作:しーば
2010年春企画のhero's cafeに投稿した物です。
お引越ししてきましたよ□ \(・_\)よっこらせ(/_・)/□
「ぷっ・・・あははははは、彷徨凄い似合ってる〜」
目の前で少し泣きながら俺を指刺し、もう片方の手でお腹を押さえながら大笑いする未夢。
俺は恥ずかしくて、赤くなった顔を横に逸らせる。
「あ〜、その照れてる表情もまた可愛い・・・っぷ・・・あははは」
未夢は黒いズボンに白いTシャツに蝶ネクタイを付けたウェイターの様な姿で笑い続ける。
「ねぇ?彷徨、その格好写真撮っても良い?」
「駄目だ!」
「え〜どうして?今の彷徨とっても可愛いよ」
「絶対に駄目だ」
未夢が顔を不満げに膨らませている。
実は、次の学校祭でのクラスのテーマが、ドーナッツカフェになり。
そこで小西が「単なるカフェじゃつまらな〜い!全員ウェイターとウェイトレス姿で!」と言い出し、後日男女共に服装のデザイン画を持ってきた。
それが、男の方は普通のウェイターだったのに、女子が着るウェイトレス衣装がメイド服みたいに、スカートに余計な物がたくさん付いてるものだった。
男子の方は、学生服に蝶ネクタイを付けるだけ。
そこまでならまだ良かったんだけど。
未夢が衣装を貰って喜んでいた所に小西が行き。
未夢と俺を交互に見た後、「ごめん、これ未夢ちゃん用じゃなくて西遠寺君用なの」と言い出した。
客引きとして、俺が未夢の持っていた衣装を着る事になった。
家に帰ってから、ウェイターは蝶ネクタイを付けるだけだから男子には知らせて無かった事と、女子の中でウェイトレスになるのは数人に絞られていて、その中に未夢は入って無かった事を説明された。
そして、サイズが合ってるかどうか確かめる為に俺は今、ウェイトレスの姿になって。
未夢は蝶ネクタイ一個借りて来たから、私がウェイターになるから
「彷徨制服貸して」と、未夢が俺の制服を着ている状況になった。
なんでこんな格好・・・。
着るだけでも嫌なのに、未夢にずっと笑いものにされてる。
未夢の勢いが強くなり「それじゃ、いらっしゃいませとありがとうございましたの練習しよ」
とウェイター・ウェイトレス姿の一対一で発声練習もするハメに・・・。
なぜ、俺が未夢の言ってる事を素直に聞いているかって?
一ヶ月前ぐらいに未夢から「ねぇ?彷徨御願いがあるんだけど」と言われた時に、その内容を聞かないまま「へ〜、何のお願いか知らないけど、次のテストで未夢が俺に一教科でも勝ったら何でも言う事聞いてやるぞ」と軽く答えてしまったのが原因だった。
その日からテストまで人が変わったように必死に勉強する未夢を見て来た。
分らない事があったら、俺の所に聞きに来て頑張っていたから、まあ、テストで俺に勝ってなくても未夢の願いを聞いてやろうかな?と軽く考えていたのが間違えだった。
「ねぇ?ウェイトレスさん?冷たい麦茶をいただけませんか?」
と、未夢が得意げな表情で言ってきた。
俺は悔しさをこらえながら「麦茶ですね、かしこまりました」と答えて冷蔵庫に向かう。
これでもかと言う位、コップに氷をたくさん入れて麦茶を注いで未夢の所に戻る。
「お待たせいたしました」
未夢の待つテーブルの上に麦茶を置く。
「いただきます」
と麦茶をゆっくりと飲み干して、テーブルに氷だけのコップを置き、カランと氷が鳴った。
「ねぇ?彷徨、本当にウェイトレスの姿で学校祭に出てくれるの?」
未夢が心配そうな表情で氷だけのコップを見ながら話しかけてきた。
「約束だからしょーがねーだろ。約束通り、未夢が俺にテストの点数で勝ったからな」
未夢の表情が喜びに変わった。
「実は、本当に彷徨にテストの点数で勝てるなんて思わなかったんだよ、最初の方は必死になってて、途中で諦めかけたけど、彷徨が凄く丁寧に教えてくれたから、段々と嬉しくなってきて、もっともっと彷徨に教わりたいって思って勉強したから、彷徨に勝てることが出来た」
未夢が、空のコップを持って冷蔵庫に行き
「ねぇ?彷徨も飲むでしょ?」と麦茶を持ってきてくれた。
「はい、おまたせしました」
未夢が、麦茶入りのコップを俺の目の前に置く。
「あ〜あ、私も彷徨みたいな可愛いウェイトレスになれたらな〜」
ニヤニヤしながら、未夢が俺を見始める。
だから、何で俺が可愛いんだよ!
