作:英未
せっかくの日曜日だというのに、いつの間にか雨が降りだした。カルピンの相手をするのにも飽きたので、軽く打ってこようかと思ったのに……
「仕方ないね」
ため息をついて、猫じゃらしを持ち直す。が、どうやらカルピンも、猫じゃらしには飽きたようだ。さて、どうしよう?何しよう?
何気なく窓を開けて外を見る。紫陽花の花が見えた。
晴天下の紫陽花は何か物足りない気がしていたが、ようやく分かった。紫陽花には雨が似合う。ピンクに青、紫。微妙なグラデーションを描いた花々が咲きそろっている。たしか、花に見えるアレは花じゃないって、菜々子さんが言ってたっけ。それに、紫陽花は身近なリトマス試験紙だとも… 大学生の従姉は、女性らしいやわらかい視点でリョーマに色々なことを教えてくれる。その内容は、たいがい興味のないことだけれど、自分に足りないものを埋めてくれるかのような従姉の行動を、うっとうしいとは思わない。
ぼんやりとそんなことを考えていると、ドアをノックする音が聞こえた。
「何?」
ドアを開けると、母親がにっこり笑って立っている。
「ねぇ、リョーマ。ちょっと外に出よっかな〜なんて思ってない?」
「思ってない」
即答する息子に、母はひきつりながらも、ますますにっこり笑って言った。
「そう言わずに、ね、お味噌買って来てくれない?」
「やだ」
「お味噌がないと、夕飯のお味噌汁が作れないもの」
「夕飯、和食なの?」
「そうよ。リョーマ、和食が好きだもんね」
はぁ、とため息をついて、リョーマは左手を出した。
「仕方ないから買ってくる」
「ありがと〜、リョーマ。はい、お味噌代ね」
「何でもいいわけ?」
「あら、だめよ。このお味噌でなきゃ」
ピッと差し出されたメモを見て、ポケットにしまう。
「あ、リョーマ。何か羽織っていったほうがいいわよ」
「なんで?」
「今日はわりと涼しいし、スーパーって結構冷えるのよねぇ」
「そういうもの?」
「そういうもの。コンビニやファーストフード店とは違うのよ。リョーマもまだまだね」
父親にはしょっちゅう言われているが、母親にまで「まだまだ」と言われるとは… 少しムッとして反撃する。
「でも、味噌買うだけだろ? 長居しないじゃん」
「そ〜お? アンタ、お釣りでアイス買うつもりでしょ?」
「……」
「ほら、図星。アイスだけじゃなくて、えびせんべいも買うでしょうね。他にも興味あるものがないか見てまわるでしょうし」
「………」
「それも見越しておつかいのお金渡してるんだから、感謝してね♪」
「…………」
「それに…」
「何?」
「なんとなく、何か羽織って行ったほうがいいと思うの。役に立ちそうな予感」
「役に立つ?」
「今朝の星占いで言ってたから。山羊座のラッキーアイテム♪」
がくっときた。
それにしても、母さんは何でもお見通しか。ほんとしっかり者だ。そんな母さんが味噌を買い忘れ?何故かときどき鈍くさいんだよね。
はぁ、とため息をついて、リョーマは薄手のパーカーを羽織って玄関に向かった。
「お? デートか? そこの青少年」
「おつかい。母さんに頼まれた」
「ほ〜う、そりゃ孝行息子だ。行ってこい」
軽口をたたく父にめんどくさそうな視線を向けていたリョーマだが、ふと思って、言ってみた。
「母さんてさ…」
「ん?」
「しっかりしてるのに、ときどき妙に抜けてるよね」
「そこがオマエ、母さんのかわいいトコじゃねぇか」
「かわいい?」
「分かんねぇかなぁ? 普段しっかりしてるけど、時々そんなところを見せるからグッとくるっつーか。ま、お子様のオマエにゃ、まだまだ分かんねぇかもな」
「お子様ってのはよけいだけど。…そういうもの?」
「おぉよ、そういうもの。オマエだっていつもビシバシ隙のない倫子より、ちょっとドジな倫子のほうがほほえましいって思うだろ? 普段しっかりしてる分、ドジなところがかわいく見えるんだって。アメリカにいるときだって…」
はいはいと、話を無視してリョーマは家を出た。家の中から父親の抗議の声が聞こえるが、この際無視して構わないだろう。付き合っていたら日が暮れそうだ。
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「なんでこうなるわけ?」
ぶすっとして、リョーマがつぶやいた。
ただ味噌を買いに出ただけなのに、その味噌にこんなにも振り回されるとは。
一番近くの店では、「申し訳ございません。そのお品、本日の日替わり商品でございまして、先ほど限定数量が完売してしまいまいました」と、ていねいに値段がほぼ同じな別の味噌をすすめられた。
次に入った店では、「すみません。その味噌、タイムバーゲンに出したら完売しちゃって…」と平謝りされてしまった。
仕方なく他の店を探して入るものの、品切れとか、注文中とか、タッチの差で最後の一個が売り切れたとか……こんなのあり?
