おとぎ話

作:朴 ひとみ


これは、悲しい悲しい

一生続く運命のおとぎ話・・・





小さい時に呪いをかけられたの。


「お前は永遠に生き続ける。」と。




いいじゃない・・・って?

馬鹿じゃないの?





ママを死ぬところを見た。




パパが死ぬところを見た。





どっちも、「ごめんね、未夢。」と言いながら死んでいった。

二人は、何にも悪くないのに。










死にたい。








これが、私の願いなの。







だって、大切な人がもういないんだもの。

大切な人が死ぬところなんて、もう見たくないんだもの。



でも、死ねない。












あれから何百年経っただろうか。






ひょんなことで、彷徨と知り合った。

数百年生きた中で、多分最も素敵な子。
私の呪いのことを話しても「可哀想に」って言ってくれた。




---そして、戦争が始まった。


最初は、馬鹿なことを、しか思わなかった。
何百年も、何千年も生きていればそう思わざるをえないでしょ?
自分のことを傍観者、と思ってた。
加わって死んでも、怯えて死んでもどうせ生きなければならないのだから。


でも、今回は別だった。
彷徨が、軍医としていかなければならなかったのだから。


「お願い・・・いかないで・・・!」
「・・・絶対、戻ってくるから。」



いってしまった彷徨の背中を思い出して、ずっと泣いているだけだった。









・・・そして、とある噂が流れ込む。

『戦地で軍医が死に、政府は腕のいい医者を探しているらしい。』

軍医なんて何人もいっているのに。
私は、彷徨のことだとばかり思っていた。



---私が戦地へいったのは



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