突然

作:妖緋






突然呼び止めて。

突然頭を下げて。

突然告白した。


「俺っ・・・光月が好きだっ!」
「ちょ・・村田君!?」










ワンニャーとルゥが無事に宇宙に帰って

未来と優がアメリカから戻ってきて



彷徨と未夢の想いが通じ合って



それでもしょうがなく

未夢が前の町の学校で生活をしていたときのことだった。










「俺、本気だよ」

村田は、未夢のクラスメイトだった。
未夢が転校してきた日に、一目ぼれをしてしまったのだった。
自分と会話しているときの未夢の笑顔で、余計に好きになり告白をしたのだ。


「未ー夢っ」
「亜季ちゃん!」

突然現れたポニーテールの少女、大塚亜季。
亜季はこちらの学校での未夢の親友だった。
ニコニコと未夢に笑いかけている。
未夢は亜季に問いかけた。


「どういうことなの?」
「どういうことって・・・今村田君が言ったでしょ?」

亜季は彷徨の存在を知らなかった。
だから村田に協力して、告白の場を作り上げたのだ。
しかも亜季は未夢が村田を好きだと思っているようだった。





「未夢、付き合っちゃいなよ」

亜季がケロッと言う。


未夢は顔を真っ赤にして

しかしそれでもちゃんと言った。



「わ、わたしっ・・・付き合ったりとか、できないから・・・・・・他に好きな人が・・・いるの・・・////」



「そーそー」



突然だった。



振り返ると、そこに立っていたのは・・・・・・





「彷徨っ!!」


「久しぶり」


呆然としている亜季と村田をよそに、未夢と彷徨の2人は久々に会えた喜びから早速会話を弾ませていた。



「彷徨、なんでここに?」
「明日から連休だろ?今日から泊まりに来ないか・・・って迎えに来た」
「ホント!?泊まりに行っていいのっ?」
「もちろん。おばさんとおじさんにはもう了解とってあるし」
「わー彷徨行動はやい〜・・・・って、彷徨学校は?」
「あぁ・・・校長がサルが大変だからーとか言ってなぜか休校になった」
「うわぁサルのためならなんでもやるんだねー」
「そうなんだよな・・・ったく、そんなことで休みにしていいのかよ」
「ふふっ・・だよねぇ〜」



「あ、あのぉ〜」
「光月・・・?」

未夢と親しげに話す男が突然登場して、2人は驚きを隠せないようだった。
それと同時に亜季はワクワクした目をしていて
村田はショックな目をしていた。

「あ、あのね・・・平尾町でお世話になってた西遠寺さんの息子で西遠寺彷徨君・・・・それで・・・」

「「それで?」」

亜季と村田が同時に聞く。
未夢の隣で、彷徨が未夢の言葉を待ってニヤニヤとしていた。



「それで・・・わたしの・・・・・・こ・・・恋人・・・・・・・・・なの・・・・・・/////」



「そういうこと」
真っ赤になった未夢を抱き寄せて、彷徨が言った。
彷徨が村田を見る目には、明らかに威嚇が含まれていた。





「未夢・・・恋人いたんだね」

亜季が申し訳なさそうに口を開いた。
村田に告白をさせたのは自分なのだ。
しかし、村田が彷徨に叶うはずがないことはすぐに分かった。
未夢と彷徨が2人でいることが自然すぎて
逆に今までみてきた未夢だけの姿がおかしく思えてくるほどだった。

「うん・・・ごめんね?亜季ちゃん今まで黙ってて・・・」
「ううんっ突然でびっくりしたけど・・・ちゃんと聞かなかった私がバカだった」



村田は、ショックが強すぎたのか未だに声がでないようだった。
そんな村田に彷徨に抱かれたままの未夢が声をかけた。

「村田君も・・・ごめんね」
「い、いや・・・・・・そうだよな、光月みたいなやつなら・・・彼氏くらいいるよな・・・」

そう言いながらも、まだ心の整理ができていないようだ。
それはそうだ。告白をしたすぐ後に、その相手の彼氏があらわれたのだから。



「ってことで、二度とこういうことが無いようにしてもらいたいんだけど・・・・・・」
「わ、私が未夢を守るからっ!西遠寺君は、心配しないでっ・・・もう間違ってもこんなことしないっ」
「ああ・・・頼むよ・・・」

このとき亜季は、初めて彷徨の優しい笑顔を見た気がした。
確かに、未夢が惚れたのもわかると思った。



「じゃあ、そろそろ行っていいか?」
「はいっ。未夢、連休明けに話聞かせてねっ」
「あ、亜季ちゃんっ////」















「・・・・・・ってことで、村田君も諦めなよ」
「分かってるよ・・・」

突然すぎるほど早い失恋に、村田ははぁ、とため息をついた。
そんな村田の背中を亜季がばしりっ、と叩く。

「そんなに落ち込まないでよねー・・・・・・あたしがいるじゃない」
「え・・・」

戸惑う村田を置いて、亜季はさっさと歩き出す。
少ししたところで振り返ると、べーっと舌を出した。

「嘘に決まってんでしょーっ!ほら、いつまでもそこにいても未夢はいないわよ」
「お、おう・・・」

ぼてぼてと付いてくる村田の気配を背後に感じながら
亜季は、どうやって自分の気持ちを村田に打ち明けるかと悩んでいた。





連載が全然進まなくてすみません(汗
えっとこれは、随分前に書いてあったものに後ろちょっと付け足したものです。
文章力が足りないなぁ・・・と自分で呆れてしまうようなものですが(^^;;)
読んでくださった方、ありがとうございますm(__)m
「突然」というタイトルは苦し紛れにつけたのだと思います。
突然の告白に、突然の彷徨の登場ってことからつけたと思います。(うろ覚え

さて、オリジナルキャラについて少々・・
まず、オリジナルキャラの亜季ちゃんがすごくいい子にみえます・・・。
村田の恋の応援をしておきながら実は村田が好きだったとか・・・・・・。
でも亜季ちゃんは本気で未夢と村田をくっつけようとしてました。
自分の気持ちを隠したわけでもなく、ただ単に
村田が未夢に振られるまで自分の気持ちに気づかなかった子です。
と、いうあってもなくてもいいような設定を公開してみました。


[戻る(r)]