だから ハッピーパラダイス

14日

作:時間

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1日目。


私はいつものように朝ごはんを作っていた。
けど、なかなか結月君が現れない。



どうかしたのかと思って部屋までいってみることにした。



部屋のドアをノックする。
「結月くん?朝ごはんできたよー?」
全然反応がなかった。

「結月くん。入るよ?」
やっぱり反応がない。
私は入ってみることにした。


「お…おじゃましまっす!!!」
恐る恐る不法侵入…じゃなくて、侵入した。

結月くんの部屋は男の部屋のはずなのにとてもきれいだった。
いや、男の子の部屋=汚いっていう方程式がおかしいのよね。
ごめんなさい。



私は我にかえった。
「はっ!!結月くん!!!」
広い部屋をみわたすと、いた。



「結月くん!!大丈夫?!」
ベットにくたばっていた。
もしかして、風邪ですか?

私は自分の額を結月くんの額にくっつけた。
「あつ!!」
「…ん…?るぅ…。……って!!るぅ?!」
結月くんがとびおきた。
いや、そんなおどろかんでも…。


「なんで勝手に入ってんだよ!!」
「え…?だって、ノックしても声かけても反応なかったから…心配になって…」
「…。頭いたい…」



「え?!」



気づけば結月くんは普通の服だった。
多分、そのままベットにダイブしたんだろう。


「結月くん、熱測ってみる?ってか測ろう!!」
「…あぁ…」




38℃




「あーあー。結月くん風邪だよ」
「汗かいたまま寝ちゃったんだっけ」

寝ている結月くんはだるそうな顔をしていた。
全身に汗をかいている。
顔は赤らんでいて、呼吸が荒い。


「お粥とか作ってくるから、寝てて…?」
「…ん…」


珍しく素直だった。
もう、反抗する気力もないんだろうね。
そういや私、ここ最近風邪ひいてないや。

「馬鹿は風邪引かないってやつかしら…?」

ちょっとがっくし。




朝食は食べれるだけ食べて、残りはラップをしておいた。
私は早速結月くんのお粥つくりにかかる。



お粥は意外とあっさり出来るもので、あっという間に作り終えた。


ドアをノックする。
「結月くん、入るよ」


「馬鹿…」


「え?!」



いきなり馬鹿っていわれても…。


「タオル…。頭…。かえろよ…」
「え?!あぁぁぁ!!ごめんなさいごめんなさい!!!!」
「大声出さないで…」
「ご…めんなさい」



私、迷惑かけてないですか?



「えーと…お粥作ってきたよ。タオル、かえるね」

私は洗面器に水を入れた。
そして結月くんの部屋に戻る。


「はい…。どう?冷たい…?」
「気持ちいい」

よかったと安心した。

「自分で起き上がれる?」
「あぁ。食う」

要点ばっかり言うんだね。
しゃべるのも辛いのかな。



お粥も半分食べ終わっていた。
「もういい?」
「ん」

「じゃあまた様子見にくるね」

私はそういってお粥の乗っているお盆を持ち、立ち上がった。
その時


「もう少し…ここにいろよ」


結月くんにエプロンをつかまれた。

熱のせいか照れているのか顔は真っ赤だった。
私は結月くんの隣に座りなおす。
そして、頭をなでた。


「ここにいるよ…。だから、安心して。…ね?」



結月くんは正確な寝息をたてはじめた。
「かわいいんだね…」
私は本人に聞こえないくらいの小さな声でいった。


聞かれてたらどうなるかわかんないしね。





何回かタオルをかえていたら、夕暮れ時になってた。






「…。だる…」
「あ…。起きた?結月くん」


目を覚ました様子だった。



「るう…、ずっといてくれたのか?」
「水かえるときにちょっと動いたけど、大体はここにいたよ」


結月くんは照れていた。


「…ありがと…な」
「…どういたしまして」



あまり見れない結月くんを見た気がして嬉しかった。





気づけばもう日もおちていて、夜になっていた。


「るぅ、もう飯食って寝ろ」
「…?いいの?大丈夫?」


「あぁ。じゃあ明日な」



「お大事にね」



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