千甘〜せんかん〜  2

作:瑠璃宮 恋


・・・・バレンタインデーにチョコを作る事にした未夢・・・

皆さんはご存知ですよね・・・?

彼女が料理下手なコトを・・・・――





千甘〜せんかん〜  2

「あれ〜!?なんでちゃんと冷やしたのにドロドロなの!?」

台所をまるで踊るように、くるくると走り回っている少女、光月未夢。

バレンタインデーに、大切な想い人、「彷徨」にチョコをあげようとしますが・・・。

彼女は大変な料理下手。

そうそう上手く行くハズがありません。

「ぁう〜・・・手が疲れるよ〜・・・。。でも・・・せっかく作るんだし・・美味しいの食べさせてあげたいなぁ・・・。。」

彷徨のあの綺麗な瞳で、ずぅ〜っと見つめられてたら、私どうなるだろ・・?

きっとふにゃふにゃになっちゃうだろうなぁ・・・・(かぁっ

彷徨のことを考える度、顔が赤くなってしまって。

彷徨のことを想う程、自分の心は切なくなってしまって。

あぁ、自分はもう、彷徨なしじゃぁ、生きていけないんだなぁ・・とか、いつの間にかバカなことを考えてしまっている自分がいて。

未夢は、静かに、切なげに彼を、彷徨を想っていた。

☆  ★  ☆  ★  ☆  ★  ☆  

「でっ・・・出来たぁ〜っ。。」

未夢が作ったチョコ。

誰よりも心のこもったチョコレート。

父の優以外の「男」にあげるのは初めてで。

嬉しい反面、もの凄くドキドキしている自分がいた。

「・・・・・わ・・・渡せるかなぁ・・・・。。。」

☆  ★  ☆  ★  ☆  ★  ☆ 

バレンタイン当日。

早速彷徨は、女の子に至急呼び出しをくらっていた。

「ぁっ・・・ぁのっ・・・。。受け取ってくださいっ!!!」

「ゃ・・・・悪いけど俺には・・・」

「お願いします!」

「・・・・・・・・・」

こういうのって・・・嫌いだ。。

断ると、まるで俺が悪いみたいに・・・罪悪感がわく。。

それに・・・・・未夢が俺にはいるから・・・・・他の奴のはいらないんだけど・・・なぁ。

☆  ★  ☆  ★  ☆  ★  ☆

「さぁ!私!ちゃんと彷徨にチョコ渡さなきゃね!」

両手で頬をピシッとたたき、気合を入れる未夢。

しかし・・・。。

「・・・・・・・・・・」

未夢は、下駄箱を見つめていた。

彷徨は、女の子からの呼び出しが合って、「遅れていく」って言ってたけど。。

未夢の見つめている下駄箱には、「西園寺 彷徨」と綺麗な文字で書かれていて。

その中には大量の、可愛くて綺麗なチョコ。

なんだかとても、自分のチョコが情けなく見えて。

あんなに頑張ったのに。

「渡したくないなぁ」なんて思ってしまった。

☆  ★  ☆  ★  ☆  ★  ☆ 

昼休み。

たくさんの女子に囲まれて、彷徨はがっくりとうなだれていた。

肝心の、一番もらいたい奴からはもらえないし。

彷徨の心は、さっきからずっと、未夢に向きっぱなし。

その心を察したのか、ななみが未夢に話しかける。

「未夢・・・・チョコ・・・西園寺君に渡してないの?」

「・・・・・・うん・・」

「・・・・・どうして?なにか理由があるの?」

「・・・・・彷徨は・・・・いっぱいチョコもらってて・・・女の子にモテて・・・。完璧なのに・・・。」

私は・・・・。

彷徨とつりあわない。

外見は可愛くないし、頭も悪い。

運動神経なんて、欠片もない。

そんな私が、どうして彷徨にチョコをあげれるの?

「・・・・・・ダメだよ。」

「・・・・?」

ななみがゆっくりと口を開いた。

「ダメだよ・・・・逃げちゃダメだよ!」

いつもより強い口調で言うななみに少々驚く未夢。

「なな・・・・みちゃん??」

「未夢、未夢はとっても美人で、性格もとってもよくて、皆をなごませてくれる、とってもいいこだよ。だから、もっと自信もちなよ。西園寺君だって、未夢のそんなところを・・・・」

「・・・・・・?」

ふわっと、綺麗に笑いながら。

ななみは言った。

「大好きになったんだと思うよ」

「っ〜・・・・・。。」

・・・・・「大好き」

その言葉は、女の子に言われても、友達に言われても、どんな人に言われても、未夢を真っ赤にさせる魔法の言葉のようだった。

「私・・・・」

未夢が、ゆっくりと口を開く。

そして――

「がんばるよ。彷徨にチョコレート、きっと渡すよ。」

言った。

言い放った。

「うんっ。がんばれっ。私達、応援してるからねっww」

「私達って・・・・わ、綾ちゃん!?」

ななみの影からひょっこりでてきた綾。

「ずっと、応援してるよ。」

「私達、親友だもんねw」

にっこり笑いながら言うななみと綾に、未夢はとびっきりの笑顔で返した。

「うん!」

さぁ、未夢ちゃん、頑張ってチョコを西園寺君に渡してくださいな?

そのお話は、また次回・・・・。






ひぇ〜・・・やっと2話目ですよ〜・・・。

相変わらず、下手な文法ですね〜・・・。(しかも遅い

何話くらいに、仕上がるのかな?

ごめんなさぃね〜バレンタィン終わっちゃっててw(反省の気全くなし

でゎでゎ、今回はここらへんで、お暇させていただきましょうw
瑠璃宮 恋

                



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