
四人がであった時。
そして
別れた時。
十五夜ー
「彷徨!今日は十五夜だよ。お月見しよーよー」
未夢が今で本を読んでいる彷徨に話しかける。
「・・・・・・・・・・・」
本を読むのに夢中なのか、無視。
「かなたってばぁー!!」
後ろからばっと抱きつく。
瞬時に彷徨の顔が真っ赤になる。
「お月見しようよぉ」
耳元で甘えるように言う。
「わかったから!わかったから離れろ。」
なるべく冷静を装う。
顔も赤いのが直ってきた。
二人はお団子を買いに行って、
外にベンチを出してお月見をすることにした。
西園寺は高台の上にあるのでとても眺めがいい。
今日は珍しく晴れているので、つきもよく見える。
ふと
未夢がポツリと呟いた。
「オット星から月って見えるのかなぁ」
「さぁな」
彷徨は静かに、月を見上げたまま答える。
「あるといいなぁ。オット星も今日満月だったら、ルゥくんたちもみてるかな」
「そーだな。きっと見てるよ」
そう言って彷徨は未夢を見た。
「そう・・・・だよね・・・」
そう答えた未夢は、まだ月を見つめていた。
目に涙を浮かべ、
愛おしそうに月の奥のほうにある『なにか』を見つめているその姿は
とても憂いを帯びていて、きれいだった。
彷徨は未夢の頭を捕まえ胸に降ろす。
未夢はそれに逆らわず、彷徨に寄りかかる。
言葉がなくたって伝わる。
未夢がそこで寝てしまうまで二人はずっと
月のおくのほうにある『なにか』を愛おしそうに眺めていた。
END
この前学校の先生に
「今日は十五夜だぞ。こんなにきれいに見えるのは何年ぶりだろうな」
といわれました。
何か書こう!
と思った時
その言葉がふっと浮かんできて、
これだ!!
と思いかきました。
所要時間はかなり短いです。
満月がきれいな日に四人は出会い、別れたのです。
二人にとって満月はとても大切なものなんです!!
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。