かまいたち

*事件への扉*

作:梨音

←(b)


「・・・」

トコ トコ トコ

「・・・・・・」

トコ トコ トコ

「・・・・・・・・・」

トコ トコ トコ

「・・・だ・・誰・・・?」

少女が後ろを振り向く。それと一緒に長い髪が揺れる。少女が振り向き見たものは、暗闇の中月明かりに反射して不吉に輝くナイフを持った人だった。

「キャ―――――・・・ッ!!」

少女は前へと倒れた。すると後ろの人物の姿が月明かりの元、映し出された。その人物は口が張り裂けそうなほどの笑みを浮かべていた。

そしてこの少女の叫び声が事件の始まりとなった―・・・。






「『少女連続通り魔事件』か〜」

未夢は新聞の見出しを見ると呟いた。

「?未夢さん、何ですかそれは」

「確か最近ここら辺で起きている事件だろ」

「うん。何か女子中学生の女の子が夜、一人で歩いていると後ろから殴られたんだって。今回で二人目なんだけど・・・。犯人は『かまいたち』って呼ばれていて、まだ捕まってないんだって・・・。怖いねぇ〜ルゥくん、ペポ」

「きゃ〜い」

「ぺぽ〜」

「『かまいたち』ねぇ〜・・・」


一方その頃・・・


「へぇ、ここが事件の起きている町か・・・」

「なかなか平和そうですけど・・・」

「でも・・・、ここら辺に潜んでいるんだよな」

「ええ。女子中学生だけを狙う卑劣な犯罪者、『かまいたち』がね」



「本当に怖いですわよね〜・・・『かまいたち』」

「そうだよね〜、怖いよね〜」

今は下校中の時間。左から順に綾・七海・クリス・未夢・彷徨・三太・望と並んでいる。未夢達は最近起きている事件のことを話しながら歩いていた。すると未夢達の前に、見知らぬ人達が立っていた。



「どうするんだ緋色、俺達にとってまだ手がかりが少なすぎる」

「ここら辺に住んでいる人達に聞けば何かわかると思うけど」

「香佑、まだ私達はこの町に来たばっかなのよ。警察じゃあるまいし、怪しまれてしまいますわよ」

「椿の言うとおりだよね。・・・だけどこのまま何もしないって訳にはいかないし・・・」



「何か怪しくありませんか?あの方達・・・」

「見たこと無い人たちだよね・・・?」

「・・・俺ちょっとあいつらに話しかけてみる」

「えっ、ちょっ、彷徨!」

彷徨は見知らぬ4人の人達に向かって歩く。



「あの。あなたたち、ここら辺の人では無いですよね」

「「「「!」」」」

四人はいきなり話し掛けられて驚いている様子だ。

「キミ・・・、この辺に住んでるの?」

4人の内の一人で、リーダー格らしき少女が尋ねる。

「ええ、そうですが・・・。あなた達は一体ここで何してるんですか」

「う〜ん・・・。・・・簡単に言えば、今ここら辺で起きている『少女連続通り魔事件』の調査と『かまいたち』の逮捕を【ある人】に頼まれて来た・・・かな」

(緋色、町の人にそんなに喋って大丈夫なのか・・・?)

(大丈夫でしょ。このコ信用できそうだし♪)

(・・・・・・)

黒い髪の少年が少女、緋色の言葉に頭を抱えている。

「・・・その話、もう少し詳しく話してくれますか」

彷徨の問いかけに、

「ええ、いいわよ♪」

緋色は笑顔で答えた。



所変わって公園、緋色達が町に来た目的を未夢達に話し始めた。
4人で探偵団をやっており、今までにも色々事件を解決していること。
自分達はある人―本庁にいる刑事―に頼まれてきたこと。
さっきは調査に行き詰っていて困っていたこと。
事件のことに関して害を与えることはしないということ。・・・
「・・・というわけです」

ある程度緋色達が話し終える。緋色達の説明が終わって沈黙がしばらく続いた。すると突然未夢が口を開いた。

「・・・私達に協力できることはない?」

「え・・・?」

「だって皆で協力すれば早く犯人が捕まえられるかもしれないじゃん!」

「そうですわねっ、未夢ちゃん」

「それに犯人探しなんてなかなかできるもんじゃないしなっ」

「まぁ、そういうと思ってたけどな」

「いいんですか・・・?」

「「「「「「「もちろんっ!」」」」」」」

「・・・ありがとうございます」



「では自己紹介をしますね」

すると金色の腰まで伸びた長い髪と緋色の瞳が特徴的な少女が前に出た。

「『ヒミツ探偵団』リーダーの夢野緋色です」

次に黒い髪と瞳の眼鏡をかけた少年が話す。

「俺は副リーダーの木口実だ」

肩まで伸びたウェーブのかかったピンクの髪の少女が口を開く。

「私は未白椿ですわ」

灰色の瞳の少年が喋る。

「俺は木村香佑。よろしくな」

緋色達の紹介が終わると未夢達も紹介しだす。お互いに紹介が終わると皆で一斉に目を合わせると・・・

「「「「「「「「「「「よろしくね(な)っ!!!」」」」」」」」」」」



そんな様子を電柱から見ている人影・・・。人影はフッと笑うと、そこから立ち去った・・・。





―・・・事件の扉は今、開かれた・・・―

続く


三ヶ月近くもサボってすいませんでした!これからものろのろと書いていくと思いますが、見

捨てないで読んでくださると嬉しいです!

←(b)


[戻る(r)]