真実の心-2-

作:ゆな


地獄の時間が始まった・・・。


真実の心-2-



タダでさえ女子は苦手なのに、耳元で名前を言われるなんて最悪だ。


中には知らないヤツもいて・・・


「栗村明美ですv」
「・・・・知らん」


そういうと泣き出す始末に。


オレは言いたくて言ってるワケじゃない、


オマエらが仕組んだんだろうが!と言いたいのに。


結局最後から2番目の人まで全滅だった。




********************



やっと最後だと思うのと、効き目がなくなるのと、


最後のヤツが出てくるのと、ほぼ同時だった。


(み、未夢・・・)



最後に出てきたのは未夢。でも薬の効き目は無い、でも言わなければ。



耳元で「光月未夢です」と言ったからオレは自分の意思で気持ちを言った。




「オレの同居人でクラスメイト。けど一番大切な人だ」




一瞬静まり返った部屋、


唖然としている女子たち、


顔を真っ赤にしている未夢。



そしてオレはさらにこう付け加えた。





「これで満足だろ?オレは未夢が好きだ。コイツ以外絶対ありえねえ。
だからもういい加減にしてくれ。行くぞ、未夢」




未だにボケーっとしている未夢を連れて、その場を去った。

*********************


「ちょ、ちょっと、は・・やいよ・・・・待って!」
「・・・「待ってってば、彷徨!」」



後ろでゼーハーゼーハー言っている未夢を見て、早足になっていることに気づいた。



「ねぇ彷徨、さっきのって本心で言ったの?薬の効き目が無いの分かってたんだから。」


本心で言ったのかどうか分からない。


信じられないとでも言うような口調で尋ねてきた。



「それにその場逃れに見えなくも無かったし、私なんとも思わないからほんと・・・ん!?」



触れ合う口と口。未夢はそれが彷徨だと気づくまでそう時間はかからなかった。



「ん・・・、かな、た・・・」



数分、いや数秒、もしくは数時間だったかもしれない。



2人はようやっと離れた。


「バーカ。オマエじゃなくて、オレがどーにかしちまうよ。それにこれで信じただろ?」
「な、信じられるわけ・・・」
「え?信じられない?じゃあもう一回「イイデス!」」



行動一つ一つが愛しく思えた、オレの同居人でクラスメイト。



でもそんな肩書きじゃ、もう物足りない。



もっと近くの2人で1つのような・・






「好きだ、未夢。ずっと側にいてくれないか?」





一瞬目を見開いたが、顔を真っ赤にしてうなずいた。




「わ、たしもよ、彷徨」




今日は散々な日だった。



でもこうして手に入った愛しい人。



これからもよろしくな、未夢。




はぁ、終わった。

ゆなの初小説完結!

彷徨視点は書きやすかったです。

でも、やっぱりオカシイ(笑)

もっとトレーニングしなきゃなぁ。

最後のシーンは自分で書いていてチョット恥ずかしかったなぁ。

                          
                         西光ゆな



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