作:つむぎ
ヒーロー同好会!&しゃん同盟 公式(?)通信!7月20日号(通巻155号)
▽ちーこのクイズ解説&夏の妄想の妄想ネタに便乗してしまいました。
ちーこしゃんに捧げます
見上げた空の先の先のでこだまする重低音。
ドンッ・・・。
一瞬の静寂。
光の塊が空へ飛び出す。
光の筋・・・・。延びて・・・延びて・・・小爆発。
先ほどの低音とは打って変わって高音の爆発音
パンッ・・・パラパラ・・・
色とりどりの光が空のキャンパスを飾る。
「た〜まやぁ〜。」
隣で無邪気にはしゃぐ未夢。
俺もつられて笑ってしまう。
自然と笑みが漏れてしまう。
普段なら「お子ちゃま・・・」と憎まれ口を聞くところだけど
なんとなくそんな口も今日は閉じている。
面白いところで中断された読書。
その合間を縫って手伝わされた浴衣の着付け。
着付けを終えた未夢にいつものように出るかと思ったちょっかい。
だけど結果的に口にしたのは息を呑む自分の声だった。
結い挙げた帯の出来を姿見を見て確認する未夢の姿に、
くるくると蝶のように舞うその姿に俺は
目も
心も
奪われていた。
「ど・・・かな?」
ちょっと上目使いに出来上がりを確認する
未夢のその顔は、少女のような、女性のような
なんともいえない可愛さと、綺麗さを併せ持った表情で
なんといって答えたら良いのか分からなくて。
「いんじゃね。」
それしかいえなかった。
自分が帯締めを手伝ったとはいえ自分の腕を呪った。
憎まれ口を出すことも出来ないくらいその「仕上がり」に
このまま外に出した後考えられる光景を思い浮かべると
まったく行く気がなかった花火大会も
「んじゃぁ、もう少ししたら出かけようね。」
未夢の問いにあっさりとうなずく俺がいた。
予感的中。
カラコロと軽快に鳴らす未夢の下駄の音が
呼び寄せているのか、代わる代わる振り返る奴等。
オトコ おとこ 男・・・。
当の本人はまったく気付かず金魚柄がちりばめられた
巾着を片手で振り回しご機嫌、ご満悦。
「彷徨、あれ! 彷徨、あそこ!!」
向けられる笑顔がうれしいはずなのに照れてしまって
「あぁ・・転ぶなよ。」と決めてしまうポーカーフェイスは
未夢が俺の周りにいるようになってから身に着けた得意技だ。
このまま、俺のものになってしまえば良いのに。
俺の手中にいてくれれば良いのにと
最近気付いた自分の独占欲は「醜いなぁ」とも思うのだが
未夢が来るまでなかった自分の人間臭さに少しうれしくも思ったりする。
いつも行動を共にする天地達を西遠寺に招いて
花火鑑賞。
結局会場の河原はものすごい人垣で
固まって行動することも出来ず
鑑賞するまえに窒息してしまいそうだったので
見られる花火は多少小さくなってしまうけど
上にさえぎるものがない小高い丘の上の西遠寺で
花火を鑑賞することになった。
見上げた空の先の先のでこだまする重低音。
ドンッ・・・。
一瞬の静寂。
光の塊が空へ飛び出す。
光の筋・・・・。延びて・・・延びて・・・小爆発。
先ほどの低音とは打って変わって高音の爆発音
パンッ・・・パラパラ・・・
色とりどりの光が空のキャンパスを飾る。
「た〜まやぁ〜。」
隣で無邪気にはしゃぐ未夢。
俺もつられて笑ってしまう。
自然こぼれる笑み。
「来年もここで見られると良いね」
屋台で買ってきたりんご飴を片手に
空に咲く花をバックに飛びっきりの笑顔。
顔が赤くなった。
「彷徨?」
丁度よく逆光で俺の表情が分からないみたいで
不思議そうな表情を浮かべる未夢。
来年も傍にいてくれるのか?
深い意味は決してないであろう未夢の言葉が無性に
うれしくて・・・うれしくて。
笑った。
つられて未夢も笑う。
ずっとこの幸せが続けば良いのに・・・
「なぁ、未夢。」
「なに?」
「言い忘れてたけど、その浴衣よく似合ってるよ。」
ポンッ・・・
「おっ!まっかっか。」
「か、からかったわねぇ〜。」
やっと普段どおり。
「からかってないよ。」
ベッと舌を出す。
「ほんとにかわいい。俺の締めた帯」
にっこりと色々な意味もこめて俺は笑った。
「うっ・・・。たしかに・・・」
「我ながらすばらしい腕だな。」
「うん。絶妙だよ。苦しすぎないし崩れないし」
「当然。崩すのは俺だから。」
「えっ?」
きょとんと未夢の不思議顔。
「着せたのは俺だよな?」
「うん・・・。」
「当然、脱がすのも俺なわけだ。」
言葉にならずに口をパクパクさせている未夢に俺のとびっきりの笑顔を向ける。
「覚悟しておいて・・・。」
直立不動、顔面蒼白の未夢に耳打ち。
これからも共に、この喜びを分かち合えたら。
来年も
再来年も
その先も・・・ずっと・・・
リハビリ夏ネタ作品です。
しかもちーこしゃんのメルマガネタから勝手に拝借しちゃってすみません。
やっぱり書くことは好きだな。
内容はともかくとして・・・・。
ありがとうございました。