作:星原 流
3月15日。
それは、ホワイトデーよりも1日遅い、アイツの誕生日。
今年こそは、勇気をだしてアレを上げようと思う。
未夢と付き合い始めて、はや2年。一時は離れ離れになってしまったけれど、
次の年に、同じ平尾高校に入学して、来年は2年生となる。
2月14日には、バレンタインデーのチョコをもらった。
形は…。でも、一生懸命つくってくれたチョコは暖かかった。
俺も毎年ホワイトチョコを返しているが、3月15日で未夢は16歳になる。
16歳といえば…。
☆☆☆
「お客様、こちらはいかがでしょう?」
店員は、彷徨にたずねた。
「あの、これってもう少し、値段さがりませんか?」
彷徨はたずねた。
「好きな人への贈り物ですか?」
「・・・!!」
真っ赤になると彷徨は、「コクリ」とうなづいた。
「あなたから、これをもらえる人がうらやましいですね。そうですね。じゃこれくらいで。」
彷徨はそれを買い求めると、その場をダッシュで離れた。
・・・絶対。他の奴にみつかってはいけないから。
そう思っていたさなか、一番会いたくない奴とあう。
「やぁ、西遠寺君。買い物かい?」
光が丘は、俺にニコニコとわらいながら話かけてきた。
「ちょ、ちょっとな。」
ぎこちなくいう、俺に光が丘は、
「明日、そういえば未夢っちの誕生日だよね。」
「・・・ああ・・。」
絶対ばれちゃいけない。できるだけ平静を保とうとするが…。
「ボクも未夢っちへの誕生日プレゼントを買いに来たんだ…。」
「えっ、お前。そういえばなんで、未夢の誕生日知ってるんだ。」
俺は、ちょっと強い剣幕光が丘に攻め寄った。
「えっ、未夢っちにきいたからだけど…。」
そういう光が丘に俺は何もいわず、立ち去る。
「未夢が光が丘に誕生日を教えた??」
そう思うと心の中の不安が大きくなった。
☆☆☆
3月15日、
俺は未夢と駅前の喫茶店で待ち合わせた。
「ごめんね。おくれちゃった。」
未夢は、申し訳なさそうにいう。
俺は、
「別に…。お前がおくれてくるのはいつものことだから…。」
未夢はぷぅと頬を膨らませるが、
「まぁ、私が遅れたのがいけないからしょうがないよね。ところ、今日は私の誕生日だけど、
彷徨さんは私に何をくれますかな。」
冗談ぽくいう未夢に、俺は、
「・・・光が丘に何もらった?」
俺は、ちょっとつっけんどんにいう。未夢は、
「えっ、望君。…望君には何ももらってないけど…。第一、今日あってないし…。」
「でも、光が丘はお前の誕生日しってて、昨日omachiデパートに誕生日プレゼント
買いに来てるっていってたぞ。」
未夢は、
「誕生日…。たしかにきかれたような。…ふぅん。望君からは何がもらえるのかなぁ。」
無邪気にいう未夢ちょっとイライラが積もる。無邪気にもほどがある。
「あのなぁ、俺とお前はこ・・・だろ??なんで、そのこ・・・前に他の男の話なんてするなよ。
お前だって、俺が花小町の話したらいやだろ?」
未夢は、
「・・・・妬いてるの。私は別にクリスちゃんと話てても大丈夫だけど…。」
その言葉に俺は、
「俺が、花小町とくっていてもいいのかよ!」
おもっいきりいうと、
「彷徨のこと信じてるから・・・。」
未夢は俺にまっすぐにいった。
「私は、彷徨のこと信じているから、他の女の子と話してても、チョコもらっても大丈夫。
自惚れじゃないよ。彷徨はそういう人。人を傷つけるようなことはしない。
私も、彷徨以外の男の人とはなすけど、一番は彷徨だよ。」
あっさりいうその言葉に俺は顔が真っ赤になった。
「・・・おまえなぁ、せっかくロマンチックにこれを渡そうと思ったのに。」
そういうと、小さな包みを未夢にわたした。
「あけていい?」
そう未夢に、「ああ…」と答えた。
「これって、指輪!!しかも私の誕生石のアクアマリン!!…彷徨高かったんじゃないの。」
そういう未夢に、
「薬指につけろよ。って意味わかるよな。」
真っ赤でいう。
「・・・うん。」
未夢も真っ赤だ。
「お前…意味わかってるよな。」
未夢は
「わかっててるわよ。これ、一生大切にする!!彷徨ありがとう。」
満面の笑顔に彷徨は、
「そんな笑顔、俺の前だけにしろよ。間違えても、光が丘になんかするなよ。」
俺はおもわずいってしまった。
「わかった。でも、私の一番は彷徨。これまでもこれからも絶対変わらないよ。」
未夢がいった。
「俺は、お前ほど寛大じゃないんだ。だから、俺だけを…。」
未夢は、
「俺だけを・・・?」
とたずねる。
俺は真っ赤になって、
「この鈍感魔王!!俺にいわせるのか?つまり、「見ていて」って意味だよ。」
未夢は、
「そんなこと、いままでもそうだよ。私、彷徨に夢中なんだから…。」
そういった。
☆☆☆
俺たちはその後予定通り、遊園地にいって、家路につこうとした。
俺は、
「誓いのキスしてもいいか。」
未夢は、「・・・うん。」とうなづく、
その言葉をきいて、俺は未夢の唇にキスした。
「俺たちまだ学生だけど、俺が18になったら、絶対未夢をもらいにいくからな。まってろよ。」
そういうのだった。
未夢はにっこり微笑んで、俺の袂に抱きついた。
夜空は優しくまたたいていた。
Fin
リカバリー小説。勉強が忙しくて、全然小説書いていなかったので・・・。感覚すらわすれて
しまっていて…。反省だらけです。
とりあえず、遅くなったけど、未夢の誕生日ネタということで書いてみました。
オチもあまりなく、平凡ですが、少しでも暖かな気持ちになっていただけると幸いです。
3月中にもう一本まともなものをアップしますので…。
では、また。
3月23日 星原 流 拝