作:五月芽衣



 お話することが好き
 
 自分の中に感じたもの、思ったこと、考え付いたこと
 新しいこと、懐かしいこと、これからのこと


 話したくって、しかたない。



 話すことで、見えてくる。
 話すことで、できあがってくる。
 話してるとやりたくなってきて、
 話してるうちにすぐはじめたくなる。





 お話することが好き。
 一方通行じゃ、いけないけれど。






















 聞いていることが、多い。
 いつのまにか、聞き役で

 部活のこと、友達のこと、勉強のこと、家族のこと
 進路のこと、今までのこと、体のこと、未来のこと


 あなたが話しかけてくる。
 あなたが語りかけてくる。
 誰にもできない自分の話を
 わたしに聞いてと持ってくる。


 いいよ、何でも言ってごらん。
 だいじょぶ、ちゃんと聞いてるよ。
 ずっとわたしがついてるよ。




 言う前に、躊躇する。
 わたしが言ってもいいのだろうか。
 軽はずみに使ってはないだろうか。

 でも、その一言で、話せるんなら。
 力を抜いて、空を見れたら。

 それなら、いいかな。
 って。

 あまい気持ちが、わたしにあって。
 そんなわたしで、いいのかな、って。
 本当にそう思うのだけれど。


 でも


 それで、その子がちょこっとでも楽になれるんだったら。






 







 とりあえず、自分の言葉には目をつむって

 聞くことばっかりしています。







 




 話すことがだめならさ、書いてもいいんだ。奏でても。

 何でもいいんだ。あなたを伝えて。



 受け止めるから。感じ取るから。



 あなたを伝えて。みんなに伝えて。



 このうえなくすてきなあなたを
 たくさんの人に見てほしい。




 そして、ちょこっとでも余裕ができたら、
 わたしの話も聞いて欲しいなぁ。







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