先輩へ

作:五月芽衣




 あなたはいつも、静かにまぶしい。


 
 誰よりも早く部室を開き、いつの間にやら着替えを済ませ

 大きな声で皆を導き、強くなろうと必死で戦う。


 
 仲間が負けたら肩を抱き、自分が負けたら涙を隠し

 いいよいいよと雑務をこなし、勝ってこいよと背中をたたき

 あっちとこっちの架け橋にもなり、バカにされたら笑って流す




 ねぇねぇ先輩 わたしの先輩

 大好きで憧れでたまらなく尊敬できるあなたはまるで


 
 日差しのような、風のような、お風呂のような、ふとんのような

 あったかくって、心地よくって、安心できて、元気になれて



 真っ赤なバラの、小さなとげね。

 


 


 



 



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