母さんが指定したこの味噌、これだけ探しても跳びまわってるってことは、「跳んでみそ」なんて言ってるどっかのテニス部員と関係あるんじゃないか? そう思いながら入った店でようやく見つけたときはほっとした。やれやれ、これでようやく帰れる。アイスも買ってさっさと退散するか……と思ったのもつかの間、手を伸ばしたとき目に入った他の商品名にガックリきて、アイスを買う気力がなくなった。
---“跳んでる美味しさ・ガッくんの田楽ミソ♪”---
……見なかったことにしよう。
外に出ると、雨はまだ降り続いている。
傘をさして帰ろうとするものの、はて…? ここってどこ? 見覚えのあるようなないような…
帰国してまだ数ヶ月。さすがに家の近辺や学校近辺は覚えたけど、味噌を求めるあまり遠出しすぎて迷子? 自分としたことが、これでは女テニの誰かさんのようだ。
どうしたものかと辺りを見回すと、少し先の交差点で信号待ちをしている見慣れた人影を発見。傘で顔がよく見えないものの、あんなに長い三つ編みなんて、そうそういるはずがない。ということは、あれは竜崎桜乃だろう。道案内を頼むにはイマイチ不安があるけれど、背に腹は替えられない。助かったとばかりに駆け出して声をかける。
「竜崎?」
「リョーマく……」
呼ばれて振り向きかけたのは、間違いなく竜崎桜乃。だが、さっと顔色が変わって、桜乃はさしていた傘を投げ出すと、車が往来する道路へ飛び出した。
「竜崎!?」
悲鳴のようなクラクション。
耳障りな急ブレーキの音。
交通量が少なくて助かった。
桜乃は、小さな女の子を抱きしめたまま、車に向かってしきりに謝っている。
「はい、大丈夫です。どうもすみません」
しっかりした口調で答えたからか、運転者も何度も彼女の無事を確認した上で、安心したように去って行った。
やがて信号が変わって、信号待ちをしていた人たちが横断歩道を渡り始める。
「なに? 今の音。事故?」
「女の子が急に飛び出したのよ。それを近くにいたあの子が助けたの」
「へぇ、勇気あるなぁ」
「怪我がないみたいでよかったわ」
そんな声を聞きながら、リョーマは桜乃のもとへと駆け寄って傘をさしかけた。
なんで気付かなかった? 気付いていれば、桜乃を危ない目にあわせずにすんだのに。
やけに心臓の音が響く。それに体が冷たくなっている。体中の血が凍りついたかのようだ。
「竜崎、ケガは?」
かすかに、声が震えた。
「そうだ、ケガは? どこか痛いところ、ない?」
リョーマの問いかけに はっ として、桜乃は女の子に声をかける。
「うん。いたくないよ」
「よかったぁ。大丈夫だって、リョーマくん」
ほっとしたように、桜乃はリョーマに笑いかけた。
「…で、竜崎にケガはないの?」
リョーマの問いかけに、桜乃はきょとんとする。その様子なら、ケガはなさそうだ。
ほっとした。
ようやく体温が戻ってきた。
ぎゅっと、彼女を抱きしめたくなった。
「リョーマくん……?」
心配そうに自分を見つめる桜乃に、なんて声をかけようか……
「カサ…」
女の子のつぶやきに、二人は我に返った。
見ると、道路に無残な姿になったピンクの傘があった。
「傘を取りに行こうとしたの?」
桜乃がやさしく問いかけると、女の子は、こくん、とうなずいた。
「あのね、うさちゃんのカサなの」
「そっか、残念だけど、潰れちゃったね」
「うさちゃん、いたいの?」
「う〜ん、痛かったかもしれないけど…」
「みゆは、いたくないよぉ。でも、うさちゃんはいたいの…」
