不安

作:とっちゃん


スポーツ万能。勉強もできる”彼”

私は、ただ”彼”が好きなだけで、勉強はいつも赤点で追試だし。

体育とかのスポーツだって、超がつくくらいに運動音痴だし。


   私は”彼”とつりあっていない。

    私は”彼”にはふさわしくないのではないか。



  そんな考えが脳裏をよぎる。

 たまにではない。



   いつも、いつも。そう思ってしまう。


   いくら”彼”が何かいってくれても、やっぱり不安は消えない。

   いつも不安がつきまとう。

   いつか”彼”が私の目の前から消えてしまうのではないか。

  『それは絶対にない!!誓える』”彼”はそう言ってくれるけど。

  私は、



















                   ”彼”を信じ切れていない。
















”彼”を信じたい。



    でも、自分に自信がないーーーー
















「西遠寺くん!!一緒に帰ろーよぉ」

   女子が声をかけてくる。


     未夢が近くにいるのに・・・・・・


   二人は無事中学を卒業し、現在高校1年生。

    同じ高校に入学。



       彷徨は未夢が彼女だというもののこういう女子は減らないのだ。


    中学の頃と違って物分りの悪い女子ばかり、彷徨もうんざりしていた。


         これが未夢を不安にさせる要素となっている。

    彷徨は話しかけてきた女子を無視し、未夢に話しかけた。


    「未夢。帰ろうぜ、夕飯なんにする?買い物行くだろ?」

    わざと、一緒に住んでいるカンジを強調する。

      これで、あきらめてくれるといけど。。。無理な話だ。

    「うん。そぅだなぁ・・・かぼちゃ食べようよ!!彷徨作ってね♪」

     未夢は彷徨がしたいことは分かっているので、話に乗る。

        むーっとして女子はどこかえ行った。


      





       










     「いつもいつも、ごめんな。未夢」

      下校中。彷徨は言った。

       自分のせいで、未夢がいやな思いをしているから。

      


         わかってても、するしかないから。
 
           未夢を認めて欲しいから。。。。。。


   「ううん。いいのわかってるから」

         でも、不安になる。分かってるのに。不安になってしまう。





























        −数日後−



      彷徨はとあるものを見つけた。


  《この学校で一番ラヴワヴなカップルはだれだっ?!


    優勝者には、おそろいのリングをプレゼント!!》


    この学校。そんな行事あったのか。


   そんなことを思いつつ、やった。とも思った。



    未夢とのコトを認めてもらういいチャンスだ。と思ったからだ。


















             う・・・ん・・・。

     そう言って未夢は納得してくれた。








   詳しい内容は知らないが、
  
     私服を持ってくること。

              そう書いてあった。

  





















 


    ー当日ー

   実際に全校生徒の前なので、エントリーするカップルは少ない。


   5組。未夢と彷徨は3ばんだった。


   まず、私服に着替える。


   それから、いくつかのセットの中からひとつを選び、


           何を使ってもいいから熱々ぶりを見せ付ける。



   審査員は。全校生徒だ。



   普通はデートを演出するようなセットを選ぶ生徒が多い。


   二人は、和風の部屋。を選んだ。


    いつもの家でのことを普通にできるように。



   二人の番が回ってきた。





     着てる服は、いつも家で着てるようなカンジのもの。




          特に着飾るわけじゃない。












 

