作:あゆみ
みなさんこんにちは!
わたくしはルウちゃまのお世話係。シッターペットのワンニャーでございます
このたびわたくしには理解できないことがありましたので皆さんにお尋ねしようと思ってこうして
恥ずかしながらも呼びかけている次第です。
その理解できないと言うのは…
まぁそれは、わたくしが毎日オット星のルウちゃまのお父様とお母様に送信している
「日記」を読んでくだされば、わたくしが何を困惑しているのかわかっていただけると思います〜
ではでは…
ワンニャーの育児日記
8月×日(オット星暦○○年…)
私とルウちゃまが地球に飛ばされてから、いろいろなことがありました〜
始めは知らない土地でわたくしひとりでルウちゃまをお守りできるか不安でしたが
未夢さん、彷徨さんと言うすばらしいルウちゃまの地球のママとパパに出会うことができました。
お二人がいたからこそ、ルウちゃまはすくすくと育ってくださっているのです。
出会いと言えば!!
わたくしの衝撃の出会いはなんと言ってもみたらし団子!!
あの、あま〜くて、とろ〜りとしたなんともいえないタレについた串団子!!
衝撃です!!
感動です!!
わたくし、あのみたらし団子があればどんな苦労も水の泡に…
おっと、暴走してしまいました〜
どうしてもみたらし団子のことになると我を忘れてしまいます〜
そうそう。
今日のルウちゃまですが至って健康!怪我も病気も無く、今日も一日とても良い子でした!
お父様、お母様!必ずルウすばらしい大人になってくださることでしょう。
そのときはシッターペットとしても鼻が高いです〜。
話がだいぶ反れてしまいましたが本日の報告をさせていただきます。
今日は未夢さんと彷徨さんにルウちゃまと私は公園へ連れて行ってくださりました。
そのときのお話です。
☆☆☆☆☆
「ルウ君楽しいねぇ〜」
「あ〜い!マンマ〜!!」
ワンニャーに抱っこされているルウは手をバタバタさせてはしゃいでいる。
公園のベンチでワンニャーに抱かれたルウを挟んで未夢と彷徨が座っている。
「思ったより混んでるな…。」
「そうですねぇ〜『夏休み』とやらが始まったからではないですか?彷徨さん」
「まぁな。学生は休みだからなぁ〜」
「夏休みっていいよねぇ〜ゴールデンウィークより長い休みだし!」
「未夢は楽天家だなぁ〜。」
「なにお〜」
未夢は立ち上がり彷徨に寄っていってポカポカと殴った。
「いてて。止めろって未夢!」
彷徨は未夢を制して腕をつかむ。
未夢はつかまれた部分が熱を帯びているのを感じて恥ずかしくなった。
頬を赤くしてうつむいてしまう。
「よし。おとなしくなったな。全く…。」
「きゃ〜い!!」
ルウは二人の様子をみて嬉しそうにしている。
「は…はなして///彷徨。」
「あぁ///悪い。」
未夢にそういわれた彷徨は急いで未夢をつかんでいた手を離した。
開放された未夢はそそくさと元いたところに座る。
そしてちょっとの沈黙…
「そ…それにしても地球の夏という季節は暑いですね〜。わたくし本来の姿のままだとあついので
夏の間はこの姿に変身してましょうかね。」
「毛皮みたいなものだしな。」
「オット星には夏はないの?」
「暦はありますが、気温や天候は全てオット星の気象管理センターが一番過ごしやすい温度と天気
に調節しているから、年中同じなんですよ。」
「「へぇ〜…。」」
「”衣がえ”というのもありません!」
「「へぇ〜…。」」
妙に納得した二人はワンニャーの説明に聞き入った。
「でもさ〜彷徨。地球にも年中季節の関係ない人たちっているよね!」
「誰だ?」
「一年中、あつあつの常夏!ッて人達っているじゃない!」
「ん?ボディービルダーとか?」
「違うわよ!ほら、あそこにもいるじゃない!」
未夢の視線の先には、恋人であろう男女のカップルがいた。
女性の方が男性の腕を組んで歩いている。
「あれって、あつあつの夏だよね〜///」
「まぁ。世間的にはその表現はよく使われているな。」
「こんな暑い日に暑くないのかなぁ?」
「お互い“二人の世界”だからな。関係ないんだろ…」
「いいなぁ〜…あんなふうに素敵な恋愛いつか私にもできるのかなぁ。」
「…まぁ…お子ちゃま未夢の相手なんてそうそう見つからないだろうな。」
「なによそれ〜」
未夢は頬を膨らませてそっぽを向いてしまった。
「でも!でも!未夢さんにも絶対素敵な人が現れますよ〜、
もしかしたら近くにいるのに気づいてないだけかもしれませんけどね!」
ワンニャーが二人の間に入って一生懸命フォローする。
「そんなやつが未夢にできたら、会わせてほしいね!」
彷徨は舌を出して未夢とは正反対の方向を向く。
いつもこのような口論でよくあきませんなぁ〜
私からしてみればルウちゃまのお父様、お母様に匹敵するぐらいの相性をしているとふんでいるのですが…
