作:あゆみ
「彷徨!どこいくの?」
「そうだな・・・とり合えず外に出たけど…未夢はどこか行きたいとこあるか?」
「う〜ん・・・私は・・・彷徨となら///どこでも・・・・」
「そっか///」
土曜の昼。
学校も終わり彷徨と未夢はデートをしている。
恋人になって間もない二人
恋人同士になってからの外出は初めてだった。
なぜ外に出ることになったかというと・・・
・・・西遠寺
「ねぇ、彷徨外に行かない?」
「あ?なにか用でもあるのか?」
「別にそういうわけじゃないんだけど・・・」
いくらずっと同居していたとはいえ
こういう・・・///恋人同士になって二人で家にいると
緊張しちゃうよ///
彷徨はそういう風に思わないのかな?
未夢に声をかけられるまで本を読んでいた彷徨、
両思いになる前と変わらない彷徨の雰囲気・・・
でも第三者から見る二人の距離は明らかに短くなっており・・・
以前はちゃぶ台をはさんで向かい合って座っていた。
しかし現在未夢の隣に彷徨はいる。
なんで私ばっかりこんなに緊張して///
そんなスカートのすそをつかみ少しうつむきかげんで座っている未夢
頬は桜色になっている。
そんな未夢に彷徨は気づき・・・・
あぁ・・・なるほどね・・・。
彷徨は読んでいた本を閉じ、机に置く。
そして先ほどからスカートの裾をつかんだままうつむいている
未夢の肩に腕を回す。
「ひゃ!!///」
「どうかした?」
「ど・・・どうかしたって/////////」
「ん?」
「こ・・この腕は何?///」
依然顔をさらに赤く染めうつむいたままの未夢。
その表情が彷徨にはたまらなくいじめたくて、愛しくて・・・。
「だってこういう事していいんだろ?」
「/////」
「どこいきたいの?」
「そ・・・外ならどこでも////」
「なんで?」
こういうのが緊張するから////なんていえないよぉ〜
「彷徨と二人きりでデートってしたこと無いじゃない?」
「いわれてみればそうだな・・・」
「ねっ?いこ?」
顔を真っ赤にしながら彷徨に微笑む。
くそっ!///卑怯だ///
そんな顔するなよ////////
「わかったよ・・・」
逆に彷徨がうつむいてしまった・・・
・・・・ということで今、未夢と彷徨は外にいる
まだ暦の上では春と入っても少し肌寒いこの日
手をつないだり、腕を組んだり、
肩を抱いたりはしていないけど
お互いの表情を一瞬でも見逃さないように、
目を離さず二人は歩いている。
その姿は誰が見てもお互いを好きあっていて・・・
下手にべたべたしているカップルより
ため息の出るような空間だった。
「ん〜・・・映画にでも行くか?」
と彷徨が未夢に言ったときだった。
「彷徨〜!!光月さ〜ん!!」
と呼ばれた気がしたので二人は声の聞こえた方向に目を向けた。
声の主は三太だった。なぜか光が丘もいる。
「「三太(君)!!光が丘(君)!!」」
「みゆっち!!運命だね!!こんな町の中で会えるなんて!」
光が丘が未夢の手をにぎっていう。
その様子に彷徨はムカッ!ときてにらみつける。
そんな彷徨の様子に気づかない未夢と光が丘。
「どうしたの?二人とも!珍しいコンビだね!」
未夢は二人を交互に見ていう。
「ちょっとデパートに用事があって向かっていたらそこであったんだよ。」
と三太は答えた。
「へぇ〜そうなんだぁ・・・」
と納得したように二人にうなずく。
「お二人さんはどうしたの?新婚みたいだったぜ!」
「「なっ!!///」」
「みゆっち〜そうなのか〜い?かなしいよ〜」
望がまた未夢の手を握りながら言う。
そのときだった。
「「あれ〜?未夢に西遠寺君?三太くんに光が丘君まで!!」」
とまた声をかけられた。
その声は聞き覚えのある声だった。
「綾ちゃんにななみちゃん!どうしたの?」
呼びかけたのは綾にななみだった。
「ちょっとね〜綾は本屋に、私は文房具を買いにデパートに行こうと思ってさ!」
「未夢たちは?四人でどこか行くの?」
「デパートだって」
