Smile on me

作:中井真里





「ねえ、知世ちゃん。このイラストって小狼くんだよねえ?」




土曜日の午後。知世の家。
さくらはふと知世のパソコンを眺めているうちに、
どこかで見たようなイラストに行き着いた。




「ふふ、さすがですわね。これはちょっとした実験作ですわ。
最近CG絵に凝ってしまって、いろいろ模索中ですの」




「実験?これが?はう〜さすが知世ちゃん。
そ・・・そのすっごく素敵に描けてるよ」


さくらは小狼の笑顔に胸をドキドキさせながら
何とか言葉を繋げる。




「さくらちゃんにそう言って頂けて嬉しいですわ。
これは李小狼ビジュアル化計画の一端をになっておりますの。
そして、そんな彼を見守りつつ同棲するさくらちゃん・・・。
衣装はどうしましょう?ああぁ、幸せです〜」




すっかり妄想の世界に入ってしまった彼女を
さくらの力といえど止めることは出来ない。




「申し訳ありません。わたくし、すっかり引き留めてしまいましたわ。
李くんとお約束があるのでしょう?」

すっかり正気に戻った知世は思いだしたように言う。




「う・・・うん」

さくらの顔はかああぁっと赤くなる。




「それではお時間に遅れないうちに、いってらっしゃい」
そう言って天使のような笑顔を浮かべる。




「で・・・でもこの格好じゃぁ・・・その、恥ずかしいなって」
今回の知世お手製の服はいつもと違っていた。
さくらの形をしたイヤリングに少し派手だけでど
可愛らしい印象も残るTシャツに
これまた派手なデザインのスカート。




「とっても良くお似合いですわよ。 それからこちらのミュールも履いてらして」


夏らしい、透明なデザインのミュール。
あしらわれているさくらの花が
白く、細いさくらの足を見事に演出している。




「それじゃあ、行ってくるね」
「いってらっしゃい」




(おほほほほ、これで小狼×さくらのビジュアル化が順調に計画進行中ですわ・・・ほぉう)


小狼とさくらが計画通りの装いでデートを楽しんでいる姿を思い浮かべ、
深いため息をつく知世であった。





THE END





小狼×さくら+知世。
知世に翻弄される小狼とさくらが好きです♪
拍手にて公開していました。






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