卒業、その後

作:朴 ひとみ


例えば

中学校の頃を思い出すと君の笑顔とか

君と話した些細なことを今でも思い出せると言ったら

君に笑われるだろうか


卒業して2年。

なんで今更気がついたんだろう。
「君のことが好き」って。



私は私立へ。



君は公立へ。




学校も違うし、あれから全く会ってない。






忘れたい。

忘れたい。



この気持ちも。
君のことも。






学校のことは全て忘れたはずだったのに。





なんで、こんなに君が頭に出てくるんだろう?
もう嫌だよ、過去に縛り付けられるのは。




(・・・なんでうち、こんなことしてるんだろう。)


日曜日、気がつけば君の学校へ。



普通は・・・いないよね。
でも、気持ちが抑えきれなくて。

君がいなかったら、これでお終いにしようって。

この気持ちに鍵をかけようって。







1、2回しか行ったことないけど、スグに行けた。
夕焼けに染まった学校は、何一つ音がしないばかりか、人のいる気配もない。

(やっぱりね・・・)




帰ろう。



全てを忘れながら。







「・・・バイバイ」









微かに、そう言った。






道に響くのは、私の靴の音だけ。






------なはずだった。








・・・後ろから靴音?









急いで振り返る。

















「お、久しぶり。」












懐かしい声と表情。







「・・・なんでいんの?」
「今日、塾だったんだよ。」




いつのまにか、大きくなって。



声も、一段と低くなっていた。






「・・・あははは・・・あははははははは!!!」

「な、なんなんだよ!?」




君をおいて、私は笑う。









本当に、馬鹿馬鹿しい。


なんで、こんな深刻に考えてたんだろう?

解決法は、簡単だった。



ただ、前を見てればいいんだ。










「ありがとう」





私がこう言ったのを、君は気がついただろうか。



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