あまい。

作:町丘桃矢


ホワイトデーにいただいたものをアップしました☆(山稜)



「マジ、ごめん。」

手を合わせてあやまるのは彷徨。

そう、とあることで未夢を怒らせてしまったのだった。

とあること、と言うのは「彷徨が未夢のプリンを食べてしまった。」ということで。


傍からみると、ただの痴話喧嘩にしか見えないような理由なんだけど。

本人達にとっては結構本気で。

・・・まあ、彷徨は今回のことは非があると思っているので、マジ謝りなのだが。



「ごめん、未夢・・・未夢さん、許してください。」

彷徨が言っても未夢は振り向かない。

背中越しにも怒りのオーラがわかるくらいだ。

彷徨は少し考えたけど、いい考えも思いつかなかったので。

「なあ、未夢、何でもするから許してくれよ。」

そう、言ってみた。

すると、少しずつ怒りのオーラが小さくなってきた。

「頼む。許してください。」

そう言うと彷徨は未夢を後ろから抱きしめる。


「ちょっ!ちょっとっ、彷徨っ!」

抱きつかれた未夢は恥ずかしくて頬を赤く染めて後ろを向く。

でも、後ろには彷徨の端正な顔があって。目が合って。

恥ずかしさが増長しただけで。

結局、前を向いてしまう。

「何でもするから・・・何がいいんだ、未夢。」

耳そばから聞こえる彷徨の声はダイレクトに体中に響き渡って。

骨と一緒に心まで震える感じ。

「な、何でもいいっていっても・・・」

「教えてくれるまで離れないからな。」

・・・なんだかんだ言っても結局彷徨のペースに巻き込まれているなぁ。と、感じた未夢。

不意に、未夢の頭にひとつ浮かんだ。

「・・・じゃあ、今度、ホワイトデーの時にプリン作ってよ。」

未夢のこのお願いに、彷徨は目が点になる。

「・・・オレが作んの?」

「だってっ!・・・悔しいけど、彷徨のプリン、私のよりおいしいし。。。」

最後の方になると声が小さくなっていって。

それを聞いて、なんだか複雑になる彷徨。

でも、それで機嫌が直るならお安い御用で。

「・・・わかった、ホワイトデーに作るんだな。・・・お味にリクエストなんかあれ
ば。」

「・・・じゃあ、あまいのがいい!」

声の感じがいつもの調子に戻って、ちょっとほっとした彷徨。

「わかった。とびきり甘いのな。」

言ってから、彷徨は思いついた。

「・・・なあ、未夢。」

「ん、なあに?」

抱きつかれておとなしくしている未夢。

「あんまり、甘いのだと、身体にもいいことないだろ?」

「なんでよ?」

「ほら、太ったりとか、糖尿病になったりとか。」

なるほどと思いながら、何でこんな話をしてくるのか頭をひねる未夢。

「ま、まあ、そうだけど。」

「だから、プリンよりも他のものを甘くしないか。」

他のもの?と考える未夢。

でも、とっさに答えてしまう。

「うん。」


うん、と言った瞬間、後ろから彷徨が顔だけ前に持っていって、キスをする。

「・・・ん・・・ふっ・・・」

でも、それは結構深くて。

抱きしめられている彷徨の腕を掴むけれど。

深いキスが止むことは無くて。

だんだん頭が熱でうかれてくる。

それから少しして、やっと、キスが止んで。

彷徨の方に向かされた未夢に一言。

「ほら、こっちの方が甘いだろ。」

そういって、彷徨は未夢を抱き上げて自分の部屋に向かっていった。




<言い訳>

差し上げるものなのに、こんなにヘンなものでごめんなさい。(汗)

なんだか、オチが無くて。。。

山稜しゃんのものと比べると・・・(涙)

・・・じ、人生前向きにがんばりますっ!

言い訳すらおかしいですね。。。

たいしたものじゃないですけど、お受け取りくださいませませ。

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とおっしゃってますが、なにがなにが、ホワイトデーにぴったりのあま〜いお話で♪ありがとうでした(^^)/
(山稜)



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