ユメ

作:




内容は覚えていない。
怖い夢、…だったんだと思う。



居間でうとうととしていたら、いつの間にか深く眠っていたらしい

ふと、頭が覚醒した瞬間
言い知れぬ恐怖に襲われ、助けを求めたけれど

気持ち悪いほどにはっきりとしている指の感覚が爪で畳を引っ掻いているだけで
実際にその摩擦は音になっていなかった

頭のてっぺんから足の先まで起きているのに、動かしているはずの腕は1ミリも動いていない
瞼を上げることも出来ない

傍らでルゥの寝息が聴こえるのに、自分は無音

もがきながら疑問に思い、ようやく気付いた息苦しさ


息ができない





―――たすけて!


「――――  ?」

名前を呼ばれて、片手に包まれた感覚

そのぬくもりが緊張を解いた瞬間に、自分の脈が耳に戻ってきた
石のように固まっていた身体が、空気を循環させるのを感じる



大丈夫かと問われた

手が震えている、と

全身で呼吸をするだけで、返事が出来ない

ようやく意識と筋肉の動きが合致して
ぎゅっと包まれた手を握り返す

すがるように、もう片方の手も伸ばした




薄く目を開き、こちらを覗く優しい瞳を見つける

安堵して、また目を閉じて、静まっていく鼓動と恐怖を聴いていた




「大丈夫ですかぁ?」

ワンニャーが水の入ったグラスを差し出した

「うたた寝は気持ち良〜く寝れるときと、ものすご〜〜〜く夢見が悪いときがありますよねぇ〜。
 特に畳は心地いいのですが、この硬さのせいでしょうか、わたくしも時々うなされることが…」

力説を始めたワンニャーに、ふたりで顔を見合わせて笑い
繋いだ手に気付いて、距離をとる



どんな夢だったのかは覚えていないけど、とにかく怖かったはず。
だけどもう、怖くない。



こんばんは。…いや、おはようございます?
ただいま、朝方4時すぎです。
スマホからなので上手く投稿出来てなかったらごめんなさい。
そして、またしても短編でスミマセンm(__)m
つい2時間ほど前の実体験です。
みなしゃんは、未夢ちゃんか彷徨くん、どちらで読みましたか?(*^^*)
ぜひお聞かせください。
では、私はもう一眠り…おやすみなさ〜い♪



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