なかなかうまくいかないものですね…
ふぅ〜とワンニャーがため息をついたときだった。
背中にスース―と寝息を感じた。
「おやっ?!ルウちゃまがおねむですね!」
「ほんとだ!!たくさん遊んだから疲れちゃったのかな?」
「もう日も落ちそうだし帰るか。」
あれほど照らしていた太陽もゆっくり落ち、夕方になろうとしていた。
「そうだね!帰ろう!!」
3人は立ち上がって公園を出るために歩き出した。
そこに夏の湿った強い風が吹く。
未夢の長い髪は舞い上がり、空中を舞い、
彷徨の腕にくすぐるようにかかった。
「きゃ!」
未夢の叫び声。
歩き出したとたん未夢の頭は何かに引っ張られた感触だった。
髪が引っ張られて痛くて涙目になっている。
それは彷徨も一緒だった。なにか違う方向から力が働いるみたいな…。
「「あっ!」」
その力の先を見ると未夢の長い髪は彷徨のシャツのボタンに絡まっていたのだ。
彷徨はボタンから髪をほどこうとする。
しかし、うまい具合に絡まってしまっていてなかなか取れなかった。
「ダメだな…ボタンを契ろうにも髪が抜けちまう。家に帰ってから取るか。」
「髪切っちゃって良いよ〜」
「なんでだよ!もったいないじゃん!せっかく綺麗に伸びてるのに!」
「//////」
事も無げにいうその彷徨の言葉に未夢は顔を赤くしてしまった。
「ありがと…」
「さてと…」
彷徨はそういうと未夢の肩を抱いた。
「えぇぇぇぇ!!」
未夢はあまりにも急な事でビックリした。
「しょうがねぇだろ!この方が、引っ張られずに帰れるし、お前の髪も切れないだろ!」
平然と言う彷徨に未夢は
「そうだけど…」
とぶつぶつ言いながら顔を赤くして彷徨に肩を抱かれたままにしている。
彷徨は彷徨で未夢が痛くないように、歩きやすいように、自然に肩を抱いている。
「さ…帰ろうぜ!」
二人はまるで二人三脚でもしているかのようにギクシャクしながら歩き出した。
もちろん行き先は西遠寺…
その様子を後ろから見ていたワンニャーは、ルウを抱きながらも溶けていた。
『うわぁ〜〜なんだか見ているこっちが照れてしまいます〜』
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
ということがありました。
なはぁ〜ぐはぁ〜
今思い出しても甘酸っぱい感じがたまりません〜
でも、わたくしはここで疑問が…
未夢さんと彷徨さんは腕を組んでいたカップルさん達を“あつあつ”とおっしゃっていました。
ラブラブだから“あつあつ”というらしいのです。
しかも恋人というのは年中“夏”らしいのです。
そうすると未夢さんと彷徨さんも“あつあつ”で“夏”なのでは?と思ったわけです。
しかし、お二人の関係は…
“夏”と“あつあつ”とはどういうことなのか…
正しい使い方はどちらなのでしょうか?
追伸:ルウちゃまのお父様お母様、どうかご存知でしたら、教えてください〜
「さてと、送信…。しましょうかね。」
ワンニャーは通信機の送信ボタンを押す。
見上げる空には抜けるような空に満天の星。そしてお月様。
おやつにと取っておいたみたらし団子をぱくりと一口
「さてさて明日も西遠寺は“夏”ですかねぇ…」
あぁ〜せっかくの企画なのに申し訳ないです(>_<)
なんだぁ?!こりゃ?な作品になってしまいました。
しかし恥を忍んで投稿させていただきました。
久しぶりだったものですからなんだか変な文章ですね〜
テーマは「夏」ということでカップルの「夏」を書きたかったんです。
ワンニャー主体の文もいいかな?なんて遊び心がこんな風に…
あぁ。。。反省します。申し訳ないです。
このような企画に参加させていただきありがとうございます。
山稜さん、李帆さんに感謝の意を込めてお礼を申し上げます。
これからも楽しい企画考えてくださいね!
それでは失礼しました。
2003/7/28
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
あとがきという名の言い訳・・・
こんにちはみなさん。
こちらの作品は私が参加している同盟「ヒーロー同好会&しゃん同盟」で夏の企画でした『みかん祭』 で恥ずかしながらも投稿させていただいた作品です。
ワンニャーの育児日記・・・アニメでは御馴染みですよね〜
しかし、ワンニャーの疑問にルウパパ、ママは答えることができるのでしょうか?(笑)
ワンニャーも鋭いのか鈍いのか分かりません!(笑)
ワンニャー視点の作品を書くのは初めてだったので皆さんのワンニャー像を崩してしまったらどうしようかと 思いましたが、私的ワンニャーはこんな感じ・・・ということで勘弁してください。
それでは失礼しました。
(加筆修正UP)2003/10/11 あゆみ