作:五月芽衣




 あなたはまるで お水のようね

 いつでもキラキラ 輝いていて

 誰もが思わず 手を伸ばす



 誰にも入れなかったの 彼に

 なのにあなたはするりと入って

 彼のとなりで笑ってる

 あなたはそっとその手で彼を

 ぎゅっとやさしく包んでる



 だけど ときどきあなたはイジワルで

 つかめどつかめど 逃げてしまう

 彼はとても寂しそう 目からあなたを流してる

 するとあなたも悲しくなって あなたも目からあなたを流す

 互いにあなたを出すことで 互いのことを思い出してる

 あなたは あなたと彼をつなぐ 見えない虹の架け橋ね




 あなたはころころ 姿を変える
 
 空気になって 彼をなでたり

 水になって 彼をあらったり

 お湯になって 彼をぬくもらせたり

 氷になって 彼をさとしたり

 ジュースになって 彼を楽しませたり

 いつでもあなたは 明るく楽しい



 
 あなたはどこにいてもあなた

 キラキラ光るガラスの器

 ゴウゴウうなる洗濯機

 畑にできた 小さなスイカ

 それを食べる 小さな虫

 木漏れ日浴びる 葉っぱの葉筋

 それを見上げる 彼の体

 あなたはどこにいてもあなた

 時々呼び名は違うけど

 どこにいても あなたはあなた

 彼にとっても 誰にとっても

 あなたはかけがえのない あなた






 あなたはいつでも輝いていて
 
 ときにはあなたがまぶしいけれど

 あなたはあなたが好きでいて

 あなたは彼が好きでいて

 彼もあなたが好きでいて

 だれもがあなたを好きでいる



 
 



 







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