作:星原 流
空には満面の星。
今日は快晴だったこともあって、西遠寺の境内から見える星の輝きはすごい。
あの星の中には、『ルゥ』たちがいったオット星もあるのかなぁ。
そう、彷徨は考えながら、
『「未夢」は今頃どうしてるのかなぁ。』と考えていた。
『人が人であるためには、人を愛さなければならないし、人から愛されるような
存在でなけばいけないと私は思う。』
これは、幼い時、母瞳から聞かせれた言葉である。
それから、まもなく母さんが病気で死んで…。
それから、俺は未夢と逢うまで、ずっと閉ざしてきた。『人から愛される必要はない。
人を愛す必要もない。』
けれど、あいつと出会って、そしてルゥたちと出会って。俺は変わった。
いつからか、『未夢』に愛されたいと思うようになったし、自分でも愛すようになった。
勿論、ルゥにしても然りだ。
・・・ ・・・ ・・・ 『逢いたい。』
満面な星空を眺めると、その想いが強くなるのだった。
☆☆☆
「逢いたい」
星を眺めながら、少女は少年を想った。
最初の出逢いは最低だった。
でも、最後は・・・。ほんとうに優しくて、力つよくて、 ・・・
言葉にできないほどの想いが募った。
けれど、言えなかった。
『私が彷徨に相応しいか?』
そう考えてしまったからだ。
刹那
携帯の着信音がなった。 この音は、メールだ。
画面に目を落とすと、
『星に願いをこめて…。この気持ち届くように。
俺は、未夢のこと・・・好きだ。』
彷徨からのメールだった。
未夢は、赤面したが、返信するとともに、家を出て、西遠寺に向かった。
☆☆☆
「なんであんなメール送っちまったんだろ。」
そう嘆くのは彷徨。
気持ちは確かだが、星を眺めていると霧鐘に気持ちを伝えたくなって…。
そして、メールを入れてしまった。
実は、未夢が実家に帰るさい、アドレスと番号こそ聞いたが、一度も電話・メールとも
したことがなかったのだ。
それなのに・・・。
思わず赤面するとともに、携帯のメールの着信音がなる。
『わたしも、星に願ってた。私も、彷徨のこと好きだから。』
そう書かれていた。
ほ、ほんとうなのか?
メールなので、いまいち信憑性がない。(そんなこといったら自分もそうか。)
電話をしてみたが、通じない。
『未夢…電話に出てくれよ。』
そう思いつつ何度もコールするも、10回くらいして諦めた。
「・・・。」
星に手を伸ばして彷徨は思いっきり声をあげた
「星よ、未夢にあわせてください・・・!」
そういうと、
「はい。」
という返事が返ってきた。
この声は、この声は聞き間違いないはず、未夢の声だ。でも、何で…
振り向くと、未夢が彷徨の方をみて立っていた。
「ただいま、彷徨。」
赤面しつつもそういう未夢。
「あのね。彷徨からもらったメールが本当なのかどうか、実際に確かめたくなって
逢いにきちゃったんだ…。迷惑だったかなぁ。」
そうためらう未夢を彷徨は抱きとめて、
『未夢・・・。大好きだ!』
そういった。
そのとき、
流れ星がキラリと流れた。
まるで二人の恋の成就を祝うかのように。
彷徨は、
「俺、母さんからいわれたメッセージ忘れてたんだ。『人を好きになること、
人に好きであるようにいること』が大切だってこと。でも、俺が好きになったり、
好きになってほしいのは、未夢だから。その想い星に…。母さんに委ねてみたんだ…。」
照れくさそうにいう彷徨に未夢は、
「私もね。彷徨と同じ想いだった。さっき星をみたら急にその想いが強くなって…。
こうして終電乗り継いで・・・西遠寺まできちゃった。」
未夢も照れくさそうにいう。
彷徨は、
「これって、ルゥや母さんたちが、俺たちの手を取り合ってくれたのかもしれないな。」
感慨深くいった。
星はそれに答えるように優しいまたたきをしていた。
Fin
おひさしぶりです。
このお題は、笑顔のお題っていう、小説のお題に自分のHPで挑戦していて…。
それをDaDaDa版にしたものであります。
このお話はその中でも、『宙を掴んだ手』に挑戦してみました。
どうでしょうか…。やっぱり文才のなさを嘆くしかありませんね。
私のHPの方ではオリジナルのお話で挑戦しています。
もしよかったら、そちらも見てみてください。
この内容は、今回同盟と私のHP両方に掲載させていただきます。
それではまた。