ココロノキョリ

作:朴 ひとみ


この小説は、水上うららしゃんとの合作小説です!







-----------私は貴方を愛してもいいんですか?



「ココロノキョリ」



いつもの朝、いつもの学校、いつものお昼。
未夢がゴミ出しして、廊下を歩いていると空き教室からヒソヒソ声が聞こえた。

人間、聞く気がなくても偶然その近くにいたらついつい聞いてしまうものである。

「・・・・・・・?」

未夢は、ドアの少し開いてるところから、そぉっと見た。

そこには、他クラスの女子が3名。

「っく・・・・・ひっく・・・・・・・」
「大丈夫だよ、泣かないで」

どうやら、誰かが泣いているらしい。

「西遠寺君には、光月さんがいるんだし・・・・・。」

中にいる女の子の1人が、彷徨に振られたらしい。
未夢はごめんね、と心の中で謝りながら見ていた。

すると、もう一人の女子が声を荒げながら言った。

「全く・・・・・。西遠寺君も、光月さんのどこが良いのかしらね・・・・・。」


その言葉に、未夢の心には重石が乗ってきた感じになった。

「あんな子、きっと西遠寺君が同情して付き合ってあげてるのよ。」


その言葉を聞いた瞬間、未夢はいてもいられなくなり、自分の教室へと戻っていった。





「おい、未夢!」
彷徨がいた。
「・・・彷徨?」
「今日一緒に帰ろうって言ったの、お前だろ?」
「あ・・・うん。そうだね・・・。ちょっと待ってて!鞄とってくるから。」


こうして、彷徨と一緒に帰ることになったが、心の中は不安と恐怖でいっぱいだった。



「・・・・んでさー。俺の夢の中で、三太ったらはだしで魚くわえたどら猫おいかけてんの!笑えるよな!」
「うん・・・。そうだね・・・。」
未夢は顔を下にうつむけながらぼそっと言った。

「・・・未夢?」
「えっ!?」
彷徨がいきなり顔を覗き込んできた。
「な・・・何?」
「未夢、全然俺の話聞いてなかっただろ!!」
「あっ・・・・・ごめん・・・・」

すると、彷徨が不安そうな目で未夢をみた。

「本当に大丈夫か?なんか悩み事でもあるんならはなしてみろよ。」

そう聞いて、未夢は話す決意をした。

「彷徨・・・別れよう。」

「・・・・・・・は?」

意味がよく分からなかったらしい。聞き返してきた。

「何?」

「だから・・・・別れよう。」
「ちょっとまて!いきなり別れようなんて・・・・・」
彷徨が怒って言い返した。
「彷徨には、もっと素敵な人が似合うから・・・。じゃあね。」
未夢は駆け出した。
しかし、彷徨が未夢の手を掴んだ。
「待て!」
「いや!彷徨なんか大っ嫌い!!」




------------------とうとう言ってしまった。



これで、元の関係には戻れないと思った。




彷徨が言った。



「俺は・・・・・未夢のこと・・・・大好きだよ・・・・・・」




「へ?」



想像していた言葉とは、はるかに違った。




「俺は大好きだっていってんの!ホラ、帰るぞ!」

彷徨は歩いていった。
未夢は追いかける。

「ちょ、ちょっと待って!それって本当に!?」
「・・・・そーだよ。」
「付き合っててもいいの?」
「当たり前だろ!?」
その言葉を聞くと、未夢は微笑んだ。
「そっかぁ・・・・・。」
未夢は、心の距離が近づいた、と思った。






いつもと違う帰り道。
夕焼けが、一組の初々しいカップルを優しい光で包んだ。



end












水上うららしゃんとの合作です!
おつかれ様でしたー。

これが、朴の(合作ですが)初めての、だぁ!の小説となります!
うららしゃん、ごめんね・・・・。原文見せた時、間違いがいっぱいで(笑)

なんとか形にできて、とてもうれしいです!
万が一、誤字脱字があったらweb拍手などで・・・・・。




[戻る(r)]