作:ゆな
地獄の時間が始まった・・・。
真実の心-2-
タダでさえ女子は苦手なのに、耳元で名前を言われるなんて最悪だ。
中には知らないヤツもいて・・・
「栗村明美ですv」
「・・・・知らん」
そういうと泣き出す始末に。
オレは言いたくて言ってるワケじゃない、
オマエらが仕組んだんだろうが!と言いたいのに。
結局最後から2番目の人まで全滅だった。
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やっと最後だと思うのと、効き目がなくなるのと、
最後のヤツが出てくるのと、ほぼ同時だった。
(み、未夢・・・)
最後に出てきたのは未夢。でも薬の効き目は無い、でも言わなければ。
耳元で「光月未夢です」と言ったからオレは自分の意思で気持ちを言った。
「オレの同居人でクラスメイト。けど一番大切な人だ」
一瞬静まり返った部屋、
唖然としている女子たち、
顔を真っ赤にしている未夢。
そしてオレはさらにこう付け加えた。
「これで満足だろ?オレは未夢が好きだ。コイツ以外絶対ありえねえ。
だからもういい加減にしてくれ。行くぞ、未夢」
未だにボケーっとしている未夢を連れて、その場を去った。
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「ちょ、ちょっと、は・・やいよ・・・・待って!」
「・・・「待ってってば、彷徨!」」
後ろでゼーハーゼーハー言っている未夢を見て、早足になっていることに気づいた。
「ねぇ彷徨、さっきのって本心で言ったの?薬の効き目が無いの分かってたんだから。」
本心で言ったのかどうか分からない。
信じられないとでも言うような口調で尋ねてきた。
「それにその場逃れに見えなくも無かったし、私なんとも思わないからほんと・・・ん!?」
触れ合う口と口。未夢はそれが彷徨だと気づくまでそう時間はかからなかった。
「ん・・・、かな、た・・・」
数分、いや数秒、もしくは数時間だったかもしれない。
2人はようやっと離れた。
「バーカ。オマエじゃなくて、オレがどーにかしちまうよ。それにこれで信じただろ?」
「な、信じられるわけ・・・」
「え?信じられない?じゃあもう一回「イイデス!」」
行動一つ一つが愛しく思えた、オレの同居人でクラスメイト。
でもそんな肩書きじゃ、もう物足りない。
もっと近くの2人で1つのような・・
「好きだ、未夢。ずっと側にいてくれないか?」
一瞬目を見開いたが、顔を真っ赤にしてうなずいた。
「わ、たしもよ、彷徨」
今日は散々な日だった。
でもこうして手に入った愛しい人。
これからもよろしくな、未夢。
はぁ、終わった。
ゆなの初小説完結!
彷徨視点は書きやすかったです。
でも、やっぱりオカシイ(笑)
もっとトレーニングしなきゃなぁ。
最後のシーンは自分で書いていてチョット恥ずかしかったなぁ。
西光ゆな