な泣きそ、な泣きそ。

作:中井真里



「これ・・・すごく可愛い」
「・・・それか。母さんが昔、少し大きめの石を拾ってきて作ったみたいだ」
「彷徨のお母さん、すごく器用だったんだね。
顔も可愛いけど着物に使われてる千代紙も素敵」
「それ、気に入ったんだったらやるよ」
「・・・大切なものじゃないの?」
「男がお雛様なんて持ってても仕方ないだろ」
「・・・でも・・・」
「お前にならいいよ」



「彷徨、ありがとう。大切にする」



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