作:ちーこ
湯気ってなんだかあったかくってしあわせの象徴だと思う。
なんてかっこつけてみたりするけど、要はおいしいものがあればしあわせってだけの単純なことだったりするのかも。
「え〜〜。どっちにしよう…。」
さっきから目の前でずぅっと悩んでいる姿はなんだか小動物チックだと思う。
こまこま動いては止まり動いては止まる。
そのたびにきょろきょろとあちこちに視線を向けてはどうしようと言う。
さっきから何度これを繰り返しただろうか。
それでも大分範囲はしぼれてきている。
狭いコンビニといえども、商品の種類は意外とあるもので。
この棚の前に足が止まった段階で選択肢が2つになったのだから。
「これは…なんですの?」
生粋のお嬢様にはコンビニも未開の地…らしい。
人差し指の先にはそれはそれは当たり前のものが並んでいたりするから驚く。
自分自身そんなに足を運ぶ場所ではなかったが、最近は身近なフロンティア精神に影響されてか以前よりは身近な場所になってきた。
新しいものを見つけるたびに瞳をきらきらさせている。
今日のターゲットだって…知らない方がびっくりしてしまうようなものだ。
「んじゃぁ、あたしこっち買うから、そっちよろしく。」
女の買い物は長い。
そう聞いたことがある。
だから初めて考える間もなく即決するのを見たときちょっとしたカルチャーショックだったりした。
すぐにそれもらしいと思ったけど。
まぁ…コンビニなんて迷うほどのところでもないのかもしれないけど。
「ねぇ…豚まんとあんまん、どっちがいいかな?」
「これが…ハンペン?シラタキ?大根は知ってますわ。…どれにしましょう?」
「まだ迷ってんの?」
「三者三様ですねぇ。」
わたしの言葉に男性陣は苦笑気味に頷いた。
ホントに苦笑してるわけじゃなくって、きっと照れ隠し。
可愛くて可愛くてしかたないんでしょう?
「未夢」
「クリス」
「天地」
ほら、そうやって優しい声で呼ぶ。
ちくしょう、うらやましいぜコノヤロウ。
「俺、豚まん買うからお前あんまん。半分ずつ食えばいいだろ。」
「じゃぁ、半分ずつ食べようか?」
「からあげな。俺はポテト。先会計済ましちゃおうぜ。」
「ありがとうございました〜。」
わたしの手にはあったか〜いレモネード。
ま、いいけどね。
湯気ってなんだかあったかくってしあわせの象徴だと思う。
寒い冬には欠かせない。
でもそれは一緒に感じてくれる相手いるからかもね。
なんかもう…どうしましょう…な感じのちーこです。
今まで間に合わない間に合わない言ってたことは数あれど。
これほど間に合わないと思ったことはなかった気がします。
というか…これは作品として成り立っていないので…結局間に合ってはいないんでしょう…。
今回はコンビニの中での3組+1の日常です。
どうしても綾ちゃんのポジションがあやふやになっちゃうんだよなぁ…。
そのうち加筆修正するかと思いますが…。
企画はこの状態で出させていただきます。
お目汚し失礼しました。
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