作:星原 流
2005夏企画参加作品です。(再掲)
いいたいけど、いえない・・・。
この気持ち、どう表現したらいいんだろうか。
あいつは、もう明日実家に帰ってしまう。
ここで自分の気持ちをつたえないと、このまま終わってしまいそうだ。
そんなの、絶対嫌だ!!
そう思いつつ、
俺は、キッチンのミネラルウォーターを飲む。
・・・
あれ、
おかしいぞ、これ。
なんか、目の前がくらくらしてきて・・・。
☆☆☆
「彷徨、そんなところでなにやってるの?」
未夢が突如居間から抜けた彷徨を気にして、様子を見に来た。
「未夢・・・。」
彷徨は、そういうと、未夢の方に倒れ込んだ。
「ちょっと、彷徨・・・。どうしたの?」
未夢は心配そうにたずねる。
彷徨は、
「お前、可愛いな。」
と未夢に真摯な顔で迫った。
「???。何いってるの??彷徨、どうしたの???。」
未夢は、彷徨のおでこをさわって、熱があるかどうか確認をした。
「・・・。未夢、お前は先にいかないよな。ずっと、一緒にいてくれるよな。」
あいかわらず表情は変えないまま、未夢に迫る。
「ほんとうにどうしたの。具合悪いの?」
そういうと、彷徨は未夢を抱きしめて、
「俺は、未夢のこと大好きだ。だから、ずっと一緒にいてほしい。」
真摯に迫った。
未夢は少したじろいながらも、
「・・・私も、彷徨と一緒にいたい!!一緒にいたいよ。だけど・・・。」
未夢も少し涙声になりながら・・・
「離れてても、もし、今彷徨がいってくれた言葉がほんとうなら、きっとまた一緒になれるよ。私、一緒の高校に入れるようにがんばる!!。」
そういって、彷徨をなだめようとした。
「・・・あのときの、続きやっていいか。」
彷徨の質問に未夢は、
「あのときって・・・???」
「キスの続き、、、シンデレラになったことあっただろ。あの続き・・・。」
彷徨は躊躇いの色もなくいう、
未夢は少してれながらも、
「いいよ、彷徨なら。」
そういって、
ゆっくり、長い・・・。
☆☆☆
「あなた、やっぱり、未夢と彷徨君は、、、。」
未来が優に声をかける。
「・・・。ある意味、ぼくたち以上に大事な人だよね。彷徨君は、それはぼくも認めるよ。」
優は未来にいった。
「なら、西遠寺に一緒に暮らさせたらどうですかな。」
宝唱がいう。
「未夢がさっきいった言葉、「離れてても大丈夫。」っていう言葉を信じましょう。もし、未夢が頑張って彷徨君と一緒の学校にいけたなら、私たちは何の小言もなく、西遠寺に未夢を預けます。」
と未来がいった。
そう、信じれば、適わないことはないのだ。
☆☆☆
翌日、彷徨は我に戻って、昨夜のことを反芻した。
少し恥ずかしかったけど、いえてよかったと思う。
間違ってお酒を飲んでしまったのは不甲斐ないけど、、、
それで未夢との距離がちじめたなら、それでよかったと思う。偽りはないのだから。
西遠寺を未夢が去る前、
あのタイムカプセルをうめた木の下で、
俺たちは誓いのキスをした。
「ずっと、一緒にいられますように!」
そういう気持ちを込めながら・・・。
初めての企画参加です。拙い作品で申し訳けありません。
「水」が御題でしたが、この作品のどこが水?と思われたと思います。
私は「お酒と水を錯覚した。」というところで、水と考えていたのですが、
考え方によっては「涙」も水になりますよね。
・・・なんか凄いこじ付け。
4月から医療系学校の学生となって暫く作品を発表していませんでしたが、
お盆ということで、多少余裕ができたので、書いてみました。
リカバリーということで、突っ込みたいところもたくさんあると思いますが、
何卒ご容赦下さい。
それでは・・・。もし、ご意見などがありましたら、寮に入っている関係から、
下記Hotmailへお願いします。
mt-try@hotmail.co.jp
2005.8.14
星原 流 記