「お名前、みゆちゃんていうの?」
「うん」
「そう。うさちゃんは痛かったかもしれないけど、みゆちゃんが痛くなくてよかったぁって、きっと思ってるよ。だから、うさちゃんに『ありがとう』って言わなきゃね」
「うん。あ、うさちゃん、とってこなきゃ。いっしょにおうちにかえるの」
それを聞いて、さっと、リョーマが動いた。交通量が少ないとはいえ、車が行き交うのにもかかわらず、ひょいと傘を拾ってくると、女の子に差し出す。無残な傘の姿に、女の子の顔が、悲しそうに歪んだ。
「うさちゃん、ありがと。……いたいよね? ごめんね」
そんな女の子を、桜乃は母親のようにやさしく見守っていた。リョーマの知らない桜乃の表情(かお)。……なぜかドキッとした。
「ありがとぉ、おねぇちゃん、おにぃちゃん」
「あ、みゆちゃん、雨降ってるから、傘、これ使ってね」
桜乃が自分の傘を差しかけた。
「でも、しらないひとにモノをもらっちゃいけませんって、ママがいってるから…」
「じゃ、貸してあげる」
「かしてもらうのはいいの?」
「うん。この傘はね、いいの」
ありがとぉ、と、女の子は傘を受け取った。
「ひとりでおうちに帰れる?」
「うん!」
元気良くうなずくと、女の子は大きく手を振って駆け出した。
「やっぱり、傘、大きすぎだよね。大丈夫かなぁ」
「大丈夫なんじゃない? ほら」
ハラハラしている桜乃に、リョーマが女の子の前方をうながす。
女の子の帰りが遅いのを心配したのか、母親が迎えに来たようだ。
その母親らしき女性は、女の子の潰れた傘と桜乃が貸した傘を見比べながら、事の成り行きを理解したらしく、桜乃の厚意を受けることにしたようだ。ていねいにこちらに会釈を送ると、女の子の手を引いて歩き出した。
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「よかった」
そうつぶやいて、桜乃はへなへなと座り込んだ。
「竜崎?」
あわてて桜乃を立たせる。
「ご、ごめんなさい。またリョーマくんに迷惑かけちゃって…」
「別に… あ、ちょっとこれ持って」
桜乃に傘を持たせ、リョーマは羽織っていたパーカーを脱ぐと桜乃に差し出した。
「とりあえず、これ着るほうがいいんじゃない?」
「…?」
きょとんとする桜乃から傘を受け取りながら、リョーマが言った。
「服、濡れて透けてるから」
ぼぼーん、と桜乃の顔がいっきに赤くなる。
見れば、びしょ濡れってわけではないにしろ、真っ白なワンピースは雨に濡れて、ちょっとヤバイかも…… それに、さっき座り込んでしまったから、多分、多分……
「あ、あり、あり……」
あまりにはずかしいためかまともに口がきけなくなっているようで、桜乃はギクシャクしながらパーカーを羽織っている。
そんな桜乃を見て、ふっと、リョーマが笑った。
なんだ、いつもの竜崎だ。
「な、なに? 私、何かおかしな着方してる?」
「いや、こっちのほうが、らしいなって思ってさ」
いつも通りの桜乃を見て、なぜか ほっ としたというか……
ふと、父親の言葉を思い出した。
『普段しっかりしてる分、ドジなところがかわいく見えるんだって』
ま、竜崎の場合は、普段もドジなんだけどね。
「あれ? これ、竜崎の?」
桜乃は本を買いに出てきたのだろう。書店の紙袋が雨に濡れている。
「きゃー、見ないでっ!」
桜乃のすばやい動きに、リョーマは驚いた。
なんでテニスやってるときに、こういう動きができないのかな?
