作:山稜
2004年春企画「HAPPY FLOWER 春花の無礼講」参加作品でした。
それプラス…なんですけど、くわしくはあとがきにて。
だまってる。
おこってる。
ぜったい。
ちょっとは、からかわれるほうの気分もわかった?
ざまぁみなさい。
だまってる。
おこってる。
ぜったい。
なによ、ほんのジョーダンでしょっ。
そんなにおこんなくたって。
わたし、わるくないもんっ。
ふらっと彷徨が、たちあがった。
障子あけて、とんとんとん。
あの歩数なら、自分の部屋。
相当、おこってる。
…ひとこと、
…いーや、わたし、わるくないもんっ。
いつもからかわれてるんだから、これぐらい仕返ししたって、ばち当たらないもんっ。
…でも。
ふすまを、すこぉし開けてみる。
…ふとんっ!?
ふつーじゃ、ない。
「ちょ、ちょっと彷徨っ」
「…わるい、ちょっと寝る」
「そんなにおこらなくっても、わたし…」
「いや、さっきから気分、わるくて…さ」
そういえば、みけんにしわ。
おでこ、くっつけてみる。
「熱は、なさそーだけど…」
顔は、あかいかな。
「ちょっと体温計、とってくるっ」
かぜ?
季節の変わり目だし…。
くしゃみとかせきとか、まだだけど。
けさはそんなふうでも、なかったのに。
こんなときに、わたし…。
ばかだ。
「はい体温計…」
「ん…未夢」
「なに?」
「かぼちゃプリン…」
そうだ。
きのうスーパーで、買ってきたんだっけ。
まだ1コ、残ってた。
ちょっと楽しみに、してたんだけどな。
「食べるの?」
「ん…」
声にチカラ、ない。
「わかった、とってくるっ」
もどったら、彷徨が体温計見てた。
「どう?」
「ん…」
さしだされたのは、38度。
「高いよっ!?」
「ん…」
頭、ひやさなきゃ。
「タオルはっ?」
「そこの…一番上」
開ける。
「これ、ぬらしていいっ?」
「ん…」
おフロ場行って、洗面器。
台所行って、氷水。
彷徨の部屋で、固くしぼって。
「のせるよ?」
「ん…」
浅い息。
つらそうな…。
「未夢…」
「なに?」
「ひざ…」
「えぇっ!?」
またそーゆーことを…っ!?
なにを言い出しますかっ、このひとはっ。
…ま、いーか…。
熱だして、つらいときぐらい、甘えさせてあげても…。
「…いーよ」
そっと、ひざをそろえる。
彷徨のあたま、やってくる。
重みがゆっくり、のってくる。
自分のほうが、熱、でそう。
なんだ、思ったより熱く…。
…ないじゃないっ!?
「ねぇちょっと、彷徨っ」
「ん…」
「熱はっ!?」
「ん…?」
舌、出してる…。
ふとんの中に、カイロ…。
「だ〜ま〜し〜た〜ねぇ〜っっっ!?」
「バレたか」
ケロっとしてる。
「こらぁ、あたま、どけなさいよっ」
「ちぇっ」
なにが「ちぇっ」だ、なにが。
「もーっ、バカバカバカ、心配したんだからねっ!」
「もとはと言えば、おまえがつまんねーじょーだん言ってくるからじゃん」
「だってきょうはエイプリルフールだもんっ、ウソついたっていーんでしょっ」
「んじゃ、おれんだっていーんじゃん」
「わたし、そんなに手の込んだウソ、ついてないっ」
「手が込んでよーがどーだろーが、悩むことにはちがわねーだろっ」
言い合いなら、ぜったい負け。
あたま、つきとばして、たちあがった。
「もーっ、彷徨のバカっ、大っきらいっ!」
ぷいっと後ろ向いて、ふすまに手をかけた。
うしろから、声、とんできた。
「それもエイプリルフールか?」
ふりむいたら、クチの端っこ、もちあげてる。
「しらないっ!」
思いっきり、開けて閉めたけど。
ウソだ。
しってる。
ホントは…。
きょう言ったって、わかんない。
はやく終わらないかな、4月1日…。
2004年のエイプリルフール。
オエビに緋雨しゃんが投稿してくれたネタの続きを、ワルノリで書いてみたのがコレです。
そのオエビ自体はログ流れしてしまいましたが、あらためて緋雨しゃんがスキ?キライ?でマンガ形式に描きなおしてくれました♪うれしいなぁ♪
というわけで、やっちゃいました後日談。
やっぱり彷徨の仕返しは怖かった?
かぼちゃプリンはどうなったんでしょうね(笑)
いっつも「バカ」って言い合ってるふたりですからね、バカのない日の方が珍しいんでしょうけど、なんと言ってもエイプリルフール。4月バカですからね。
この年は同盟&同好会HPでも「しゃん同盟を『しゃ同盟』と『ん同盟』に分割します」ってネタをやったんですが…真剣に心配されてしまいましたしねぇ…(@_@;
ひっかかったって傷つかないようなウソやジョーダンだけにしておきましょうね(^^;