作:ロッカラビット
「なんだ〜?それ。」
「へへーん、この子はねぇ商店街のくじ引きで当たったモモンランド記念グッズなのさ〜。すごいでしょー。限定品でモモンがクマのきぐるみ着てるんだよぉ。可愛いでしょー。当たる時は当たるんだねぇ。」
自慢気な未夢に、大げさに呆れたポーズをする彷徨。
「そんなぬいぐるみより、まだ5等のカボチャ3個の方が役に立つと思うけどな。」
「な?なんですとー。せっかく当たって嬉しい気分に浸ってるのに〜彷徨のいじわる!いいもんねー、このクマモモンは私の物だから〜、彷徨にはこの可愛さはわかんないのよ。ねークマモモン。」
ぬいぐるみに話しかける未夢に、ますます呆れる彷徨。
「はいはい、わかったよ。俺はこれから本読むから、未夢さんはクマモモンさんと静かに遊んでてくださいな。」
「フン。言われなくても静かにしてますよーだ。」
彷徨は柱にもたれて小説を読み始め、未夢はぬいぐるみを机に置き自分も机に突っ伏すと、ぬいぐるみをしげしげと眺めた。
しばらくすると未夢の規則正しい寝息が聞こえてきた。
彷徨はそれに気が付くとフッと微笑み、部屋から羽織るものを持ってきてそっと未夢にかけてやった。
そして未夢の寝顔の傍にあるぬいぐるみを持ち上げて、対面した。
「少しくらい未夢の笑顔を分けてやってもいいが、この寝顔は譲れねぇな。」
ぬいぐるみに向かって呟くと、そっと未夢の傍からぬいぐるみを遠ざけた。
そして眠る未夢の頬にそっとくちづけし、また小説の世界に戻って行った。
ボクで遊んで喜ぶ未夢と、ボクに嫉妬する彷徨。どちらもまだまだお子ちゃまなんだなぁ。
でもなんだか温かくて優しい気持ちになれる家にもらわれて良かったな。
未夢の寝息を背後に感じながら、ぬいぐるみが心なしか優しく微笑んでいた。
短編アップ!!
おかしいなぁ…長編に取り組んでいる筈が、何故か短編ばかり浮かんでしまう(汗)
実際にぬいぐるみが微笑んだらホラーになっちゃうんですけどね…私は怖がりなので…。
ちなみに此処での設定は、ルゥくんもワンニャーもまだ西園寺に居て未夢と彷徨は付き合ってもいなければ、心が通じ合ってもいないと思って書いてます。それじゃぁ彷徨、勝手に何やってんのよ!!って話になっちゃいますが…男の子ですからねぇ(笑)
それより、クマモモンって何だよ(笑)まぁまぁ、お気になさらず〜(汗)
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