作:あゆみ
「どうしよう・・・」
「まいったな////」
寝巻きと布団
「ほんとにごめんね。パパとママのせいでこんなことになっちゃって・・・」
「いや///気にするなって。だんだんなれてきたよ・・・。」
「まったくパパもママも何考えてるのかわからないよ。こんな・・・・・山奥に二人っきり/////」
未夢は言っている途中で、言っている意味を考えて顔を赤くしてしまう。
その様子に気づいた彷徨は、
「まぁさ・・・・・とりあえず片付けて中に入ろうぜ。昼間は暖かかったけど、山の中だ。冷えてきた」
「うん・・・・」
私が意識しすぎているのかな?
彷徨はいつもどおりみたいだ・・・
そうだよね、彷徨に限ってそんなこと・・・
でも考えちゃうよ〜!!
未夢のやつ意識してるな・・・・
まぁ確かに突然の出来事で、さっきは///なこと考えちまったけど
ここで、未夢を怖がらせて傷つけたくない・・・
いつも通りに振舞うのが一番だな・・・
夕食のバーベキューのあと片付けも終わり
ロッジに戻った二人。
部屋は二部屋しかなく。当初、優と彷徨。
未夢と未来で、使用するはずだった。
山の奥、ロッジに二人きり・・・・
しかも恋人同士である。
二人の間は緊張の空気が流れていた。
意を決して未夢が言葉を発した。
「ねぇ!彷徨!夕食も済んだしどうする?」
「そうだなぁ〜・・・こんな山奥じゃあテレビもないし、俺も本持ってきてないや。」
「そっか〜二人で時間を過ごすって言ったら・・・・・」
「おまっ!/////何言って!!」
「えっ?!/////////////やだ!違うわよ!そういう意味じゃなくて!!彷徨のエッチ!!」
バタバタ・・・・
未夢は脱衣所の方へ行ってしまった。
俺////何言ってんだ////
未夢を怖がらせないって思ったのに
何口走って・・・・・・・
あぁ〜自己嫌悪・・・・・・・・・・・・・・
やだ!やだ!彷徨ったら!!
私も過剰に反応しすぎちゃったかな/////
だって・・だって・・・だって・・・・・・
未夢のやつ怒っちまったかな・・・
あやまるか・・・
と彷徨は未夢の向かった脱衣所の方へ行った。
「未夢・・・さっきは・・・」
ん?
脱衣所からバスタオルで髪を拭きながら歩いてくるパジャマ姿の未夢が歩いてきた。
「風呂・・・入ってたのか・・・」
「うん。バーベキューで匂いが付いちゃったから。彷徨も入ってくる?」
その後、彷徨もシャワーを浴び、
ロッジの一室にいた。
「う〜ん。テレビもないとつまらないね。」
「そうだな。」
彷徨は、先ほどのことを気にしていない未夢にほっとした。
こいつの、こういうところにいつも助けられるな・・・
「こういうところにルウ君達を連れてきたかったな。」
両手でカップを持ち未夢は熱い紅茶を冷ましながら言った。
「はしゃいだだろうな。特にワンニャーなんか・・・」
「そうだね」
ルウとワンニャーがいたときを思い出し、二人はカップの紅茶をすすりながら
思い出話にふけった・・・・・
彷徨は腰を上げて言う。
「さて・・・そろそろ寝るか。」
「///////えっ!寝る!!?」
「あぁ。だってもう夜だしな。」
「そ///そうだね。」
相変わらずの未夢の過剰反応に彷徨はいじめたくなる衝動に駆られた。
「なに?一緒に寝たい?」
「一緒に??////」
「さっきから未夢意識してるだろ。」
「な///なに言って!!」
「必死に考えないようにしてるだろ」
彷徨はニヤっと笑いながら未夢の顔を見る。
「だ・・・だってこんな・・・突然・・・」
未夢はパジャマのすそを持ち下を俯いてしまった。
その体は小刻みに震えている。
そんな・・・怖がるなよ・・・・
大丈夫だから・・・・
彷徨は未夢の方に歩み寄り抱きしめた
「・・・なにもしねーよ!」
「・・・・えっ?!」
「今は何もしない!」
「・・・そ・・・そうなの?・・・」
「待つから・・・」
「えっ?」
「未夢が大丈夫だって思えるときまで、俺は待つから・・・」
「彷徨・・・」
「でも、まぁそんな気長には待てないと思うけど」
彷徨は舌を出しながらつぶやく。
「////」
「今日は安心して、寝ろよ。俺は向こうに行くから・・・」
彷徨は未夢から体を離して後ろを向き、隣の部屋に歩き出す。
ほっとしたような・・・
残念なような・・・
この気持ちはなんだろ
安心と残念な気持ちが入り混じって・・・
ごめんね彷徨。
今の私には・・・・
でもいつか。
大丈夫だと思える自分に早くなりたい。
あ――あ・・・なにやってんだ俺は・・・
でも、未夢に怖がられるより、
嫌われるよりましか・・・
今はこの気持ち抑えて、
未夢を待つことが大切だな。
まだ時間はある。
俺たちは始まったばかりなんだから。
隣の部屋で床についた彷徨。
別々の部屋だとしても、好きな子が隣の部屋にいると思うと落ち着かない。
何度寝返りをうった事だろう・・・
と、部屋のドアが開いた気配がした。
何だろう、と彷徨は気配を読む。
「彷徨・・・?寝ちゃった?」
未夢の小さな声が聞こえた。
未夢?
なんだ?こんな時間に・・・
「未夢?どうした?」
彷徨はドアの方に体をむけ寝返りをうつ。
「起き上がらないでね///恥ずかしいから。」
「は?」
部屋は暗く、未夢が何処にいるか彷徨にはわからない。
未夢の歩く音だけ聞こえるが場所は把握できない。
すると彷徨はそばに人の気配を感じた。
毛布が持ちあがり彷徨の体に外の空気が触れる。
なんだ??
!!!!!!!!!!
毛布が再び彷徨の体に密着したのと同時に何かが布団の中に入ってきたことが分かった。
「へへ!!////」
「未夢!!!」
「一緒に寝よ!!」
「あのなぁ・・・・」
さっき俺が言った意味分かってんのか、こいつ・・・
「彷徨が布団に入ってたからあったかいねぇ////」
無邪気に布団の中で喜んでいる未夢
「あのな未夢・・・おまえこんなことして俺が・・・・」
スー――――――――・・・・・・・・・
「未夢?」
寝てやがる・・・
未夢の小さな寝息を聞いて
彷徨はあきれ、微笑んだ。
しょうがねぇなこいつは・・・
彷徨は振り回されている自分が悔しいのか
明日の朝未夢を困らせようと思いつき、
未夢の頭を軽く持ち上げ自分の腕を通す。
より密着した体
パジャマ越しだが未夢のぬくもりを感じ
彷徨は未夢の前髪をもう片方の手でなでる。
額に自分の唇を落とし、
未夢の寝顔を眺める。
長いまつげ
あまい香
小さな唇
この体勢。
明日起きたこいつはどんな反応をするだろう。
このくらいのイジワルはいいよな。
さて俺も眠るとするか・・・
今日は本当に疲れた。
お休み未夢・・・・・。
くそ!!
ねむれねぇ・・・・・・
END