恋に恋して

作:朴 ひとみ


                     あなたの瞳には

                     私は映っていない



         だって


                                       あなたは  



                    恋に恋したのだから




いつもの帰り道。
たわいもない話をして、笑いあって。

「・・・ねぇ。」
「?」

彷徨が首を傾げながら見てくる。
まだ---まだ、気づいてはいない。いや、気づいてないフリをしているだけかもしれないけど。


「彷徨はさ・・・私のこと、好きなの?」
「・・・え?」


顔を赤らめる。
彷徨からの返事はYES。まあ、そう答えるよね、普通は。


「・・・嘘だよ。」
「・・・は?」

「彷徨は、私なんて見てない。ただ、恋がしたいだけ。」



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