作:kuma
拗ねちゃった未夢ちゃん
夏の午後
俺と未夢は喧嘩をした。
喧嘩といってもほんの些細なことで未夢が拗ねてしまった。
こんな日に未来さんが来た時を思いだす。
「未夢は寂しがりやなのよ。私達のせいかもしれないけれど、人にあんまり甘えないのよ。」
「彷徨くんはわかってる。彷徨くんにしか未夢は甘えないから。」
「だから、未夢を幸せにしてね。できるのは彷徨くんだけだから。」
その日の未来さんは真剣な母親の目だった。
「もし未夢を泣かせたら私、未夢とかけおちしちゃうんだから」
そう言ったあとイタズラっぽく笑って
「彷徨くんはそんなことはないと信じているから…未夢をよろしくね。」
今、未夢は隣の部屋で寝ている。
寝ているといってもふて寝だ。さっきから足を時々バタバタやっているのが見えるからだ。
俺は気づかれないようにそっと未夢に近づいた。
「未夢…」
耳元で呟いた。
「きゃっ」
未夢は顔を真っ赤にして
起きあがった。
未夢は昔から耳が弱い。
なにも言わないで、そっぽを向いた。
そうとう拗ねているようだ。
「未夢…ごめん…」
腰に手を回し
俺の方に体を向けさせる。
そして片手で未夢の頬に手をあてた。
「好きだ。」
未夢の目から涙が零れ落ちた。
「彷徨のばかっ!ばかっ寂しかったんだから!」
未夢は俺の胸に顔をうずめて、ぽかぽかと弱い力で俺の胸板を叩いた。
その後、わんわん泣いた。
「ごめんな…未夢。」
未夢の髪をそっと撫でた。
さらっとして綺麗な髪。
本当にお姫様みたいだ。
未夢は泣き疲れて寝てしまった。
「ん…かな…た…?」
「おはよ。未夢」
未夢はまた顔が真っ赤に染まっていった。
「なん…で…とな…りに!?」
未夢にキスをするのに5センチもない。
俺は未夢の為に一組布団をしいて未夢を寝かせ、俺は未夢の隣で寝たからだ。
俺は未夢にさっとキスをした。
未夢は顔を隠そうと小さくまるくなって
「ばか」
と小さく呟いた。
俺はそんな可愛い未夢に笑ってしまった。
未夢が怒ろうと顔を上げたので俺は笑うのを止めて言った。
「今から一緒に寝ようか。」
未夢は軽く俺のほっぺたにパンチしたあと
「彷徨のばか」
っと照れながら小さい声でいった。
今日は未夢を幸せにできそうだ。
初小説です;
みゆちゃんと彷徨のラブラブだいすきです!
よろしくお願いします!