「ってことは未夢たちもこれからデパートに行くのね!」
「いや、私たちは・・・」
「それじゃ〜みんなでデパートにいこ〜〜!!」
ななみが大声で掛け声をかけた。
「あ・・・あのね・・・ななみちゃん。。。私と彷徨は・・・」
「れっつごー!!」
「未夢無理だ・・・。もう止められない・・・。」
「彷徨〜・・・」
私達のデートが〜・・・
そのあとは散々だった。6人でデパートに行き
各個人の用を全員で付き合うという
なんとも効率の悪いことをした。
せっかく二人の初めてのデートだというのに余計な邪魔が入ったと彷徨は拗ね。
未夢はあたふた困った表情を浮かべながらみんなに付き合っていた。
気づけば日も暮れだしていた。
「いや〜!時間かかったねぇ・・・」
としみじみ言うななみ。
「鳥のレコード無いんだもんなぁ・・・」
「これで次のお芝居の勉強ができるわ!」
とそれぞれ買い物の感想を言っている。
「望くんは何を買ったの?」
と未夢はたずねた。
「ぼくか〜い?ぼくはねぇ〜おかめちゃんの食事さ!あそこのデパートに置いてあるこの餌しか好まないんだよ〜」
「へぇ〜おかめちゃんの餌を買いにきたんだね。」
彷徨と光が丘に挟まれて歩きながら未夢はしゃべる。
彷徨は先ほどから一言も口をきいていない。
「おや?みゆっち!寒いのかい?外が暗くて気づかなかったけど唇が青いみたいだねぇ」
「えっ?そう?」
未夢は自分の唇に触れる
昼間は春の兆しも見え
暖かかったので未夢は薄手のコートしか羽織っていなかった。
「レディーは体を冷やしてはいけないよ!」
と光が丘は自分の首に巻いていたスカーフをほどき未夢の首にかけた。
「あ・・・ありがと・・・」
と望にかけられたスカーフを握り微笑む未夢。
その光景に
なんかいやな感じだな・・・。
光が丘のまいていたスカーフを未夢の首に巻くなんて
あいつに光が丘がふれているみただ・・・。
とさらに表情を曇らせている彷徨。
「お〜い!ファーストフードでお茶して帰ろうぜ〜」
と前から三太が叫んできた。
いいね。いいね。と綾、ななみ、光が丘は口をそろえて言う。
なんか、全然彷徨と二人でいられなかったな・・・。
よくドラマとかで、いつも会っているのに、集団で集まっても
恋人同士で抜け出すっていう展開よくあってなんでだろう?
と思ってたけど、なんとなくわかる気がするな・・・
ななみちゃん達には悪いけどみんなといても
彷徨といたい
二人でいたいって思っちゃう・・・
ファーストフード店に着き三太が口にした
「そういえば、彷徨たちは今日外に出た目的はなんだったんだ?」
後ろを振り向き未夢の後ろにいる彷徨に声をかける
依然、憮然とした表情のまま彷徨は未夢の首元に手を置く。
・・・・彷徨?
彷徨は未夢の首にかけた手を前にずらし
そのまま未夢に後ろから抱きつく形になり未夢を引き寄せる
未夢の肩口からのばした手を未夢の体の前でブラーンとし、
手には先ほど光が丘からかけられたスカーフを握っている。
突然の彷徨の行動にななみ、綾は顔を赤くし
三太と望は口をポカーンと開けている。
憮然とした表情をしていた彷徨が口を開く
「光が丘!これ返す。」
「う・・・うん・・・」
あっけに取られた望は彷徨からスカーフを受け取る。
「三太、俺の外に出た用事はなにか?って聞いたよな。」
「あぁ・・・」
「…未夢とデートだよ」
「えっ?!!!」
「ルウが帰ってからだ、みんなに宇宙船を見送ってもらったあとそういう関係になった」
「そう・・・・・・・か・・・・・」
「そうなんだ。まぁ、いつかはばれると思ったけどな。そうそう俺の注文だけど・・・」
「あ・・・・・あぁ!!何にする?」
「未夢のお持ち帰りで。」
「じゃあな!」
と突然の出来事で声の出ない未夢の肩を抱いたまま彷徨は店から出て行った。
「き・・・・きゃ―――――――!!西遠寺君と未夢ちゃんが///////////」
「全然気づかなかったね〜////」
「みゆっち〜・・・」
「あんな彷徨はじめて見た・・・・・」
それぞれが興奮状態で口々に言う。
