作:朴 ひとみ
「はじめまして」
初めて君に会ったときの笑顔を
私はまだ覚えている。
小学生からの付き合いだった。
初めて会ったのは、確か近くにあった大きな病院。
そう、まだ小さかった私は病院で迷子になって
思わず、近くの部屋に入ったんだ。
中には、自分と同じぐらいの年の男の子。
「はじめまして」
君はまるで私が来るのが分かっていたかのように、そう笑顔でいったね。
病院へ行く度に、君のところへ行っていた。
体が生まれつき弱いせいで、小さい頃からずっと入院してるって
君は悲しそうな顔で。
「もし・・・元気になれたら、思いっきり走りたいな。」
空を見ながら君が呟いたのが、すごく絵になってた。
それから月日は流れ。
私達は中学2年生になっていた。
その頃からだっけ。
君が青白い顔をしていたのは・・・。
(毎日暑いなぁ・・・)
学校帰り、手に君へ焼いたクッキーを持ってきて。
いつもの病室へ
いつもの足取りで。
「また来たよー!」
君からの返事はなく。
いたのは、白衣を着てたお医者さんや看護師さんと、君の両親。
そして、白い布を顔にのせていた君。
「・・・どうしたんですか・・・」
答えたのは、誰かの泣き声。
クッキーが私の手から落ちて、割れた。
『また来たのか?』
『だって、ヒマなんだもん。』
『ったく・・・来ても面白いことなんかないだろ?』
『家でひきこもってるよりはマシ!』
『アハハ・・・あーあ、早く元気になりたいなぁ。』
『なれるよ、きっと』
『・・・そうだな。きっと・・・』
きっと、元気になってみせる。
「ウッ・・・・・・ウワァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!!!!!!!!」
7月、空のキレイな日に、君は亡くなった。
『君へ
元気ですか?
そっちは、寂しくないですか?
こっちは、なんとかやっています。
君と出会って・・・8年だっけ?
意外と、短いように感じたね。
あれから、私は立ち直ろうとなんとかやっています。
だから、君もそこから見守っていて。
・・・また、遊びにいくね。
きっと、また会えるから。
PS.自由に、あの空を下を思いっきり走ってみましたか?』