思い出

作:星原 流


はじめまして・・・。
小説をよむことはしても、書くのは初めて、なおかつ投稿するなんて大胆だと思いますが、
挑戦します。

お話はアニメがベースですが、ルゥ君たちが、オット星に帰ってからのお話です。

感想などお聞かせいただければ幸いです。


ざわざわと。
人の話し声で穏やかな公園。
休日なことも相俟って、いつもより人が多いようだ。

そんな中…。
ベンチで、時計をみながら、そわそわと落ち着かない。青年が一人。
彼は、西遠寺彷徨高校2年生だ。

「おまたせ!!」
大きな声とともに、彷徨の方によってきたのが、光月未夢。同じ高校に
通う、彷徨の彼女だ。

「おっせーぞ。」
ちょっと不機嫌そうにいう彷徨に未夢は、
「まぁ、まぁ!!いつものことでしょ。っって、自分でいうのもへんか?」
てれながら、ごまかし笑いをする未夢。
〈頭をかきながらごまかす仕草がかわいい。…彷徨はそう思った。〉

「じゃ、いくぞ。」
そういうと、彷徨は未夢の腕をひっぱる。…今日は、彷徨と未夢のデートだ。
「ちょっと、彷徨!!まってよ!!」
ひっぱる彷徨においつていけず、途端、転んでしまった。

その時、転んだ未夢の視線に小さな男の子の泣き顔が目に入った。
3歳くらいだろうか。ルゥがオット星に帰ってからを考えると丁度同い年くらい
だろう。

「ふっふぇーん。ママ、どこ!?」

どうやら、迷子らしい。未夢は、
「きみ、どこからきたの、お母さん探してるの?」
とやさしく声をかける。
〈…こんなシーンをみると彷徨は本当に未夢ってやさしい
なぁとおもってしまう。〉

「彷徨−!!」
未夢が呼ぶ。

「なんだ。」
彷徨が尋ねる。

「あのね。この子迷子みたいなの。パパとママを探してあげようと思うんだど…。」
〈ホラきた!その言葉。そりゃ俺だって、小さい子がないているのにほっておくわけ
ないんだけどさ…。〉

「よし!」
彷徨はその子を抱き上げると、付近に声かけを行い、その子の両親を探した。

「どなたか、この子のことしりませんか?」
必死に声かけをした。

しかし、公園を一通り探すも結局親が見つからない。

時計をみると、丁度お昼。この子もおなかをすかせているだろうということで、
未夢の提案で「三人で昼食」をすることになった。

☆☆☆

…しばらくすると、未夢は
小さな子に注文をききながら、

「お名前はなんていうの。」
とやさしくたずねた。

「かざまつり せいじ。3歳。」
3歳−。その言葉に「ももか」の言動を思い出してしまう。
ももかは女の子であることもあるが、かなりませていた。
しかも、未夢のことは「おばたん」といっていたのだ。

「今日はパパとママと一緒にきたの。」
未夢が尋ねる。

「う、うん。」
せいじは、未夢の顔をじっと見ながら、
「ママ!!」
と一言いった。

「ママ!?っ」
未夢と彷徨の声が重なった。二人とも顔が真っ赤になる。
「パパどうしたの!!真っ赤になっちゃって!!」
「パパ!?っ」
どういうことだ。パパとママ…。
しばらく慣れていなかったこのことばに、懐かしさと恥ずかしさ
がこみ上げてきた。

ちょっと気持ちを整理して、未夢が問いかける。

「あのね、せいじ君。私たちはせいじくんのパパとママじゃな…。」
未夢がそういいかけると、せいじの瞳が潤んだ。その瞳に訴えられて
未夢はその先の言葉を呑んだ。

「彷徨!どうしよう…。」
どうしうようも…。本当のパパとママを見つけなければ…。ちょっと考え込み、

「よし!いっそうこのまましばらく『パパとママ』でいようぜ・・・。そのうち、
この子の経緯もわかるかもしれないからな・・・。探ってみよう!!」
彷徨の提案に、
「う、うん。そうだね。」
と未夢も同意した。

