作:雨宮さや
サイトから移した旧作です。
「問題用紙と解答用紙みんなまわったか?いいな、カンニングなんてするんじゃないぞ。
じゃ、始め!!」
先生の声が教室中に響き渡る。
俺はすぐにシャーペンを持ってテストに取り掛かった。
3日間あるテストのうち、初日の1時間目が英語だ。
俺にとって得意な英語が最初に来るのは良いのか悪いのかわからない。
・・・得意科目が最初に来るというのは他の奴にとっては良いんだろうな。
そんなことを思いながらも手を進めていたら、とうとう最後の問題だ。
最後の問題も手早く終わらせた。
(ふー。終わった・・・。)
ふと時計を見てみると、あと25分も残っていた。
(早く終わらせすぎたかな・・・)
そんなことを考えて斜め前に座っている未夢を横目で覗いてみる。
念のために言っておくが、カンニングしているわけではない。
まぁ、未夢のを見ても間違うだけだろう。
それはさておき、未夢、やっぱりパニック起こしてるな。
しかも、まだあんなところやってるのかよ。
そんなんじゃ時間内に終わらないぞ。もうちょっと早くしないと。
・・・もう少し教えるべきだったかな。
「後5分だぞ。終わった者はちゃんと見直ししておけ〜。」
後5分!? 未夢大丈夫か? ちゃんと終われば良いけれど・・・。
それにしても、未夢を見てると飽きないし、残った時間を楽しく過ごせるな♪
こんな楽しみがあったなんて気づかなかった。
他の教科も出来るだけ早く終わらせるか。
あ、もうそろそろ終わるな。
未夢は全部出来たみたいだな。
すごいほっとした顔してる。。
キーンコーンカーンコーン♪
「やめ!全員鉛筆を置け。後ろの人解答用紙を集めてきてくれ。」
「ふー。やっと1教科終わりましたな、彷徨さんや。」
こいつ疲れきってるな。まだ1教科目だって言うのに。
「お疲れ。お前すごくパニックになってただろ?」
「ははははは・・・。だって、難しいんだもん!」
「お前、学年の最初に難しいって言ってたらこの先大変だぜ?」
「そいう彷徨はどうなのよ!?」
「俺は当然の如く全部出来たけどな。」
「う゛っ・・・。そうでした・・・。」
「まぁ、これからはちゃんと教えてやるよ。今日みたいにならないように。」
「ありがとうございます・・・。」
「未夢と西遠寺君、いちゃつくのは勝手だけど、次のテスト始まるよ?」
「そうそう、いちゃつくのはネタになるから良いけれど、始まっちゃうよ!」
「「え!?もう」」
「じゃ、私席に戻るね!」
「って、天地と小西、俺たちはいちゃついてなんかないぞ。」
「あーら、それはどうかしら?」
言い逃げかよ・・・。全くあいつら何考えているんだか・・・。
おっと、早く準備しないと。次が始まっちまう!
fin
何と言いましょう・・・。あの頃だから書けたという感じです。
手直ししようかと思いましたが、やるとどんどん崩れていくので、ちょっとだけ変えました。
今もまだまだですが、このころは「まだ」が倍くらいついてそうですね^^;
頑張ります〜