大切なページ

作:中井真里




-謹賀新年



未夢と彷徨はお手製の年越しそばを食べながら
除夜の鐘の音を聞いた。



「ねえ。これ食べたらさ、初詣いかない?」
「いいな」



そう言って、未夢は可愛らしい傘を取りだした。
花柄で、ピンクのいかにも未夢が好きそうな色。




「これ・・・さすのか?」
「うん」




未夢は平然とした顔でそう言った。




(///これじゃぁ、まるで相合い傘みたいじゃないか・・・)




「彷徨?」
「あ・・・いや、何でもない」




(///か・・・勘弁してくれよ)




やっぱりこういうことには慣れない。
彷徨は心の中で、改めてそう思うのだった。






◆◇◆






ふたりは結局、未夢の可愛らしい傘を差しながら歩いていた。
雪がぽつりぽつりを降り始める。




「うわぁ・・・雪だ。綺麗」
「そうだな」



(ちょっと、恥ずかしいけど、こいつとならいいって
何時の頃からか、そう思うようになったんだよな・・・)



彷徨はちらりと未夢の顔を覗き込む。
白い雪が彼女の綺麗な肌を一層引き立てていた。




(お・・・俺・・・・何考えてんだ)



「彷徨?いかないの?」
「お・・・おう」






◆◇◆






-カランカラン



お賽銭を入れて、手を合わせる。


ふたりだけの初詣


毎年繰り返してきたけど、今年は特別。


願いは、たったひとつだけ。




『大切な人といつまでも一緒にいられますように』




「お前は、何お願いしたんだ?」
「彷徨とおんなじ」
「////」




(やっぱり、何げに見透かされてるな、俺)



「ば〜か」



照れ隠しにそんな事を言ってみる。
だけど、頬が紅いのは隠しようが無くて。



「えへへ」



こういうとき、どうしようもなく幸せだなって思う。


かなしいときも、淋しいときも、嬉しいときも


いろんなときを一緒に過ごしていきたい


新しい年が過ぎるたびに、そんな気持ちでいっぱいになる。





「ほら、行くぞ」
「うん」




ふたりの手は自然と繋がれていた。





-今年もよろしくな
-うん




新しい一年が、これから始まる。

ふたりの新しい一ページがここに・・・・。






THE END














◇◆◇


というわけで、小ネタ失礼しました(笑)。
本編終わってないのにすみません。
思いついたのでアップしちゃった。
4話は明日中に終わらせる予定なので
よろしくお願い致します(ぺこり)。


イメージとしては、同棲し始めたふたりが
初めて迎えた年末年始かな?ふふ
こちらをネタに便乗させて頂いた
ちーこしゃんに捧げちゃいます(笑)。


皆しゃん、あけましておめでとうございます。
今年もよろすぃくです(ぺこり)。



'04 1.1 流那



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