☆☆☆

昼食を食べ終えると、未夢と彷徨は当初の予定通り、平尾町デパートにいくことに
した。ここで、買い物をする予定だったのだ。
すると未夢は、

「…なんかさ、ルゥ君のこと。思い出しちゃったんだけど。」
少しなみだ目でいう、未夢に彷徨は少し戸惑ってしまう。
〈こいつのこういうところに俺、弱いんだよな。〉

「ママ、どうしたの…。どこか、具合でも悪いの…。」
涙目にきづいたせいじは未夢ほ気遣った。

「ううん。なんでもない。彷徨、予定変更!!屋上遊園地に行こう!!」
空元気にふるまう未夢。
彷徨はその言葉の意味がわかった。「あのときのことを思い出してるんだな。」と

…あのときとは、ルゥ君と未夢と三人でデパートにいったときのことだ。あのとき
も未夢と喧嘩しちゃってルゥが反発して大変だったんだよな。

屋上遊園で遊ぶ。せいじ。その姿をどうしても、ルゥと重ねてしまう。

「彷徨あのね…。」
未夢が口を開いた。

「あの子、多分。パパとママと喧嘩しちゃたんじゃないかなぁ。」
未夢の意見に彷徨は「こくん」と同意した。

「あのね。ちょっと作戦があるんだけど…。協力してくれる?」
未夢は彷徨に懇願した。・・・どういう作戦だろうか。

「せいじくん。ちょっときて。」
未夢がいう。

「あのね。せいじくん。パパとママちょっと、急用が出来ちゃって、ここで遊んでてくれない
かなぁ。」
未夢が「すまない」というばかりに、謝る。彷徨も未夢につられて謝るそぶりをする。

せいじは「ぷぅー。」と唇を尖らせると、
「なんだい!!みんなようじようじってさ・・・。パパとママはそんなことしないと思ったのに。」
せいじはぷんぷんにおこった。

刹那、
「せいじ…。」
20代前半の男女が声をかける。・・・おそらく本当のパパとママだろう。
その言葉にせいじは、未夢と彷徨の手を掴んで…。
「パパとママはこっちだい!!ぼくの誕生日を忘れちゃってさ…。二人とも仕事って。」
せいじの瞳が潤む。

その言葉に、未夢は、
「せいじ君。あのね。パパとママ本当のパパとママの気持ちすっごくわかるな。
確かにね。大人って、勝手だよね。でも、こうして、きてくれたじゃない!!
それってせいじ君をとっても大事だとおもってるからだよ。お姉ちゃんもね、
せいじくんと同じような経験したことあるんだ。」
やさしくいう。 …トクン。彷徨の心の中で何かが蠢いた。
〈…こいつってこんなんだたっけ??〉

せいじは、しばらく口を詰んでいたが、
「・・・今回だけだよ。パパ、ママ!!今度わすれたら、本当にこのおねぇちゃんと
お兄ちゃんのところにいっちゃうからね。!!」

そう、顔を真っ赤にしていう。

「ご迷惑をおかけしました。」
せいじ両親が未夢と彷徨にお礼を述べると、彷徨と未夢はにこやかに会釈した。

せいじは、
「ばいばーい。また、あおうね。パパ、ママ!!」
その台詞にまた、狼狽する二人。

なにはともあれ、この件はそれで解決した。

☆☆☆

夜道、
「今日は大変だったよね。せいじくんだっけ・・・。でもさ、なんか、ルゥ君と記憶が
だぶちゃって、なんかとっても、切ない感じがしたよ・・・。」
未夢の口調にまた、彷徨の胸の鼓動が高鳴る。

「未夢!!」
刹那、彷徨は未夢の唇に唇を合わせた。

「なんか、今日。。俺、ますますお前のことすきになっちまったみたいだ!!」
テレくさそうにいう彷徨。

「な、なんかそういわれると、恥ずかしいな・・・。」
未夢もテレル。

しばらくして、未夢が夜空に指をさし、
「見て、彷徨!!今、流れ星が…。」
彷徨は、
「ああ、俺もみた!!」
言い返した。

・・・『ルゥ君どうしてるかな。』・・・
夜空の星は二人をやさしく包んでいた。

☆☆☆

一方、オット星。

「・・・・・。」
空を眺めながら、なにかジッと考え事をしているルゥ。
その姿にワンニャーは、

「どうされました?」
と問う。

「…。地球のパパとママどうしてるかなぁって…。急に思い出しちゃって
さ。また、、逢えたらいいなぁって。」

その言葉にワンニャーは、

「逢えますとも、きっと!!」

☆☆☆

場所が違っても、
気持ちがつながっていれば、
きっと、いつかあうことができる。

絶対に…。



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