リンゴの皮

作:五月芽衣





 庭のすみの苔むす植木

 道路へ飛び出す迷い犬

 時間を過ぎたコンビニ弁当

 剥いたばかりのりんごの皮



 その境界線が辛く悲しい

 何も変わらぬあなたとわたし

 一体誰が決めて引いたの

 あなたとわたしの境界線を



 悲しくないのか、悔しくないのか

 何を言ってもあなたは無言

 薄く笑った小さな唇 青い歯跡が見えました

 何度かみしめたのだろう 何度涙しただろう





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