作:朴 ひとみ
もう、誰かなんとかしてや・・・
秋。
新学期が始まった氷帝学園。
しかし、テニス部にはすぐに部活動があった・・・
「ったく・・・!なんでこんな新学期始まってからすぐに部活があんだよ!!」
そう怒ったのは向日岳人だった。
「まぁ、しゃあないやん。それが跡部景吾や。」
そう岳人をなだめながらため息交じりに言ったのが忍足侑士。
どちらも、氷帝学園テニス部の正レギュラーである。
「っち!まぁ、仕方がないか・・・」
向日が乱暴に部室のドアを開ける。
そこには、もう着替えている正レギュラー陣が。
「遅い。何やってたんだ、アーン?」
「うるさいわボケ。こっちの担任が長々と喋ってたんや。」
この偉そうな少年。こいつがテニス部長、跡部景吾である。
「俺様は待ち疲れたぞ。なぁ、樺地。」
「ウス。」
後ろにいる樺地崇弘が答える。
「さぁ、早く着替えろ。今日のお前の対戦相手は俺様だ。」
そう言うと、芥川滋郎が横から出てくる。
「ねぇー、跡部も飲み物いる?もう皆飲んでるC−。」
見てみると着替えている忍足と、今話しかけられている跡部以外、皆飲み物を持っている。
「あぁ?なんだ、これ。」
「青学の乾からもらったんだよー。やっさC−!!」
跡部はそれを受け取ると、一気にゴクッと飲んだ。
それと同時に、忍足以外の皆も一気飲みする。
「ジロー、俺にも・・・」
着替え終わった滋郎に、忍足は話しかける。
しかし、滋郎の反応は予想外だった。
「・・・・・・・・ジロー・・・・・・・・・?」
忍足が背中に冷や汗をかきながら聞く。
「なぁに?忍足ー。」
「なんで・・・俺に抱きついてるん?」
滋郎は、忍足に思いっきり抱きついていた。
「えー?忍足のことがぁー、大好きだからー!」
滋郎は何の悪びれもなく言ってくる。
「・・・ちょっと待てやコラーーー!!!」
忍足が爆発する。
「俺は男やぞ!?ちょっとは冷静になり!なぁ、跡部も言うたって・・・」
しかし、なんの反応もない。
まさか・・・
「あ、跡部?お前は正気やんなぁ?」
「忍足・・・」
跡部の目が明らかに違う。
これは・・・狙っている目だ。
「忍足・・・お前はそうだよなぁ?」
「な、何が?」
跡部が滋郎を引き剥がし、忍足の両手を握る。
「お前は・・・俺のモノだよなぁ?アーン?」
・・・・・・・ヤバい・・・・・・・。
「ちょっとは期待を裏ぎれやーーー!!!」
「あぁ?何を言ってやがる。まぁ、いい。さっさと家に戻るぞ。」
「は?あっ、ちょっと・・・」
出て行こうとする跡部と忍足の前に、宍戸が立ちはだかる。
「ちょっと待てよ跡部・・・」
宍戸が凄い剣幕で跡部を睨んでいる。
(お、宍戸は正気・・・)
忍足は、
「練習サボんじゃねーよ!部長だろ!!?」
と考えていた。
宍戸が口を開く。
(宍戸!言うたってー!)
「跡部・・・忍足は俺のモンだ!!盗っていくんじゃねぇ!!」
「・・・・・はぁ?」
忍足はついつい、マヌケ声を出してしまった。
それに、滋郎・樺地・鳳・向日・日吉と、正レギュラー陣は入ってくる。
「忍足は俺のだCー!!」
「ウス・・・俺の・・・です。」
「ちょっ、待ってくださいよ!先輩は俺の・・・!!」
「待てよ!侑士は俺のだっーつの!!」
「・・・下剋上だ。」
それぞれがそれぞれの言い分を言っていく。
(なんでこうなったん・・・?)
皆に引っ張られながら、忍足は変なことがなかったか思い出していく。
確か、部室に入ってきたときまでは普通だった。
変になったのは・・・
あの飲み物(乾作)を飲んでから・・・?
「・・・ちょっとそこで皆待っとけ!!間違っても外に出んな!!」
忍足は皆を振り払いながら、部室を後にした。
目指すのは、青春学園・・・!!!
「・・・あれ?あれは確か・・・」
氷帝近くにいた乾が、忍足を見て呟く。
「忍足侑士・・・?」
その目線に気がついたのか、忍足が乾の元へ寄ってくる。
「久しぶりだな。関東大会以来か?」
「そんなことはどうでもええ!それより、なんやねん!あの飲み物は!!」
乾はやっと気がついた。
「あ・・・あの新作か。誰か飲んだのか?」
「俺以外の正レギュラーが皆、あの餌食や!どうしたらもどるん!!?」
もはや、忍足は乾の襟首を掴みながら言っている。
「えっと・・・あれはだな。」
その後を聞いた瞬間、忍足は本気で乾を殴ろうかと思った。
「確か・・・餌食となったものが半径50Mにいることで、かかっていない誰かが餌食となったものにキスすると治る・・・かな?」
忍足は怒るどころか、呆れてしまった。
「なんでそんなややこしく・・・しかもキス!!?『まもロリ』かい!!あと最後疑問形やんけ!」
「ん?『まもロリ』を知っているのか?・・・忍足は乙男か。いいデータがとれた。」
そんなことを冷静に言っている乾を、ほってくことにした忍足は、急いで氷帝に帰った。
「あ・・・忍足、行ってしまったか。もう一つ、手段はあったのに・・・」
ま、いいか と乾が呟くと、青学へ行ってしまった・・・
氷帝に戻る途中、忍足は誰とキスするか考えていた。
最初に出てきたのは、キスしたくない相手・・・跡部と宍戸だった。
(あいつらは絶対嫌や!あとは・・・)
自分より高い相手とキスするのはなんとなく気がひける。
だから、樺地・鳳も消える。
日吉は・・・あとが怖そうだ。
(やっぱ滋郎か岳人か?でも、岳人はなんかちゃかしそうやな・・・)
・・・というより、やっぱり同じ学校の奴とキスしたくない!!