やっと落ち着き
「で・・・でもさ・・・・」×4
「「「「クリスちゃんがいなくてほんとによかった〜・・・・・」」」」
と同時に四人は顔を見合わせつぶやいた。
店を出て行った二人は・・・・
いまだ突然のことで呆然としている未夢の肩を抱き家に向かう彷徨。
「//////////////////////か・・かなた〜!!」
「なんだよ・・・。寒いのか?」
「さ・・・寒くないわよ、か、なたの腕で/////」
「そうか・・・」
「なに?彷徨何か怒ってるの?」
「別に・・・・」
「怒ってるよ〜!!どうしたの?」
「・・・・・・」
「しかも・・・み・・・みんなの前であんな!!///////」
「・・・・・・」
どうしたの彷徨?・・・・
そのあと言葉を交わさず西遠寺に着き・・・・
同じ境内にある未夢の家の玄関前に着いた。
彷徨は未夢の肩に回した腕をほどき
未夢の左手に右手、未夢の右手に左手をつかみ指を絡ませる
お互い向き合い未夢は腕を拘束される
「彷徨・・・・・?」
何も言わず彷徨は未夢の
額
まぶた
頬
と唇を落としていく・・・
「えっ/////かなた?? むっ・・・・・んっ//////」
額から順に落としてきた唇で彷徨は未夢の唇をふさぐ
しっかりと握っている手から
未夢の体が小刻みに震えているのを感じながら
彷徨は未夢の中に進入していく
最初は戸惑っていた未夢も段々自分からも彷徨を求める・・・
お互いを感じていたくて、離れたくなくて・・・
それは長い永い儀式のようだった。
「///////////っはぁ・・・・・・・・・・・」
やっと唇を離しお互いの視線が絡み合う。
未夢ははじめての行為に目をトロンとさせて見つめる。
依然、彷徨は未夢の両手を強く握り締め、
それだけで、今にも腰の抜けそうな未夢の体を支えている。
「か・・・・・・かなた・・・・・・・ っひゃぁ!!」
見詰め合っていた視線をはずし彷徨の顔が目の前から消えた。
なにこれ?!頭の先がしびれる//////
溶けちゃいそう/////
消えたと思っていた彷徨の顔は未夢の首もとにあり、
未夢の首筋に唇を落としている。
未夢は彷徨の頭があるので少し上を見上げる形になり
彷徨はその首筋に浮いてきた筋に何度も唇を落とした。
「か・な・た・・・どうして・・・・///////」
そうして何度も唇を落としたあと彷徨は唇とつかんでいた手を離した。
体に力の入らない未夢は彷徨の方に倒れこんだ。
そんな未夢を彷徨は受けとめる。
「消毒完了。」
と、最後に未夢の手の甲に唇を落とした。
「な////////に」
「消毒だよ。」
と舌をだしていつものからかう表情をする。
「やっと、口きいてくれた////」
「あれはちょっと気に入らなかったから・・・」
「なにが?」
「他の男が未夢に触れることが・・・・さ・・・」
「////」
「ま、とり合えずあのメンバーには釘をさしておいたから大丈夫だろう」
「彷徨こんな人だったっけ?」
と彷徨の胸の中で未夢が肩を揺らして笑う。
「自分でもビックリしてるよ・・・」
首筋に早咲きの桜吹雪。
それに気づくのは・・・・・
END
BWG1616キリ番小説です、ヒッターはかほさん。テーマは『彷徨と未夢のラブラブバカップル』(笑)でした!
書いてて困ったのがバカップルがわからなくなってしまった事です。
ちゃんとバカップりは発揮されていたでしょうか?
甘い小説書きますねといわれてこの方3週間(笑)本人意識せずに書いてきましたが!
今回初めて意識してラブラブ(しかもバカが付くほどの)を書きました。
ご期待にこたえられたでしょうかねぇ…。
ちょっと不安ですがこちらの作品をかほさんにささげます。1616踏んでくださり
また、報告してくださってありがとうございました〜
2003/4/4
注)この作品は2007/2/20をもって閉鎖しました「Blue White Green」のキリリク作品として投稿させていただいております。
2007/2/17 あゆみ