俺なんかが着るより、未夢が着た方・・・が・・・。
あれ?今俺、何て思った?
未夢が着た方が・・・可愛い・・・?
まさか、そんな考え・・・。
なんでこんなに動揺してるんだよ!
「ん?彷徨どうしたの?」
表情の異変に気づいたのか、未夢が心配そうに話しかけてきた。
「いや・・・」
「なんか変だよ?大丈夫?」
顔を傾げながら聞いてくる未夢。
「ねーねー、そのウェイトレス服、一度は着てみたいって思っていたんだけど、ちょっと貸してくれない?」
・・・・・・・・・。
やった!嬉しいのか俺?
「じゃあ、もうこれ脱いでくるからな」
と言い、急いで部屋に戻り速攻で着替えを済ませて戻って未夢に渡した。
未夢は「じゃあ着替えて来るね」と言い残し未夢の部屋に向かった。
ふう・・・
麦茶の入ったコップを持っても中の麦茶がユラユラと揺れ続ける。
落ち着け、俺。落ち着け俺。
やっとの事で、最初の一口を口に含んだ所で
「お待たせ致しました」と未夢が飛び込んできた。
あまりにも急に入って来たのと、あまりにも似合い過ぎて、むせ返った。
「だっ大丈夫?彷徨」
と、さらに近づいて来る未夢。
間近で、白い髪飾りを付けた上から、白いヒラヒラが何枚もあるスカート。長くて白いニーソックスまで見せ付けられる事になった。
「大丈夫、未夢がいきなり飛び出して来たから驚いただけだ」
「ごめん。あまりにも嬉しかったからはしゃいじゃって、飛んできちゃった」
・・・・・・・・・。
う〜ん、どうしよう恥ずかしくて直接未夢のウェイトレス姿を見れない・・・。
でも、見てしまったら顔が赤くなって未夢にバレるかもしれないし・・・。
「ねねっ?どう?似合ってる?」
未夢がクルリと横に1回転回って、スカートの端を両手で少し持ち上げてポーズをとった。
////////オレノマケデスユルシテクダサイ。
「ああ、似合ってるよ」
「ほっ・・・・本当に・・・?似合ってるの?」
そういうと、未夢の顔が段々と赤くなって押し黙ってしまった。
「凄く、似合ってて可愛いよ・・・」
ちくしょー!何口走ってんだ俺は〜!
もう駄目だ、俺の顔も赤くなって未夢を見ることが出来ねぇよ。
その後、俺たちは、チラチラと視線を合わせては外し、合わせては外しを繰り返し。
ワンニャーとルゥが買い物から帰って来るまでその状態が続いてた。
でも、学校祭で未夢がウェイトレスの格好されるなら・・・辞めさせたいと思ってたのかな?
φ(`д´)カキカキ
皆しゃんのイベント投稿を見てこりゃ書かないといかん!と
昔思いついていた事を今回の企画を見ていたら思い出してしまい、投稿させて頂きました。
こうやって、文章を書けるのは「山稜しゃん」のおかげです。
文章書きで悩んでいる時にチャットなので色々と励まして頂いてました。
まだまだ、能力がありませんがどんどん文章は創り続けていきますよ〜。
山稜節の突っ込み御願いします!