はじめてのwhite day | 作:ちょび |
はじめて、好きな子のためにお菓子作りをする彷徨をかいてみました。 初の投稿作品なのでかなりドキドキものですが、よかったら 読んでみてくださいね。 |
今日は、3月14日。 いつもなら、彼・西遠寺彷徨にとってなんの意味もない日だったが、今年だけは違っていた。 今から、ちょうど一ヶ月前のヴァレンタインに以前から密かに好意をよせていた少女・光月未夢から告白されたのだ。 「彷徨・・・あの・・ね・・。わたし、彷徨が好き。でも!だからって、変 に気を使わなくてもいいの。ただね、いつか、離れ離れになる前に、わた しの気持ちだけでも知っておいてほしかったの。」 (何言ってんだよ、こいつは ・・・・。) 「ばーか、何早とちりしてんだよ?いいか、よーく聞けよ?俺が好きなのは な、おまえなんだよ。」 「へ?」 赤くなった顔をみられるのはいやだったが、いまだに彷徨に告白されたことに気づかない未夢に苛立ち、未夢にもらったチョコを持ったままの右手をその細い腰に回し、左手であごを持ち上げて、強引に口づけた。 「////〜〜〜〜〜!!!な、な、いきなり何すんのよ!」 「おまえがあまりにもにぶいから、ちゃ〜〜んとわかるようにしてやったん だろ?」 「もう!彷徨のバカ〜〜〜!!!」 というようなことがあったのだ。 (今日はちょうど日曜日であることだし、未夢のやつが起きてきたら渡そうかな?) などと考えながらも作業はどんどん進んで行く。 かぼちゃをレンジでやわらかくして、裏ごしする。 それの粗熱がとれたら、先に作っておいたクッキー生地に合わせて形を作っていく。 「さて、どんな形にするかな?あいつの好きそうなのって ・・・。」 今までのことを振り返ってみる。 未夢がルゥに買ってきたおもちゃ。 宝生と一緒にいった不思議な空間で、未夢がうれしそうに選んでいたカップ。 「・・・だめだ、あいつの趣味は俺には理解できない。ま、いいか。そのへ んは俺の判断で。」 そんな彷徨を、心配そうにみている影が二つ。 「パンパ?」 「だ、大丈夫でしょうか?彷徨さん。お熱でもあるのでは・・・・。」 ルゥとワンニャーが、そっと見ていた。 彷徨自身も気づいていなかったけれど、未夢のことを思い出しては顔を赤らめたり、何やら独り言を言ったりしていたので、傍目にはちょっとばかし変 な人にしか見えなかった。 「よーし、完成!そろそろ未夢を起こしにいくか。」 「あの〜〜〜彷徨さん?未夢さんならいらっしゃいませんが。彷徨さんがお 台所にいるときに三太さんと光ヶ丘さんがいらっしゃって、出ていかれま したよ。」 「なにぃ〜〜!!!」 (何考えてんだよ、あいつら。くっそ〜〜〜、未夢、早く帰ってこ〜い!) ただならぬ彷徨の様子に、ワンニャーはおろおろするばかり。 (未夢さ〜〜ん!どうか、早く帰ってきてくださいよ〜〜〜!彷徨さんが、 怖いですう〜〜〜!!) それから、30分後、未夢の声が西遠寺に聞こえてきた。 「ただいま〜〜。」 「未夢!」 「未夢さん、お帰りを待っていたんですよ?どちらにいらっしゃったんですか?」 「あのさ、望くんはクリスちゃんに、三太くんはななみちゃんにホワイトデ ィのお返しをあげたいけどいきずらいからって、ちょっと行ってきたの。 ごめんね、何も言わないで出かけたから心配かけちゃった?」 「あ、いえ、わたくしは知ってましたし・・・・。」 「・・・・よ。」 「へ?」 「せっかく、おまえへのプレゼントを作って、教えようとしたら、肝心のお前がいなくてつまんなかっただけだよ!」 「ご、ごめん。でも、わたしのためにわざわざ手作りしてくれたんだ?」 申し訳なさそうに謝る未夢をみて、にやりと笑い、そして。 「いいよ。おわびはこれで。」 (あれ、このパターン、どこかで・・・?) 未夢の唇と彷徨の唇が重なった。 「////〜〜〜!!!」 「ごちそうさま、未夢。」 「もう、彷徨のバカ〜〜〜!!」 今日も、元気いっぱい、未夢の声が鳴り響く西遠寺であった。 |
ちょびです。 しかし、最初は彷徨がどぎまぎする話だったのに、最後はやっぱり未夢がどきどきのお話になってしまいました。 みなさんの素敵小説を読ませていただくたびに、おのれの未熟さを実感して しまいます・・・・。 何か注意点などございましたら行ってくださいね。 |