作:星原 流
番外編 「三太とななみ」
わたしは黒須ななか、中学2年生。
かわりもののおとうさんとスポーツマンのお母さんとの間の一人っ子。
両親とも学校の先生をしている...。
「ねぇ、。おかあさん。」
「なぁに。」
「おかあさんとお父さんってどうやってつきあったの?」
ブッ、三太とななみは思わず飲んでいたお茶をふいてしまった。
「な、なんでそんなこと聞くの?」
ななみは落ち着かせてから、ななかに聞く。
「だってさ、未宇のところのお父さん、お母さんの付き合ったころの話を未宇からきいてさ...。漠然とうちはどうやって結婚まで至ったのかなぁって。」
三太は、
「父さんたちは、彷偟と未夢ちゃんのおかげでつきあうようになったんだよ。なぁ、母さん。」
ななみは、
「うん、そう。もともとは私が彷偟君と未夢をくっつけようとしていたんだけどね...。あれはたしか、未夢と彷偟君が付き合ってから半年後だったっけ?」
★★
中学3年生の夏休み。彷偟と未夢そして三太とななみはダブルデートと名うちしてファンタジーパークに出かけた。もちろん、このころはまだ三太とななみはつきあっていない...。ただの付き合いである。
観覧車で、ななみと三太は二人のことを気遣い、彷偟と未夢ふたりっきりで乗せた。そして自分たちは後の観覧車にのりこんだのだった。
ななみは少し思いふけた表情で、。
「ねぇ、黒須君。あの二人...どう思う。」
三太は、
「お似合いだよ。彷偟のクールなところと、光月さん明るいところが重なり合ってさ、うらやましいくらい。」
ななみは、
「黒須君は何で西園寺君と未夢をくっつけようとしたの?面白半分?」
ななみが尋ねると、三太は首をふり、
「そうじゃないよ。たしかに、そういう側面も多少なりともあったことは否めないけど...。彷偟ってさ、。いっつも寂しそうだったんだよね。おふくろさんがいなくてさ、直接はいわないけど、あいつの理想の異性ておふくろさんなんだ。あいつの寂しさをぬぐえるのは光月さんだけだと思う。その証拠に光月さんがきてからあいつかわったろ。」
物思いにふける三太の真摯な表情にななみはドキドキしてしまった。いつもふざけてて、お調子者で、おかしな黒須三太がなぜかかっこよく見えた。
「そういう天地さんは、どうして?」
「わたしも黒須君とにてるかな。未夢ってさくやしいけど、私にいえないことでも西園寺君にはしっかり相談してるのよね。綾ともいってたんだけど、西園寺君の存在は私たち以上...。だったら素直になってほしいって。」
ななみが物思いにふけた口調でいう。三太が
「俺たちにたもの同士だね。」
ななみは、三太の手をとると、冗談半分で、
「ねぇ、私たち付き合おうか。」
といった。三太は当惑したが、ななみにはなにか許せる...。なにより自分と同じ立場の人間だからこそ分かり合えるところが微笑ましかった。
「うん。」
手を握ると、未夢、彷偟には内緒でファンタジーパークのミステリーマーケットにいへと足をむけた。
★★
「そうして、高校も大学も同じところをでて、私は体育科の教員として、お父さんは技術科の教員としてはたらいているわけ。」
ななかは、
「ふぅーん。なるほど、未宇んちのパパとママのおかげでなかよくなったんだね。ところでさ、お父さんとお母さんのファーストキスっていつ?」
ななかがおもしろ半分できく。ななみは顔を真っ赤にしたが、三太はあっけなく、
「高校1年の林間学校のとき...。彷偟たちより2年以上おくれて...。」
正直にいう三太の口をななみは手でふさいいで、
「もう、生意気なことばっかいってないで、早く寝なさい!!」
そういうななみの顔は真っ赤だった。
「真っ赤な顔もかわいいよ。ななみ」
三太が調子にのった矢先、
「こらこら、今頃になったそんなこといったって...。だまされないからね。」
すいません。駄作第四弾となります。
この文、実はだいぶ前にかいたものなんですが・・・。いかがでしょうか。
「三太とななみ」というペアで一度かいてみたいと思いまして・・・。
では、今回はこれにて失礼します。