「ご、ごめんなさい……」
軽くため息をついて、リョーマは桜乃をうながして歩き始めた。
交差点の向かい側に公園がある。
「リョーマくん?」
「ヒザ、すりむいてるだろ? 傷口洗っておかないとね」
「あ、ほんとだ……」
ラッキーなことにベンチにはちゃんと屋根がついていて、水飲み場もある。
桜乃が傷の手当をしているのをぼんやり見ながら、リョーマは先ほどのことを思い出していた。
竜崎にあんなことができるなんてね…
普段のドジっぷりを微塵も感じさせなかった桜乃の行動に、リョーマは驚いた。「ケガは?」ときかれて、自分のことよりかばった女の子を気にかけた桜乃。傘が潰れてしょんぼりする女の子に、母親のように接した桜乃。貸した傘が大きすぎたと心配する桜乃。
初めて見る桜乃の表情に驚いたけれど、その後の桜乃は、まぎれもなくいつもの桜乃。そんな彼女のドジっぷりがかわいいと思った自分にも驚いた。
そして……
女の子に気付かなかった自分に腹が立った。
すぐに動けなかった自分に腹が立った。
自分がいるのに、自ら道路に飛び出した桜乃にも腹が立った。
「ねぇ」
「え?」
「オレがいたのに、なんで竜崎が飛び出したの?」
「…女の子を助けたときのこと?」
「そう」
「だって、私のほうがあの子の近くにいたから……」
そりゃそうかもしれないけどね…… オレが近くにいたんだから、竜崎が危ないことしなくても良かったのに。…って、なんでこんなに腹が立つんだろ?
ふいと視線を移すと、桜乃が買った本が目に入った。
雨に濡れてしまっているが、中は大丈夫なんだろうか?
「それ、中も濡れてるんじゃないの?」
「しょ、しょうがないでしょ。だ、だって、こんな所で下着乾かせられないもん!」
真っ赤になって言う桜乃の言葉に、リョーマはベンチからずり落ちそうになった。
「あ、あのさ…」
「え?」
「オレ、その本の話してるんだけど…」
「え?えぇ?」
「濡れてるんじゃないの? 読めればいいけどね」
「ふぇぇぇぇぇ」
さっきまで真っ赤だった顔が、今度は真っ青。紫陽花顔負けの変わりようだ。
あわてて桜乃が中身を確認する。
「だ、大丈夫。濡れたけど、何とか読めそう」
そう言って桜乃が取り出した本は……
「『初めての方のテニス』…?」
「え?」
「わざわざそんな本買ったの?」
「み、見たの? リョーマくん…」
「見るも何も、ほら、見えてるじゃん」
ぼーん、と、また桜乃の顔が赤くなる。
ほんと、紫陽花顔負けだ。
竜崎がそばにいれば、こんな雨の日も退屈しないですみそうだよね。
雨はまだまだやみそうにない。
それでもいいと思う。紫陽花には雨が似合うから。
この紫陽花を愛でる間は、雨が降っていてもいいと思う。
「教えようか? テニス」
驚いたような桜乃の瞳が向けられる。
「教えるよ。どんなに運動音痴でも根気よく教える。だから……」
桜乃が首をかしげる。
「オレの目の前で無茶しないこと。あんな思い、もう二度としたくないから」
リョーマの言葉に、桜乃は目を見開いた。
すぐに言葉が出てこない。
「リョーマくん……」
さぁっと雨がひときわ強くなった。
「…私、なんか無茶なことした?」
がくっときた。
今日はこれで何度目?
分かってない。竜崎は本当に分かってない。
普段の竜崎のトロさを考えれば、道路に飛び出すなんて無茶なことこの上ない。
オレを頼ればいいのに、そんなこと全然思いもしなかったようで腹が立つ。
そんな竜崎に、なんでこんなに腹が立つのかも分からない。
そうだ、発端は味噌! ムーンサルト? 明日の練習、菊丸先輩と当たったら、絶対アクロバティック封じ込めてやる!…って、これって単なる八つ当たり?
