「〜♪」
「おや、未夢さん、ご機嫌ですね」
「ふっふっふー、実はねー、これを手に入れたんだ ジャン!(←効果音)」
「あっ!それは!」
「何だそれ?」
「えー彷徨知らないのー?」
「な…なんだよ」
「あの!これはですね!季節限定の新商品として発売したはいいものの、予想を超える売れ行きでいったん出荷が止まって、この間やっと再発売された、と思ったらまた出荷が止まって、未だに品薄が続いている、ハーゲン○ッツの「カスタードプディング味」です!」
「うんうん」
「凄いですねー。未夢さん、よく手に入りましたねー」
「大変だったよー。「たらふく」でもオマチデパートでも売り切れでさー」
「ツウハン星の通信販売でも半年待ちですよ」
「…それってつまり、夏に注文したら冬に届くのかよ」
「未夢さん、これをどこでお買いに?」
「それがね、ももかちゃんに教えてもらった穴場の駄菓子屋さん」
「そこには残ってたんですか」
「うん。残ってたっていうか、山積みになってたよ?」
「や、山積みですか…」
「さすが、花小町家のネットワークはひと味違うな…」
「一カップ30円のセールもやってたし」
「…」
「…」
「(おい!ワンニャー!未夢のやつ、何か騙されてるんじゃないのか!?)」
「(さ、さぁ…。でも、見たところ、普通のパッケージですが…)」
「(開けたら中が空っぽだったりするんじゃないのか!?)」
「(さ、さぁ……。でも、得体の知れないものが出てくるよりは、空っぽの方がいいのでは?)」
「(そ、それもそうか…)」
「あれ?どうしたの二人とも」
「いえっ。なんでもないです」
「なんでもないぞー」
「み、未夢さん、それ、お食べになるんですか?今から?」
「うん。四つ買ってきたんだけど、彷徨も食べる?」
「いや、俺はいい」
「そう?ワンニャーは?」
「あ、いえ、私も結構です」
「そう?じゃあ私一人で」
「あ、あの、未夢さん、本当にそれ、お食べになるんですか?」
「うん。カスタードプリン好きの私としては、チェックしとかないとね」
「あれ、未夢ってプリンが好物だったっけ?」
「うん。設定ではね。本編で一度も食べてなかったから、知らない人も多いみたいだけど」
「ふーん」
「それに、早く食べて投稿しないと、間に合わなくなっちゃうから」
「? 何に?」
「ふふっ。ヒミツ」
……
「(もごもご)」
「どうですか、未夢さん」
「おお、ちゃんとカラメルが凍らずに入ってるんだな」
「(もごもご)」
「見ためは、プリンっぽいですよね」
「ああ。あの色はまさしくプリンだな」
「(もごもご)」
「どうですか、未夢さん」
「うまいか?」
「(もごもご)」
「…」
「…」
「(もごもご…ごくん)ふぅ」
「おっ。喋った」
「美味しかったですか?」
「うん。カスタード部分の甘さに、カラメルの軽い苦みが絡まって、結構、美味しいアイスだと思うよ」
「そうなのか」
「うん…。でもね」
「でも…、何ですか?」
「うん。アイスとしては美味しいんだけど、プリンの美味しさが感じられませんなー」
「なかなか手厳しい評価だな」
「カラメルは美味しいんだけどね。…カスタードの味がしませんぞ」
「色はよく似てたけどな」
「うーん。なんとなく得体の知れない、バニラアイスって感じ」
「そ、それって美味しいんですか?」
「味はいいよ。アイスとしてはね」
「そうか。なるほど。カスタードプディング味のアイスを作るという挑戦をして、アイスとして出来のいいものを作ったのはさすがだけども、逆にアイスとしてまとまりが取れすぎてて、プリンの独自性が揺らいでしまったわけか」
「おっ、さすがは彷徨さん。まとめてくれますな」
「未夢さん、評価はどの程度ですか?」
「そーですなー。カスタードプリン好きの私としては、製品のコンセプト自体に50点は出したいですなー」
「フムフム」
「でもプリンの味がいまひとつだったから…、70点かな」
「まずまずの評価、だな」
「そうだね」
「一応、本物だったみたいだしな」
「えっ?彷徨、何か言った?」
「なんでもないぞー」
「(でも彷徨さん、私、その駄菓子屋のアイスはあまり食べたくないですよ)」
「(うん。俺も。…なんか、胡散臭いよな)」
「(ですよねぇ)」
「あっ!そうだ!同じ店にねぇ、こんな味のも売ってたんだよ!」
「(なっ!また何か出てくるのか?)」
「(今度は何が来るんでしょう)」
「ほら、ワンニャー!「みたらし団子味」! これは一カップ20円だったよ!」
「いただきます!」
「食うんかい!」
「あー!ほら彷徨さん、ちゃんとみたらし団子の絵がー」
「ああ分かった分かったっ」
「それからねー、ほらっ!彷徨!「パンプキン味」! これは一カップ5円で投げ売りされてたよ!」
「…いただきます」
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