        「かーなたぁご飯できたよ〜」



   
       そう言って未夢はオナべを持ってきた。    
 



         彷徨は畳に寝転んで、本を読んでいた。


                 その本をパタンと閉じ下においた。


        「ちゃんと食べられんのか?」


          いたずらっぽく言う。


        「食べられるもん!!」


       ほっぺを膨らまして未夢は言った。


         軽く口げんかをしながら、お皿を出してご飯の準備をする。


        「「いただきます」」


      ふたりで手を合わせて、お皿を取った。


        もちろん何もない。ふりだ


        「おっ!いがいとくえるな」

 
      かなり驚いたように言う。

 
       「当たり前でしょ!!私は誰だと思ってるのっ」


       「超不器用人間。」


          彷徨はさらりと言った。


        「ひっどォい!!」


   そういうと、どこからかフライパンを取り出し、彷徨に殴りかかる。

 
             彷徨は楽しそうによけ、舌をペロッと出す。





                 と・・・・・・・・・・・














              *パパ、ママー・・・・*



      「「えっ?!」」

 
    二人の動きがピタリと止まり、空を見る。


         「ルゥ・・・くん?」


       未夢が空に向かって問いかける。


            *パパ、ママ。頑張ってー・・・・*


          ルゥの声だ。


       「ルゥくん・・・・」


            ぽろぽろと、未夢の瞳から涙が流れ落ちる。


             すると、そっと未夢を彷徨が抱きしめた。


                   少し、悲しそうな表情。


       「大丈夫だよ未夢。ルゥはオット星できっと元気に暮らしているよ。」


                そっと、まるで自分に言うかのように言った。


       「・・・ーっ彷徨ぁっ」


          未夢も彷徨に抱きついた。    
  
                         

   













                  ピーーーーーーーーー



         時間終了の合図がでた。

 
               未夢は少し落ち着いてきていた。


        本当はケンカして終わりのはずだった。


    これが二人の愛情表現だったからだ。

        不器用かもしれないけど、二人にはあっているから。


       だが、ルゥが入ると違う。ルゥは大切な『家族』で『息子』だから。


        息子には会えない。だから、泣いても当たり前だろう。
        









       優勝なんてできなくていい。だから、認めて欲しい。


                            ただそれだけを祈っていた。


         二人が付き合っていること。 




         二人が愛し合っていること。












       そして、















          二人が家族であることを・・・・・・

































      「今回の優勝は・・・・・3番。西遠寺くん。光月さんのペアです!!」





     「は?」       「へ?」



      だから、名前を呼ばれたときには二人ともすっとんきょうな声を出してしまった。













         「「ゆ、優勝〜〜〜?????!!!!!」」


                     二人は顔を見合わせて、驚いた。



         「コレが優勝商品になります。」


          ペアリングが渡される。


         
          彷徨のほうに向かって、小声でポツリと呟いた。


          「これって、きっとルゥくんのおかげだよねっw」


          「だな」

              彷徨も同意した。


          「ルゥくんに会いたいなぁ・・・・」

    
                  うっすら涙が出てきている。


         「いつか会えるよ!!10年後。一緒にタイムカプセルあけるんだろ?」


         「うん!!!」

















      ー家帰宅ー









    「いままでごめんね彷徨。」

             いきなり未夢は彷徨にあやまった。


     「なにが??」


          彷徨は素直に驚く。


      「私、彷徨の彼女でいる自信なかった。


          私いても、無視して彷徨に話しかける子いても、とめられなかったし。


       逆に、あのこのほうが彷徨に合ってるんじゃないかな・・・・って思ったりしてた。」


          一度言葉を切った。



        そして、なにか決心をしたように顔を上げた。



      「私、もう迷わない!!彷徨がすきだから。絶対。誰にも渡したくない。


            今回ので認められなくっても、絶対に認めさせて見せる!!


                               もっともっと、いい女になるもん!!」









           彷徨は安心したようにやさしく笑った。


       「ん。元気が出てよかった。無理だろうケド頑張れよ。」


      

       「無理は余計よ!!」               
        
















         おまけ



       実は、二人ともしらなかったんだけど、


        二人の高校には、”ラヴラヴカップル新聞”


          てのもあって、









        二人は卒業するまでずーーーっと一位を撮り続けましたww















   クラス女子の会話



         「さすがにあんだけ見せられちゃったら、もう何にもできいないよねー」


         「二人ともすごい自然体だったもんね。」


         「普通あーゆーとこだといいトコ見せようとかするもんね。」



          「「はぁ〜〜〜」」



              と、未夢もちゃんと認めてもらえましたww







     






     END




  
  


書きました〜^^

書いてる間に一万こしちゃいました《汗

読んでくれてありがとうございます〜《><》

本当にうれしいです!!

久しぶりに書いた気がします。

オット星編ってのも変ですけど、この時のルゥについて書きたいな〜

なんて思ってます。

いつになるかは分かりませんけど《苦笑


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