10years

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作:水上うらら

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――夢の中



君と隣りあわせで 歩いてる道



君は 呼んでも 振り向いてくれない



でも 歩くのをやめると 君は遠くへ行ってしまう



どうすればいい・・・?



どこまで 歩けば 振り向いてくれる?



心で 問いかけた・・・








おれは自分の部屋に戻る。





どこか 切ない 横顔



不自然な 笑顔。



流れる 涙・・・






未夢に 何があったのか。


どうして、おれには話してくれないんだ?


あんなにも 辛そうなのに


あんなにも 泣いていたのに・・・



もしかしたら・・・・・・



おれが、気付かないうちに ・・・未夢に何か言ってしまったのかもしれない。


だったら・・・・・・ごめん・・・。未夢・・・



でも・・・ 本当にそうだったら


おれは


何を 言ってしまったんだろう・・・・・・







「未夢さぁ〜ん 彷徨さぁ〜〜んっ  夕ご飯ですよぉぉ〜っ」







ワンニャーの声がした。

夕飯か。


部屋から出て 居間に向かう途中

まだ 電話中なのだろう、声が聞こえた。


聞かずに・・・・・通り過ぎたけど・・・。




「あれぇ??未夢さん来ませんねぇ・・・未夢さぁんっ み〜ゆさぁぁ〜んっっ!

・・・ダメですぅ・・・聞こえてません〜 彷徨さん、すみませんが呼んできて貰えますか?

今、ちょっと手が離せないんですぅ〜」



ワンニャーの手には味噌汁の鍋。



・・・わかったよ・・・おれが行ってくる。  そう言い さっき通り過ぎた未夢の部屋に向かう。






いつもなら なんの躊躇いもなく開けられる扉。

震える手で 開けようとしたけれど




気付かれそうで・・・・・・



おれの心まで 見透かされそうで・・・・・・・・・・・・





深く 呼吸をし、『外から』 未夢を呼ぶことにした。



「・・・・・・・・・・・み・・・ゅ・・・」


その瞬間、おれの声と 未夢の声が 重なった。



「あ・・・のね・・・・・・っわたしには・・・好き・・・な人が いたのっ・・・」




未夢に・・・・・・好きな人・・・?



こんなの、立ち聞きだ。


だが、足は・・・離れない。


まるで 地面と 一体化してしまったように・・・




「うん・・・・・・面と向かって・・・振られたわ・・・けじゃなっ・・・・・・けど・・・

その人がね、告白をOKするところを・・・見・・・ちゃったのっ・・・

すっご・・・く美人で。

優しくって。

スポーツ万能で勉強も・・・出来ちゃう・・・

わたし・・・なん・・・かが・・・かなうわけないよ・・・っ」





振・・・られた・・・・・・?・・・未夢が・・・・・・・・・?





しばらく、言葉の意味が 分からなかった。






・・・・・・おれじゃない。



未夢が 好きな人は   おれじゃ・・・・・・ない・・・っ



だって・・・・・・おれは 誰かに告白されてない。・・・少なくとも、一週間の間は。





別に、未夢の特別でいたい、なんて・・・・・・思ってたわけじゃない・・・っ




思ってた・・・わけじゃ・・・・・・






「うんっ・・・頑張るよっ・・・聞いてくれてありがとう。

元気、出た。・・・うん、本当だよっ 

ほんとにありがとう・・・・・・じゃあ、また明日。学校でねっ」





ピッ





電話を切るときの、電子音。




はっと、おれは気付く。


ここにいたら・・・・・・立ち聞きしてたってばれちゃうじゃないかっっ!!



どうしよう・・・そう思ったときにはもう、未夢の部屋の扉は開いていた。





「か・・・なたっっ!!?」





「ワンニャーが、もう夕飯だぞっ・・てさ。

呼んでも気付かないから来た。・・・・ほらっ早く行くぞっ!」



赤くなった顔を隠すように ふいっ、とそっぽを向く。






「か・・・・・彷徨・・・あの・・・」


「なんだ?」



「でっ、電話の内容、聞い・・・ちゃった・・?」




そっか。・・・・・・知られたくないよな・・・いくら、家族 だとしても。



未夢が言いたくないならそれでいい。




「さぁ?・・・聞いてはいなかったけど・・・ちょうど来たばっかだし。」



「そっかぁ・・・よかったぁ・・・」


ほっ・・・と息をつく未夢。




そうだよ・・・。




未夢がいいなら、 ・・・それでいいんだ・・・。








こんばんは。水上うららです★


こんどは彷徨くん誤解してます。

わたし本人も、なんか・・・思いがけない話の数になってびっくりしております。

・・・・・・それでいいのかぁっ!!


あと、もし似たような話を書いたことがある人、見たことがある人。

すいませぇぇんっ!!!

決して真似してるわけではないです。。。

ただ、うららの文章力が足りないだけです。

ほんとすいません。。。


では。

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