「あれ・・・いつの間にかに持ってきてたんや。」
ポケットには、あの飲み物のペットボトル。
それを睨みながら忍足は考える。
(仕方がない・・・やっぱり、滋郎にするか。)
そう考えていると、氷帝学園・テニス部 部室についていた。
(しゃーない、覚悟を決めるか・・・)
その時。
誰かにぶつかった。
「あ・・・」
「・・・邪魔なんだけど。」
間違いない、青学の越前リョーマだ。
「なんでここに・・・」
「乾先輩から。えっと・・・」
リョーマが言おうとしたとき、いきなり部室のドアが開いた。
「忍足ーー!!」
「ジ、ジロー!!?」
滋郎が抱きついてくる。
「会いたかったよー!」
すると、それに従って他の正レギュラーもどんどん出てくる。
「ヤ、ヤバい!!」
その時、ふと忍足は考えた。
自分より小さくて、ちゃかさなくて、さらっと水に流しそうで、他の学校の生徒・・・
おるやん、ここに。
「越前!とりあえずついてこい!!」
「は?なんで俺が・・・」
忍足は有無を言わさずリョーマを引っ張る。
「待ってー!忍足ー!」
他の正レギュラーも追いかけてくる。
それから逃げて、体育館裏に。
「ちょ、ちょっと・・・」
「ええから、はよこれ飲め!」
リョーマは抵抗しながらも、力には勝てずに飲んでしまった。
「んっ・・・!」
忍足は、自分の50M以内に仲間がいることを確認すると・・・
リョーマにキスをした。
「んっ・・・・」
終わると、後ろでバサバサッと倒れる音。
・・・きっと、後で目が覚めるだろう。
忍足はハーッと息をついた。
しかし、そこで一人だけオーラが違う人物が一人。
「え・・・越前・・・?」
なにやら、黒いオーラが出ている。
「・・・何してんの?」
「あ、いや、これはやね・・・」
必死に言い訳しようとする忍足だが、なんにも出てこない。
「乾から聞いとらん?あいつらが変な飲み物飲んだって・・・」
「聞いてる。」
リョーマがポツッと言う。
「ほんなら・・・!!」
「だから、治す方法教えに来たんじゃん。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?
「乾先輩から伝言。
『もっと簡単に治す方法が発見した。あれを飲んだ人間を一箇所に集めて、1時間ほおっておけばいい。』
・・・だって。」
忍足は腕時計を見る。
皆があれを飲んで・・・今、ちょうど1時間。
つまり・・・あのまま、ほおってよけば良かったのだ。
「そんなん嘘や・・・」
崩れる忍足にリョーマは呆れたように声をかける。
「まだまだだね。」
エピローグ
「んで?」
「は?」
リョーマが顔を近づけてくる。
「今の、俺のファーストキスだったんだけど。」
「ごめん・・・堪忍な。」
しかし、リョーマは許さない。追い詰めていく。
「なんかのマンガにも書いてあったっけ。『等価交換』。常識だよね。」
「・・・・・・・何が欲しいん?」
忍足が涙目で聞く。
「・・・・・・・・・・・アンタ。」
「はぁ!?」
「嘘。ファ○タ一ヶ月分。」
リョーマはそう言って去っていった。
「・・・もう疲れたわ・・・」
忍足はそう言って、倒れた。
---END---
題名が「金魚注意報」っぽいというのはおいといて(オイ)
これは15分ぐらいで書けました!
これ書いているときのBGMが・・・
真田のバレンタイン・キッス。
なんだかね・・・
忍足も聞いてたんですけどね・・・
あのエロヴォイスにやられてしまい・・・
真田聞いてました。あ、あと跡部も。観月も!。
とにかく、言いたいのは
「バレンタイン・キッス」をカバーするのは反則だと思います!!!
なんですか、あのエロヴォイスは!!あの微妙に腐女子狙いなのは!!(何)
えっと・・・話がそれましたね(汗)
このしゃん同でこんなことしていいのかって話ですが・・・
常識がない子なので☆(オイ)
まぁ、ギャグだし・・・ということなので・・・
跡部が何気に一番書きやすかったです。俺様!!
忍足の関西弁ですが・・・大阪が住んでいる場所によって、時々関西弁が変わるので・・・
という言い訳を(汗)
今回は、とりあえず福島区らへんで狙ってみました!バッキュン!!
一番扱いにくかったのは青学ルーキー、越前リョーマ!!(笑)
最初は観月も出したかったのですが・・・
あのズーズー弁で!無理でしたね・・・シナリオ通りじゃない!!