「あ、あの、リョーマくん。ごめんなさい。私、何か気にさわること言った…?」
「あぁいいよ、もう。オレもワケ分かんなくなってきたから」
「で、でも……」
「もう、だから!」
言葉では上手く伝えられないと思った。
だから…
腕をつかんで引き寄せた。
「リョ、リョーマくん?」
ぎゅっと抱きしめた。
「リョーマくん…」
あたたかい。これが生きている人間の体温。
生きている。ちゃんと、生きている。
……失わずにすんだこと、世界中の人に感謝したい。
「無事で、よかった……」
「リョーマ…くん……」
さらにぎゅっと抱きしめて、リョーマは目を閉じた。
何も出来なかった自分に腹が立って、自分を頼ってくれなかった桜乃に腹が立って、でも、桜乃が無事だったことに、心から安堵して、感謝して……
リョーマ自身、自分の気持ちに混乱しているけれど、この気持ちは確かなもの。
「本当に、無事でよかった」
「…心配、してくれたんだ……」
真っ赤になって、桜乃は目を伏せた。
うれしかった。
ただただ、うれしかった……
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さぁーっと細かい雨が降っている。
ふと、リョーマがにやりと笑った。
「竜崎、今顔真っ赤だろ?」
「ふぇ? な、なんで分かるの?」
「…ってことは、オレって酸性なわけ?」
「え? さんせい??」
「“アルカリ性”と“酸性”の酸性。竜崎の顔って、紫陽花みたいに色が変わるじゃん」
「そ、それって、ほめてる……の?」
「さあ? 思ったから言っただけ」
ぼーん、と、桜乃の顔が赤くなったり青くなったり、めまぐるしい。
「ま、とりあえず今日のところは解散ってことで。レッスンは今度ね」
そっと桜乃から離れると、リョーマは買物袋を手に取った。
「リョーマくん、お買物の帰りだったの?」
「そう」
「ここって、リョーマくんの家からずいぶん離れてるんじゃ……」
「事情があってね」
母親がこの味噌じゃなきゃダメだって言うから……
ため息をつくと同時に、母親の言葉を思い出して舌を巻いた。たしかに、母が言ったとおりパーカーが役に立った。星占いって、バカに出来ないかも……
「でさ、ここってどこ?」
「え?…リョーマくん、ひょっとして……迷子?」
「…かもね」
意外な一面。
でも、なんかかわいい。普段あんなにクールで何でも出来てすごいなぁって思うのに、迷子? しかも迷子になってもこんなに冷静。顔色一つ変わらないなんて、すごすぎる……
「何?」
「ううん。なんか意外だなぁって…」
「それはこっちの台詞」
「え?」
「いいから、竜崎の家、どっち?」
「え?え?」
「送るから、傘に入って」
桜乃がうれしそうににっこり微笑む。雨の中、そこだけ虹のように輝いた。
へぇ、虹色の紫陽花か。
今度はどんな色を見せてくれるの?
ま、寿命が縮まらないように願いたいけどね……
隣を歩く桜乃を横目で見ながら、リョーマが、ふっと笑った。
【あとがき】
アイスはリョーマの代わりに私が食べました(笑)
しっかしねぇ…「---“跳んでる美味しさ・ガッくんの田楽ミソ♪”---」。本当にあったらどうしましょう(いや、ないって、絶対)
そして女の子のお名前はみゆちゃん。はい、「だぁ!」からお借りしました。かわいい名前ですよね。
テニプリ小説も、これで何作目でしょう。作業中のものがあるのでイマイチ順番がよく分かっていませんが、「だぁ!」に比べればまだまだだね(苦笑) そしてなかなか筆が進まない「ここだけの話(後編)」、昨日作業中にデータが飛んでしまったのでやり直し(とほほ) 今度はリョーマと桜乃の他にもわんさか(?)出てくる予定ですが、テニプリキャラって、なんでそれぞれ暴走するんでしょうね?
「テニスの王子様」#tp-s004西遠寺英未(2005.7.7)